山仲間と奥秩父の両神山という山に登ってきた。
今回は紅葉を楽しみながら登るゆるハイクということで、一番楽に登れる白井差新道を使って山頂を目指した。
両神山の白井差新道は私有地
このコースは一般的な登山道とは少し違っていて、山中さんの所有する個人の敷地を歩くため、事前に予約をする必要がある。
山中さんの連絡先は山と高原地図にに記載されている。
山中さんの家までのアクセス
車で山中さん宅に行くにはナビを両神山麓キャンプ場に合わせ、そこから更に道なりに進めば到着する。
僕たちは横浜を出発し、圏央道を経由して関越自動車道の花園ICまでサクット移動。そこから下道をくねくねと走り、山の奥地へ向かった。
山中さん宅の前に到着すると素早く奥さんが登場し、駐車場所を指定してくれた。
写真は山中さん宅ではなく近くの廃屋。
車を停めて登山の準備が整ったタイミングで山中さんが登場し、地図を持ってきてコースの注意点などの説明をしてくれた。この日はツアーのバスが2台ほど来るということで、混雑する前に出発することに。
序盤は沢沿いを歩く
スタートしてからしばらくは沢沿いのゆるやかな道を歩く。まだ山の麓だが、登山道を見るとそれなりに落葉しているようで、両神山の紅葉は後半戦といった印象。
昇竜の滝
なかなか立派な滝。
徐々に高度を上げていく
白井差コースは最短で山頂に行くことができるコースで、綺麗に整備されていてとても歩きやすかった。
このコースなら登山初心者でも安全に上り下りできそう。
水晶坂
しばらく歩いて尾根に出ると紅葉が綺麗なスポットにさしかかった。
木を見上げると赤やオレンジの葉がそこらじゅうに広がっていた。
ブナ平
尾根道を少し歩くと突然ほぼ平地の場所にたどり着いた。木々を見上げると色付いた葉と緑の葉が重なり合ってとても綺麗だった。
白井差コースは基本的に展望はあまりなく、この時期は紅葉した木々を楽しみながら山を登ることになる。ただ、1カ所だけ山頂まで行かなくても展望が開けている場所があった。
ここまでくる間に右手にチラチラと見えていたのぞき岩が一望できた。
一般コースへ合流
写真のロープの奥から僕たちは登って来て、帰りはこのロープをくぐって下山する。
白井差新道は私有地であるため、他のコースから来た人は入ってはいけないことになっている。
逆に白井差新道を歩いてきた僕たちの場合は他のルートへは下山することができない。つまり白井差新道はピストンが前提で来た道を戻らなければならない。
両神山の山頂はかなり狭い
無事に登頂。
2時間30分のコースなんで余裕。
写真は山頂直下。
山頂はすごく狭い。撮影ポイントを除くと休憩場所は殆ど無いといっていい。
ただ、展望はなかなか良い!
僕たちが歩いた白井差新道はこの日バス2台のツアー客が来ることになっていて、少なくとも20〜30人くらいは狭い山頂に向けて登ってくる。
こんな狭い所で人の行き来に巻き込まれたくないと思った僕たちは、記念撮影を済ませた後、休憩もそこそこに下山を開始することにした。
大渋滞
下山を開始したところで、白井差新道からのバスツアー客とすれ違った。あと少しで山頂の混雑に巻き込まれるところだった。
下山
帰りは来た道をサクッと下山。
多少の傾斜はあるが、大きな段差が少なく非常に歩きやすい登山道であるため、下山も非常に楽だった。
下山後は山中さん宅で借りていた地図を返却し入山料の1,000を支払った。
両神山のピンバッジは在庫が無い場合はしれっとスルーするらしいのだが、この時は在庫があり無事にもらうことができた。
整備された登山道、綺麗な紅葉、山頂からの見事な展望などなど、秋の日帰り登山にはもってこいの場所だった。
来年もまたこのくらいの時期に再訪したいと思う。
今回登った両神山の白井差新道は、過去に色々な経緯があって現在に至っている。
分かりやすく説明されているサイトを見つけたので一部引用しておく。
両神山登山道廃止騒動とは
この登山道廃止の発端は、両神山が国立公園に編入された1952年当時、山林所有者と国との間で、頂上付近の森林の伐採をしない代わりに、相続税を減免するとの約束がなされたのに、その約束が守られなかったことに由来します。所有者は環境庁と埼玉県を相手に相続税減免措置を求めましたが、交渉は進展しませんでした。所有者は、登山道の維持管理に尽力するかたわら、長年、遭難救助隊を勤めていましたが、ちょうどその頃、折りからの百名山ブームで登山者も増え、マナーの悪い登山者に頭を痛めていたことも起因し、所有者は、ついに2000年に、両神山の最短ルートである白井差登山道と梵天尾根を経由する大峠周遊コース、中双里コース、落合橋コースを相次いで廃道にしてしまいました。
両神山への新ルート
地主さんとお話する中では、登山者の遭難事故による訴訟問題とかもあったようで、そのことが入山を拒む要因でもあるように感じました。今では、国とも和解し、登山者の要望もあり、自力で両神山への新ルートを開拓し、昨年から試験的に一日30人限定事前予約制で登山者を受け入れているとのことでした。