今年のシルバーウィークは天気も良く、GO TOトラベルなどの影響も相まって、行楽地はどこも大混雑だったようです。混雑は山も同じで、北アルプスの予約不要のテント場は、大勢の登山者がやってきて非常に密な空間になっていました。
今回は予約不要の混雑するテント場を利用して感じたことなどをダラダラと書いてみたいと思います。
予約制のテント場は利用が難しい
登山は事前の計画が重要ですが、滞在する日数が長くなればなるほど予期せぬ出来事や天候の変化などで先の予定が狂いがちです。
僕は今年の7月に白馬岳から後立山連峰を縦走しようと計画し、白馬岳頂上宿舎・五竜山荘・冷池山荘のテント場を予約しましたが、白馬岳で悪天候に見舞われて2日目に五竜山荘まで行けなくなりました。
昨年までならテント場は予約不要の早い者勝ちでしたから、白馬岳頂上宿舎で1日延泊するなりして天候の回復を待って、次の宿泊地に向かうことができました。
しかし今年は完全予約制。
1日予定がずれただけで次のテント場が利用できなくなり詰みます。(結局この時は大雪渓から猿倉に下山しました)
同じテント場を複数日予約しておけば不慮の事態にも対応できそうですが、数に限りのある予約制のテント場をむやみに何日も押さえるのは他の登山者の迷惑になってしまいますし、そもそもそういう予約が認められるのか微妙な気がします。
このような状況なので、1泊以上の登山の計画は破綻しやすく、予約しなくても利用できるテント場が重宝されます。
予約不要のテント場に殺到する登山者
とある週末の大天荘のテント場。
テントが指定地に収まりきらず、山小屋の許可を得て小屋の前にまでテントが設営されていました。
シルバーウィークの薬師峠のテント場。
夕方近くになっても登山者が続々とやってきてテント場はご覧の通り…。
その翌日の三俣山荘テント場。
写真左下に緑色のロープが張ってあって、その外にテントを張ってはいけないのですが、登山者たちはお構いなし。写真に写っていないさらに左側にも結構な数のテントが張られていました。
指定外地へのテント設営は小屋のスタッフの方も最初は注意していたようですが、登山者の数が多く処理しきれなくなったのか最後は黙認している様子でした。
このように、テント場を予約制にしている小屋とそうでない小屋が点在することによって、予約ができなかった登山者たち(もしくは最初から諦めて予約しなかった登山者)が予約不要のテント場に殺到して混雑してしまいました。
僕もその一端を担っていたわけですが…。
先日下山してバスを待っている際に、遅めの時間に双六小屋に到着してテント場の利用をお願いするも、予約をしていないと断られてしまい、わさび平のテント場までヘッドライトを点けて下山したという方の話が聞こえてきました。
ちなみに登山中に数人の方から聞いた話では、双六小屋のテント場はこの連休中ガラガラだったそうです。
「テント場がガラガラなら泊めさせてあげればいいのに」と思いましたが、これを認めてしまうと、計画的に遅れてくる登山者が殺到してしまう可能性が考えられるため、テント場が空いていたとしても例外を認めるわけにはいかない、という事情がありそうです。(僕の想像です)
この件に関しては情報が少なすぎるので、山小屋と登山者のどちらがどうだと決めつけることはできませんが「コロナ禍においては山小屋は気軽に泊まれる場所ではない」ということを念頭に計画を立て、遅れのないように行動する必要がありそうです。
コロナ禍のテント場利用について
「それができないから困ってるんだよ!」と言われてしまいそうですが、確実なのは混雑する時期を避けることでしょうか…。
あとはカレンダー通りに休めることが事前に分かっているのであれば、早い段階で計画を立ててテント場や山小屋を予約しておくことですかね。
ただ、予約を乱発して収拾がつかなくなり、無断キャンセルなどで山小屋に迷惑をかけるようなことがあってはなりませんので、どのくらい先まで計画を立てて予約するかは自分がどの程度まで情報を管理できるかを把握したうえで行う必要があると思います。
また、予約不要のテント場を利用する場合は「場所取りは早い者勝ち!午後着は死!」くらいの意気込みで無理のない早出早着の計画を立て、それを確実に実行する必要がありそうです…。
おわりに
以上、ダラダラと書いてきましたが、この辺りで終わりにしたいと思います。
来年の夏までに新型コロナの治療薬やワクチンなどができていれば、山小屋やテント場の規制も多少は緩和されて利用しやすくなるかもしれませんが、そうならない可能性の方が高いような気がするので、僕たち登山者は今後も注意を払って行動していく必要がありそうです。