はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

イケハヤ氏が企画に関わっている「絶対に死なないシェアハウス」について思ったこと

イケハヤ氏の元書生である矢野大地氏がクラウドファンディングで、新たに建設予定のシェアハウスの資金(350万円)を調達しようとしているようです。

このシェアハウスは月額5万円の賃料を払えば「絶対に死なない」というコンセプトで運営を予定しているようで、クラウドファンディングのページを見てみると、絶対に死なない理由として以下の7つの項目を挙げていました。

矢野大地氏が提唱する「絶対に死なないシェアハウス」の住人が絶対死なない7つの理由

  1. 契約野菜、米によって絶対に死なない
  2. 契約薪によって絶対死なない
  3. エネルギーの自活システムによって絶対死なない
  4. 最新のBIMを活用した建築によって絶対死なない
  5. 仕事がある(ライティング、まちづくり関係、農業の季節バイトなど)ことで絶対に死なない
  6. 農機具、自転車などのシェアがあることで絶対に死なない
  7. 地下貯蔵庫があることで絶対に死なない

どうやら家賃の中に生活を支援する仕組みを作っているようですが、僕が気になったのは1番目の「契約野菜、米によって絶対に死なない」と、5番目の「仕事がある」というところの詳細です。

野菜と米だけでは必要な栄養を摂取できない

地元農家さんから定期的に契約野菜、米をいただくことのできるシステムをシェアハウスの機能としています。また、ここで直接農家さんと繋がりを持てるので、地域との関わりも自ずと持てるようになるでしょう。

※こちらは全て、家賃に含まれています。

野菜と米を中心にした食生活は健康的ではありますが、3大栄養素である「タンパク質」「脂質」「糖質」を野菜と米だけで補うには工夫とお金が必要です。

野菜を豊富に摂ることでビタミンやミネラルなどを体に取り入れることはできますが、脂質やタンパク質が不足してしまうので「絶対に死なない」という表現には語弊があると僕は思います。

契約野菜の中にナッツ類や大豆も含まれていれば心配には及びませんが。

ナリワイカレンダーは若者の貧困を加速させそう

”ナリワイカレンダー”というものをシェアハウス利用者にはお配ります。そこには嶺北地域内で季節ごとにある一次産業バイトや常時受けられる仕事など様々なその日ぐらしをできる仕事情報を載せる予定です。
※毎年更新されていく予定!

様々なその日ぐらしって・・・。

これを読んだ瞬間に頭に浮かんだのは闇金ウシジマくんの「誠愛の家」です。

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※闇金ウシジマくん 18巻より引用

 

なぜ誠愛の家が頭に浮かんだかというと、ホームレスなどを人里離れた場所に住まわせて逃げられないようにしたうえで、厳しい労働に従事させ家賃や食費などをピンハネするという貧困ビジネスにそっくりだなと思ったからです。

今回建築を予定しているシェアハウスは新築ですから、漫画のような劣悪な住環境ではないとは思いますが、意図せずともそういう風になってしまう可能性は少なからずあると思います。

もし入居されている方が病気や怪我で働けなくなったらどうするのでしょうか?

絶対に死なないシェアハウスの建設予定地(だと思われる場所)を見てますます不安に

350万円もの大金を集めようとしているのに、シェアハウスの建設場所や完成時期、入居者募集に関する情報などがまったく掲載されていなくて、こんなクラウドファンディングに誰がお金を出すんだ!?と思っていたのですが「おもしろい」とか言ってチマチマと少額支援する人たちがいて驚いています。

そんなわけで僅かな情報を元に絶対に死なないシェアハウスの場所を調べてみました。

とりあえず建設予定地は本山町の吉野川沿いという記載があったので、矢野大地氏のYoutube動画に出てきた建設予定地と似た場所をGoogleマップで探してみたところ、すぐに見つかりました。

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上記画像は矢野大地氏のYoutubeを画像に切り出したもの。

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そしてこちらがGoogleマップ。

 

ここに絶対に死なないシェアハウスが建つ前提になりますが、例えば高知駅まで車を利用した場合、高知自動車道(有料)を使って車で1時間弱もの時間がかかります。

また、高知駅まで公共交通機関を利用した場合は、最寄りのバス停まで徒歩30分弱かけて移動し、バスと電車を乗り継ぎ何と2時間弱もの時間を要します。

 

わざわざ高知市内まで移動しなくても、食材やその他生活用品はどこかで購入できるでしょうし、ネットをうまく使えば家から1歩も出なくても生活はできるとは思いますが、それにしても交通の便が非常に悪い。(Gooleマップで確認できた最寄りのコンビニまでは徒歩約30分)

 

イケハヤ氏のようにどこに住んでいてもアフィリエイトで多額の収入を得られるような人には問題なく生活できるかもしれませんが、ネットでうまく稼ぐことができない人にとっては仕事を掛け持ちして生活費を稼ぐ必要があり、結構大変なんじゃないかなあと僕は思います。

もし入居者が集まらなくても、最近イケハヤ氏がまったく話題にしなくなってしまった元書生や現書生(いるのかな?)たちを入居させれば空室のリスクは回避できますね。

 

ちなみに建設予定地左側のビニールハウスが立ち並ぶ巨大な敷地は、クラウドファンディングで1万円支援した際にもらえる「絶対に飢えないセット」に含まれる「土佐天空の郷」というお米を販売している会社(財団法人本山町農業公社)の所在地のようです。

シェアハウス入居者はここで働かせてもらえるのかな?

 

絶対に死なないシェアハウスはそんなに儲からない(ような気がする)

建設費は全額で約2500万円かかります。そのなかでも、特別な設備として、オーブン付き薪ストーブ、そして地下貯蔵庫、井戸の工事などの建設費用が350万円が現在足りていません。

建設費が諸々込みで2,500万円かかって、3名の入居者にゲスト部屋1名っていうことは、安定的に入ってくるお金が毎月15万円ということになります。

15万円+α(ゲストの宿泊費)から入居者に保証している食材費や水光熱費、その他経費などを差し引けば多くても毎月10万円程度の収入になりそうです。

毎月10万円×12ヶ月で120万円の収入に対して、木造建築の耐用年数が22年で2,500万円の建物の減価償却が毎年約113万円(建物以外の付属設備は考慮していません)、また土地や建物の固定資産税などの支出を考慮するとあまり美味しい商売ではなさそうです。

土地や建物を誰が所有するのかによって状況は変わりそうですが、今回のシェアハウスは採算についてはあまり考えていないような気がします。

ただ、うまく軌道に乗ればこれをネタに全国各地で講演料を稼ぐ行脚ができそうなので、収支トントンでも運営側のメリットはそれなりにありそうです。

 

僕からすれば、なんでこんな場所にシェアハウスを建てるのかな?という疑問しか浮かんできませんが、生きていくのに疲れた人・困っている人たちにとって本当の救いになるのであればそれはいいことだと思うので頑張ってほしいと思います。

ただ、これまで高知に移住していったイケハヤ氏の仲間達の現状を見る限り、やはり不安が募りますね。

 

なかがわたつやさん:Twitter、ブログともに10月以降更新なし

ワクイヒトシさん:鬱持ちなのに最近仕事が過密気味

ちゃんとイケハヤ氏に請求書を出して生活費をもらっているのでしょうか? 

 

何はともあれアフィリエイターイケハヤ氏のこれまでにない規模のリアルビジネスがどう展開していくのか、暇ができたらまたチェックしてみたいと思います。

 

2016.12.25 追記:

どうやらシェアハウスのお隣の財団法人本山町農業公社ですが、今回のシェアハウスを手がける藤川工務店の社長さんが理事長をされているようです。

H27年度事業報告のPDF資料7ページの役員の欄に名前が出ています。

最初はこの農業公社を使ってシェアハウスを藤川工務店に発注して、運営をイケハヤ氏の会社に受託でもするのかなと思ったんですが、農業公社の決算公告を見てみるとそれほど余裕はなさそうなんですよね。

ただ、シェアハウスの建設や供給されるお米や野菜にこの法人が関係している可能性は高そうです。

運営側の情報公開を待ちたいと思います。

 

2016.12.26 追記:

クラウドファンディングのページに追記がありました。

建設費の内訳としては、
藤川工務店さんが銀行の融資を受けて、2200万円でシェアハウスを建設。
その設備として、オーブン付き薪ストーブ(200万円)、地下貯蔵庫(70万円)、井戸の建設工事費(30万円)を取り入れる予定です。

よって、引換券の経費、発送代、FAAVO高知の手数料などを含み、目標金額を350万円と設定させてもらっています。

また、建設後は藤川工務店からNPO法人ONEれいほくが管理委託され、運営をさせてもらう予定となっています。

どうやら施工業者の藤川工務店が自己資金で建設を行って、運営を矢野大地氏が代表になっているNPO法人ONEれいほくが委託されるようです。

イケハヤ氏は客寄せパンダといったところでしょうか・・・。