登山道具をリスト化して総額を計算したらドン引きした話。
第2話は「テント編」です。
第1話「バックパック編」は以下のリンクからどうぞ。
- 登山用のテント
- 冬用の特殊なペグ
- 登山用のテント・ペグまとめ
登山用のテント
登山道具をリスト化した結果、これまでテント・ペグに費やした金額は226,115円であることが分かりました。
226,115円…。
登山の泊まりはテント泊のほうがコスパがいい!と思って普段からテント泊で山を登っていますが、果たしてそうなのだろうか?と疑問に思えてきます。
山小屋泊を1泊10,000円と想定すると22回泊まれる計算になりますので…。
…というわけで今回は僕が購入したテントと、そのテントで何泊くらいしたのかを紹介していきたいと思います。
MSR HUBBA HP : 1,222g
登山を始めた2013年の秋。
連休を取って熊野古道の小辺路を歩くことにした僕は、場合によってはテントを使う可能性があるかも!?と、Amazonで適当に検索して選んだテントがMSRのHUBBA HPでした。
並行輸入品だからなのか型落ちだからなのか分かりませんが、今では考えられない23,880円という破格の値段で購入しました。(もしかして偽物?)
小辺路縦走の時には結局使わず、初投入は同じ年の晩秋に登った雲取山でした。
このテントは吊り下げ式で出入口が長辺側にあるので、靴や細々したものを広い前室に置くことができます。
ここ数年使っていませんが、テントの形状が好きなのでいずれまた…と思っていたらフライシート内側のシームテープが加水分解でボロボロになってしまいました。
今更シームテープを張り替えるのもなぁ…ということで処分するかどうか悩んでいます。
HUBBA HPを設営したテント場
- 奥多摩小屋 2013.11
- 大弛小屋 2014.07
- 燕山荘 2014.07
- 北岳肩の小屋 2014.07
- 小梨平キャンプ場 2014.08
- 涸沢 2014.10
モンベル ステラリッジ2型 : 1,420g
登山を始めた翌年の夏、北岳肩の小屋のテント場に泊まった際に、猛烈な暴風雨に見舞われました。暴風に吹き飛ばされそうなテントを中から両手で支えながら夜が明けるのを待ちました。
もうこんな思いはしたくないという思いから、耐風性のあるしっかりしたテントを買うことにしました。選んだのはクロスポール型の超ド定番テント「モンベル ステラリッジ2型」です。
確かヤフオクの未使用品だったと思います。
購入してだいぶ経っているのでフライシートの劣化が見受けられますが、MSRのHUBBAのような加水分解はなさそうですし、テントポールのショックコードも1年前に交換したばかりなので、まだまだ現役で使えると思います。
…とはいえ最近出番がないのでどうしようか悩み中…。
ステラリッジ2を設営したテント場
- 燕山荘 2015.04
- 蝶ヶ岳ヒュッテ 2015.05
- 赤岳鉱泉 2015.05
- 赤岳鉱泉 2015.05 (2泊目)
- 烏帽子小屋 2015.07
- 三俣山荘 2015.08
- 黒部五郎小舎 2015.08
- 槍ヶ岳山荘 2015.08
- 涸沢 2015.09
- 蝶ヶ岳ヒュッテ 2019.04
ライペン オニドーム1 : 1,290g
僕がメインで使っているテントがオニドーム1です。
クロスポール型で安定感があり、前室もまずまずの広さ。
テントを設営する場所が稜線上で強風に見舞われる可能性があるときは迷わずオニドーム1を持っていきます。
安心して登山をするための頼れる相棒です。
オニドーム1を設営したテント場
- 燕山荘 2016.07
- 唐松岳頂上山荘 2016.08
- 涸沢 2016.09
- 北岳山荘 2017.07
- 大門沢小屋 2017.07
- 蝶ヶ岳ヒュッテ 2017.07
- 剱沢キャンプ場 2017.08
- 穂高岳山荘 2017.09
- 大天荘 2017.09
- 槍ヶ岳山荘 2017.09
- 涸沢 2017.09
- 常念小屋 2018.07
- 穂高岳山荘 2018.08
- 烏帽子小屋 2018.08
- 三俣山荘 2018.08
- 薬師峠キャンプ場 2018.08
- 涸沢 2018.10
- 雷鳥沢キャンプ場 2019.08
- 北穂高岳南稜テント場 2019.08
- 槍ヶ岳山荘 2019.08
- 三俣山荘 2019.08
- 三俣山荘 2019.08 (2泊目)
- 白馬岳頂上宿舎 2020.07
- 大天荘 2020.08
- 殺生ヒュッテ 2020.08
ZEROGRAM ZERO1 MF : 490g
テント本体が490gという驚異的な軽さの非自立式のテントです。
2本のトレッキングポールを使って設営します。
テントの出入口は二つあって、上の写真の側面部がメインの出入口で、もう一つは左側の尖がっているトレッキングポールを立ててある正面部分になります。
但し正面側はトレッキングポールが立っているので、成人男性が出入りするにはかなり苦労します。お飾り程度の出入口と考えておいた方がいいでしょう。
サイドの出入口を使うんだ、ということを主張するような設営をしておかないと、上の写真のように出入口にびったり横付けされてしまうので注意が必要です。
この時は正面の狭い出入口を使わざるを得なくなり、2~3回くらいポールを倒してテントを倒壊させました…。
内部はご覧の通りで足側は高さがなく、起き上がって座れるのは高さのある入り口付近のみです。
このように体の向きが決められたテントなので、平坦ではない場所に設営する場合は頭の向きに注意する必要があります。
あとかなり結露するので中の水滴をふき取るタオルは必須です。
ただ、軽量で軽く設営・撤収が簡単なので、荷物をカリカリに削りたい時はこれを持っていきます。
まだまだ検証が必要なので、来年も色々な場所に持っていきたいと思います。
ZEROGRAM ZERO1 MFを設営したテント場
- 燕山荘 2019.07
- 横尾山荘 2020.08
Locus Gear Khufu Tyvek : 440g
ローカスギアのクフタイベックは僕がずっと憧れていたテントで、昨年末に注文して今年の始めに届きました。
購入が冬だったので、奥多摩の七ツ石小屋で試し張りをして、その後に八ヶ岳の黒百合ヒュッテに設営して天狗岳に登りました。
写真を見ていただくと分かる通りインナーテントがないので、正しくはテントではなくフロアレスシェルターになります。
エマージェンシーブランケットを敷いてそのうえに冬用のエアーマットを敷いて運用します。エマージェンシーブランケットをめくれば前室が出来上がるので、設営後に適当に調節してスペースを確保します。
タイベックはデュポン社独自の高密度ポリエチレン不織布で、紙のような風合いがあるので夜に灯りを点けるととても綺麗です。
Khufu Tyvekを設営したテント場
- 七ツ石小屋 2020.01
- 黒百合ヒュッテ 2020.02
- 薬師峠キャンプ場 2020.09
- 三俣山荘 2020.09
- 涸沢 2020.10
クフタイベックはシーム処理が必要だったり、インナーメッシュが別売だったりと少々敷居が高い製品ですが、Khufu HBという本体・メッシュインナー・ペグがセットになったお得な製品も別途販売しています。
こちらはシルナイロン素材なのでタイベックよりも若干重量があります。
Locus Gear DPTE (Dual Pole Tip Extender)
ローカスギアのクフはワンポールシェルターなので、トレッキングポール1本で設営が可能ですが、シェルターの内部の真ん中に棒が立っている、体をぶつけて倒壊させてしまうような気がして嫌なので、同社のDPTE (Dual Pole Tip Extender)を購入しました。
DPTEを使うとトレッキングポールを2本をA型フレーム化することができるようになり、シェルター内部が広くなるだけでなく、耐風性も向上する優れものです。
何を言っているか分からない(僕も分からない)と思うので、詳しくはBBGさんによる以下の動画をご覧ください。
Locus Gear Khufu 3/4 Mesh
ローカスギアのクフは外張りだけのフロアレスシェルターですが、別売でインナーメッシュが販売されており、これをクフの内側に設営することでダブルウォールテントのように使うことができます。
虫のいない冬は必要ありませんが、虫の活動が活発な無積雪期にフロアレスで幕営する勇気は僕にはないので購入しました。
今年のシルバーウィークに実践投入しましたが、なかなか調子が良かったです。
SOL エマージェンシーブランケット
こちらはクフをフロアレスで使用する場合に地面に敷く用のシートです。
UL系の方はこれを丁度良いサイズにカットして使っているようですが、面倒でまだ買った時のままのサイズで使っています。
Easton Nano Blue 6"
このペグは後で紹介するEaston Gold 24″と一緒にローカスギアのウェブショップで購入したものですが、現在は取扱いがないようです。
軽く丈夫なペグですが、結構かさばるので最近はそれぞれのテントに付属しているペグを持ち出しているので出番は少なめ…。
冬用の特殊なペグ
ペグは基本的に購入時に付属していたものを使っていますが、雪が積もる冬の時期は通常のペグは使えません。
雪の上にテントを固定する方法は色々ありますが、なるべく楽に運用できそうなものを選びました。
toughstake タフステイク S
雪上にバチっと効く便利なペグです。
写真(右のオレンジ色)は僕が間違えて逆さに刺していますが、これでも効きは十分でした。本来は以下の図のように使用します。
サクッと雪に刺すだけで簡単に固定できて、撤収時はスッと抜けるので非常に使い勝手が良いです。
Easton Gold 24″
降り積もった雪面に通常のペグは短すぎて刺さりません。
「だったら長くすればいいのでは?」
…というコンセプトで作られたのかは分かりませんが、Easton Gold 24″は62cmと通常のペグと比べると物凄く長いペグです。
左がステラリッジに付属してきたペグで、右がEaston Gold 24″です。
どのくらい長いかは一目瞭然だと思います。
雪質によって刺さりづらい場合もあるかもしれませんが、踏み固めればだいたいは刺さると思います。
撤収時も簡単に抜けます。
非常に長いペグですが大型のバックパックのサイドポケットであれば問題なく収まります。
モノトーンのバックパックに山専ボトルとペグのイエローが映えます。
Alomejor
これは購入したまま実践投入はまだできていませんが、固い雪面用にと思ってポチったプラスチック製のペグです。
どう使うかは形状を見れば分かりますよね?
登山用のテント・ペグまとめ
バックパックの購入価格の総額は166,906円に加えて今回紹介した購入総額226,115円を足すと…。
393,021円。
ざっと数えてみたところ、これまでテントで48泊しているようなので、226,115円を48泊で割ると1泊当り4,710円になります。
次の記事で紹介するスリーピングギア編もテント泊の費用に含める必要があるので、投資した金額をまだまだ回収できていない状況であることが分かりました。
オニドーム1とクフタイベックはこれからもガンガン使っていくので、徐々に1泊当りの単価は下がっていくと思いますが、最近ヘリテイジのクロスオーバードームが気になっているんですよね…。(全然懲りていない)
続く…。