はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

花の百名山「平標山」と谷川連峰最高峰の「仙ノ倉山」をテント泊で登ってきました

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2021年6月20~21日で花の百名山の平標山と谷川連峰最高峰の仙ノ倉山にテント泊装備で登ってきました。

新幹線とバスで平標山の登山口へ

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早朝の上野東京ラインに乗り、大宮駅で新幹線に乗り換えて越後湯沢駅で下車。そこから駅前のバスに乗り換えて平標山登山口のバス停に向かいます。

新幹線の指定席はガラガラでした。

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この日は晴れの予報に誘われた大勢の登山者がバス停前に列をなし、バス会社はそれを予想していたのか臨時便を用意してくれたようです。おかげですし詰めみたいな状態にはなりませんでした。

ハクサンイチゲなどの高山植物が見頃を迎えている平標山とその周辺のお花畑を見ようと、新幹線+バス組以外にもマイカー勢が大勢やってきてるようで、駐車場は空きを探すのが大変そうな混雑具合でした。

駐車場に併設されたトイレで用を足しスマートフォンの地図アプリを起動して出発の準備を整えます。

雨で濡れた登山道を行く

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まずは平標山の登山口から樹林帯の急登を延々と登り、松手山を目指します。前日に雨が降っていたので登山道はぬかるんでいて履いてきたトレイルランニング用のシューズは泥でみるみる汚れていきます。

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しばらく登っていくと登山道の脇に咲くヤマツツジの鮮やかな赤色が目に飛び込んできました。

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前日に降った雨の水滴がまだ花びらに残っています。

出発直後の登山道はバス組の人たちのみでしたが、しばらく登っていくとマイカー組と思われる登山者の方々が徐々に増えてきて道が狭いところなどでは渋滞が発生していました。

鉄塔

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最初のチェックポイントの鉄塔下で休憩するつもりでいましたが、休憩中の登山者で混雑していたのでそのまま先に進みました。

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この調子だと松手山、平標山のいずれも登山者で混雑している可能性が高そうです。序盤から「登山は密にならないからOK」という楽観的な考えを否定されてしまいました。

松手山

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松手山に到着しましたが、やはり休憩できるような状態ではありませんでした。

登山者の間を縫って先へ進みます。

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晴れの予報に誘われてやってきた僕たちですが、どうやら期待していた天気にはなってくれそうにありません。

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後ろを振り返ると雲の切れ間から時々青空が見えますが、分厚い雲に覆われた山頂側はちょっと厳しいものがありますね。

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いまいち気分が盛り上がらない時に励みになるのが道端に咲く山の花たちです。

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特に目を引くのが見頃を迎えたハクサンイチゲ。

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天気が優れないなか、ふと足元に視線をやったときに目に入る可憐な高山植物は最高の癒しです。

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足を止めて写真を撮っていると休憩にもなるし良いことずくめです。

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天気は相変わらずで雲の切れ間から青空が少しだけ見えるものの良くなる気配はありません。まぁ今回はテント泊で1泊するので今日がダメなら翌日に期待するまでです。

平標山の山頂は密

ようやく平標山に到着しましたが…すごい人です。(あまりに人が多すぎて写真を撮影することができませんでした)

平標山の山頂は平たい少し開けた場所で、晴れていれば眺望の良い場所なのですが、残念ながらガスで何も見えませんでした。

そして大勢の登山者がノーマスクで休憩していて密な状態になっていたので、平標山の家まで下って先にテントの設営場所を確保することにしました。

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結局、登山口から休憩することなくノンストップで平標山の家まで歩くことになってしまいました。

平標山の家に到着

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平標山の家に到着しました。

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テント場は日帰り登山者の休憩場所にもなっているようで、到着した段階ではすぐにテントを張れる状況ではありませんでした。

奥多摩の七ツ石小屋もそんな感じだった記憶。

とりあえず目ぼしい場所にバッグパックを下ろして小屋でテント泊の受付を済ませました。

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テント場は1泊500円で水は無料です。

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今回はオニドーム1を持って来ました。

もうだいぶ暖かくなってきているので、テントに虫たちが寄り付かないように虫よけスプレーを持ってきてフライシートの内側とインナーテントの内側に軽く噴霧しましたが、そもそも虫がいなかった説…。

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かなり早い時間に到着したので、ガスが晴れれば撮影に必要な物だけを持って平標山に登るつもりでしたが、山の方から延々とガスが流れてきて晴れる気配がありません。

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小屋の前は登山者でごった返していたので、僕は小屋で飲み物を買ってテントに戻って休憩したり、人の少ない場所(小屋の売店前のベンチ付近が電波が入る)でネットを見たりして時間を潰しました。

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結局、平標山方面の雲・ガスは晴れないまま日が暮れていきました。

小屋の周辺は昼間の喧騒が嘘のように静かになりました。

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平標山の家のテント場は小屋を挟んで平標山側に7~8張りくらい、反対側に5~6張りくらい?のスペースがあります。

この日は合計7張りでした。

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沈んでいく太陽が空を覆った雲を赤く染めていきます。

翌日の天気予報は晴れ。

2日目は予報通りの天気になってくれると良いのですが…。

2日目の朝

今回は先日購入した新しい枕を持って来ましたが、30分~1時間ごとに目が覚める僕の浅い眠りは改善しませんでした。(マットは軽量化のため別のものを持参)

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午前2時くらいに睡眠を諦めて、持ってきたカップラーメンを食べるためにお湯を沸かします。沸騰したお湯を入れて出来上がりまで待っている途中で、うっかりカップラーメンの容器を倒してしまい、テント内に作りかけのラーメンが一部散乱して一人静かに大騒ぎ。

テント内を綺麗に掃除するという余計なタスクが増えましたが、時刻はまだ午前2時過ぎなので時間はたっぷりあります。食後は山と高原地図で2日目の行程をじっくり確認します。

2日目は平標山・仙ノ倉山に登り、そのまま谷川岳まで縦走するつもりでいましたが、ルート上の等高線とコースタイムをまじまじと見ているうちに自分にはちょっと厳しいのではないか?と思えてきました。

半年以上ぶりのテント泊装備での登山で無理は良くないよな…といつもの妥協モード(槍ヶ岳山荘まで来て槍ヶ岳に登らないとかそういうやつ)に突入し、2日目は平標山と仙ノ倉山周辺をじっくり撮影して下山することにしました。

平標山へ

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日の出前に必要な荷物だけを持ってテント場を出発します。

平標山の家から山頂に向かうのは僕が一番乗りのようです。誰もいない静かな登山道を登っていきます。

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仙ノ倉山方面の雲が徐々に赤みを帯びてきました。

風は少し吹いていますがとても気持ちの良い朝です。

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太陽が顔を出しました。

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誰もいない静かな朝。

そしてこの天気。

最高です。

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平標山の山頂に到着しました。

標高1,983.8m。

昨日の混雑が嘘のように静かです。

山頂に到着してすぐに別のルートから登ってきた登山者が仙ノ倉山に向かって歩いていきました。僕は誰もいない山頂でしばし景色を楽しみました。

百花繚乱

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仙ノ倉山に向かいます。

平標山から少し下って、そこから仙ノ倉山に登り返すのですが、この途中に息をのむ見事なお花畑が広がっています。

今回の登山のハイライトです。

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百花繚乱というのは少々大げさですが、花の百名山に選ばれるだけのことはある素晴らしいお花畑です。

平標山から少し下ると辺り一面にハクサンイチゲの花が咲いていました。

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ハクサンイチゲの白に交じったハクサンコザクラの紫色も印象的です。

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既に花が散ってしまっている個体が多く写真には撮っていませんがチングルマも周辺に群生していました。

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仙ノ倉山まで先は長いのですが、写真を撮ったり動画を撮ったりでなかなか進めません…。 

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こんなところにもハクサンイチゲが。

お花畑は平標山から少し下ったところだけですが、ハクサンイチゲは道中の至る所に咲いていました。

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平標山から仙ノ倉山まではそれほど歩かずに済むと思っていましたが、厳しいアップダウンはないものの意外と距離がありました。

「ここを登れば山頂かな?」と思ったら小ピークだった…みたいな。

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そんなこんなで山頂直下。

仙ノ倉山の山頂まであと一息です。

仙ノ倉山

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仙ノ倉山に到着しました。

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仙ノ倉山は、群馬県利根郡みなかみ町と新潟県南魚沼郡湯沢町にまたがる山で、標高は2,026m。

谷側連邦の最高峰のようです。

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少し雲が出てきましたが山頂からの眺めは最高です。

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やはり山はこういう天気が一番ですね。

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連なる山々のグラデーションが綺麗です。

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谷川岳へ続く稜線。

当初はここをテント泊装備で歩こうとしていたんですよね…。

1日あれば行けない距離ではありませんが、テント泊登山復帰戦で歩く場所ではないかなと…。

途中に幾つか避難小屋があるので、そちらを利用すれば谷川岳までの道中もだいぶ楽になるのですが、緊急時以外に使ってもいいものなのでしょうか。避難小屋は場所によって使用する際のマナーが色々違うようなのでなかなか踏ん切りがつかず…。

来た道を戻る

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そんなわけで、誰もいない山頂を独り占めできたので、来た道を戻ってテントを撤収して帰りたいと思います。

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仙ノ倉山に向かう途中で散々見てきた高山植物たちですが、帰りは帰りでまた見え方が違うというか、新たな発見があるというか…再び牛歩モードに突入します。

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咲かけのミヤマキンポウゲ。

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これでもかというくらい見てきたハクサンイチゲも綺麗に咲いている場所を見つけるとつい立ち止まってしまいます。

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そして本日最後の登り。

平標山の山頂に戻ればあとは下りのみ。

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しかしここから再び歩行スピードが落ちます。

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登りが辛いのではなく…

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この景色とお別れするのが名残惜しくなり、ついつい立ち止まってしまいます。

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仙ノ倉山に行く時に散々見たはずなんですけどね。

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平標山は花の百名山の名に恥じぬ素晴らしい山でした。

夏にはまた違う花たちが咲くらしいので、機会があればまた訪れたいと思います。

テント場に戻って撤収

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楽しい朝の時間はあっという間でした。

やるべきことを終えたので平標山の家に戻ってテントを片付けて下山します。

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前日に雲が多かったこの道も素晴らしい眺めです。

ただ昨日よりも虫がたくさん飛んでいたので、ウルトラファインメッシュヘッドネットを被って小屋まで歩きました。初めて使いましたが目の前を飛んでいる虫が気にならなくなるので助かりました。

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テントを撤収して小屋でコーラを買ってベンチに座り、地図を見ながらコースタイムを調べていたらバスの時間が結構ギリギリであることに気が付きました。

慌ててコーラを飲み干して、バックパックから出した一本満足バーを食べずにしまって急いで出発しました。

平標山の登山口に下山

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延々と続く階段を小走りで走り降り、バスの時間に間に合うように急いで下山しました。普段なら膝が痛くなるペースでしたが、登山口までの距離自体が短いので膝痛は出ずに下山することができました。

バス停までの林道も所々走って時間を短縮し、朝9時30分のバスに間に合う目途が立ちました。

バスで越後湯沢駅へ

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無事にバス停まで戻ってきました。

少し時間に余裕があったので、全身のストレッチを行ったり、バックパックの中身を整理したりしてバスが来るのを待ちました。

その後、バスで越後湯沢駅に戻り、新幹線・在来線を乗り継いで自宅に帰りました。

1日目は残念な天気に加えて想像以上の混雑でイマイチ気分が乗りませんでしたが、2日目に最高の朝を迎えることができました。

ただ今回のような混雑は出来る限り避けたいので、今後はそのあたりをもう少し考えて山に入りたいと思います。

YouTube動画

今回の登山の様子をYouTubeにも公開しています。

1日目の混雑具合や2日目のお花畑の様子は動画の方が分かりやすいかもしれません。良かったらご覧になってみてください。

登山再開について

昨年11月15日の奥多摩縦走を最後にこれまで神奈川県から出ずに自粛の日々をすごしてきましたが登山を再開することにしました。

4月にはこんなことを言っていましたが、最近のニュースを見ているとオリ・パラ後(もしくはもっと早い段階)に今以上の強い自粛要請が出るような気がするので、行けるうちに行っておこうかな…と考えを改めました。

すいません。

ふたたび感染が拡大して神奈川県に緊急事態宣言が出たり、他の都道府県が「神奈川県民は来るな」みたいなことを言うような事態になれば、その時は家で大人しくするつもりです。

まぁ再開すると言っても梅雨が明けるまでは天気のタイミングが合わない限り山には行きませんし、ここ数日コロナの感染者数が再び増加傾向にあるので、このまま自粛生活に戻る可能性も大いにありますけど…。

先の見えないご時世ですが、感染リスクには細心の注意を払って無理のない範囲で余暇を楽しみたいと思います。