はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

秋の剱岳テント泊登山 2日目 「いざ2,999mの頂きへ!」

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秋の剱岳登山2日目です。

前日は剱沢キャンプ場での強風に悩まされました。

風が強くテントの設営は難航し、初投入のクロスオーバードームは設営が完了する前にボロボロになってしまいました。

テント設営後も本来の形状を維持することを許さない強風が絶え間なく続き、朝まで殆ど眠れませんでした。

そんなわけで寝たのか寝ていないのかよく分からないまま剱岳への出発時刻がやってきました。

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剱岳の山頂を目指してテント場を出発

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バックパックに必要な荷物を入れ、テントが風で吹き飛ばされないように大きな石をビニール袋に入れてテントの真ん中に置きました。

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ヘッドライトを点灯させて剱沢キャンプ場を出発。

剱澤小屋の手前を下り、ゴロゴロした岩場を歩いて剣山荘に向かいます。

剣山荘

まだ辺りは暗いので、少し前に先行している方のヘッドライトの灯りで大まかな方向を確認しつつ、足元に注意しながら歩きました。

剣山荘前ではこれから剱岳に向けて出発する登山者が各々準備中でした。剣山荘の建物左手側を奥に進んで剱岳へのルートに入ります。

一服剱

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剱岳は2,999mの山頂までに二つのピークらしき場所を通過していきます。剣山荘からすぐのところにある一服剱がひとつ目のピークっぽいところです。

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薄明るくなってはきましたが、まだ景色を楽しめる時間帯ではないので、先行する登山者のヘッドライトの軌跡を追いかけます。

一服剱を越えると登山道は徐々に険しい岩場に変化していきます。

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朝陽が昇ってきました。

カール状になった剱沢キャンプ場周辺が徐々に明るくなっていきます。

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息が切れたら立ち止まって景色を見る…を繰り返します。

前剱

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景色に癒しをもらいながら険しい岩場を登り、前剱に到着しました。

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前剱に到着したタイミングで太陽が完全に姿を現しました。

昇ったばかりの太陽は、木々や山々に印象的な影を落とし、景色を立体的に彩ります。

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昨夜は悪天候に泣かされましたが、翌朝は違う意味で泣かされそうです。

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最高の朝。

今回は前剱で迎えました。

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美しい朝の景色を前に感極まりましたが、剱岳の山頂はまだまだ先です。

気を引き締めて出発します。

集中力が求められる鎖場が続く

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前剱から先はこれまで以上に険しい岩場が続きます。

落ちたら死ぬ場所が増えてきますが、そういう場所は整備の行き届いた鎖が設置されているので、慎重に歩けばそれほど危険はありません。

雨の日や岩が湿っている日は決して歩きたいとは思いませんが…。

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一息つける場所もあるにはありますが油断は禁物。

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次から次へとよじ登る岩場が出てくるので集中力を切らさないように歩き続ける必要があります。

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そして岩場のトラバースを越えた先に剱岳往路のラスボスが…。

往路のラスボス「カニのタテバイ」

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カニのタテバイは9番目鎖場です。

垂直に近い岩場の急斜面をよじ登る往路の難所です。

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混雑時はここでかなり渋滞するようですが、僕が登った日はそれほど混雑はしていませんでした。

急な登りではありますが、先行者の足さばきや鎖の使いどころなどを見ながらトレースできるので、見た目ほど大変には感じませんでした。

まだまだ続く登り…

カニのタテバイを登り切ったら山頂までもうすぐ…と思っていたのですが、僕の単なる願望でしかなかったようです。

登った先に待っていた岩場を見た時に「まだあんのか…」と呟いてしまいました。

標高2,999mの剱岳山頂に到着!

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そしてしばらく歩いてようやく山頂に辿り着きました。

標高2,999mの剱岳山頂に到着です!

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山頂はそこそこ広いですが登山者で溢れかえっていました。

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山頂に到着する少し前に太陽が雲に隠れてしまいましたが、それでも素晴らしい眺めです。

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後立山連峰もバッチリ見えます。

昨年くらいから後立山連峰の縦走を目論んでいますが、あの辺りのテント場はすべて予約制なので、計画を立てるのに難儀しています。

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富士山もよく見えました。

国内標高1位の存在感は流石。

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笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳もよく見えます。

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立山の先には槍ヶ岳と穂高連峰。

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富山湾もよく見えます。

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昨夜の暴風で殆ど眠れなかったので、剱岳にアタックするか迷いましたが、頑張って登ってきた甲斐がありました。

下山開始

山頂からの眺望をしばらく楽しんだあとは来た道を戻ります。

登頂して気を緩めることなく集中して下ります。

復路のラスボス?「カニのヨコバイ」

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ここまで渋滞らしい渋滞は殆どありませんでしたが、下りの難所「カニのヨコバイ」の手前で軽い渋滞が発生していました。

ここはカメラを持って写真を撮れるような状態ではないので、ヘルメットにマウントしたGoProで動画を撮影して、ブログには動画をキャプチャーしたものを掲載しようと考えていましたが、バッテリートラブルで動画が撮影できず…。

腰の張りが酷くなってきた

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カニのヨコバイを越えたあたりから背中から腰の張りが酷くなってきました。

岩場をよじ登ったり、鎖につかまって下ったりと背中の筋肉を使う場面が多かったこともあり、体の裏側が全体的に疲労しているようです。

結構疲れてしまいペースがガクッと落ちました。

一服剱で休憩

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疲れの影響で動画も写真も撮影する気になれず、無心になって歩いて一服剱の手前まで戻ってきました。

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当初の予定では剱沢キャンプ場に戻ってテントを撤収し、雷鳥沢キャンプ場まで移動して2日目を終えるつもりでしたが、疲労がかなり蓄積していたのと昨夜の寝不足を考慮して延泊を決めました。

剣山荘に到着

剣山荘に到着しました。

背中と腰がバキバキに張ってしまいました。

小屋でコーラと記念のバッジを購入してしばし休憩。

帰って寝るだけなので剱澤小屋に寄り道

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剱沢キャンプ場に延泊を決めて時間に余裕ができたので、剣山荘で休憩したあとは剱澤小屋に立ち寄ってさらに休憩します。

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今日登ってきた剱岳を眺めながらベンチで購入した三ツ矢サイダーを飲みつつチップスターをポリポリ食べました。

剱沢キャンプ場に戻り広い場所にテントを移動

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寄り道と休憩を経てテント場に戻ってきました。

予報では夜になっても風が強まることはなさそうなので、延泊の申込みを済ませたあとにテントを広いスペースに移動させました。

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寄り道してきたとはいえまだ時刻はお昼過ぎです。

テントに戻って全身のストレッチを行い、ゴロゴロしたりうたた寝したり、Amazonプライムでダウンロードした映画を観たりして午後のひと時を過ごしました。

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そして明日以降どうするかを地図と天気予報を確認しながら考えます。

当初の計画は以下の通りでした。

  • 1日目:剱沢キャンプ場へ移動
  • 2日目:剱岳に登りテントを撤収して雷鳥沢キャンプ場へ移動
  • 3日目:必要な荷物だけを持って立山三山を周回し温泉で汗を流してテントに戻る
  • 4日目:テントを撤収し奥大日岳・大日岳に登り大日平山荘に宿泊
  • 5日目:称名滝に立ち寄って下山・帰宅

まだまだ序盤ですが、腰の状態悪化、睡眠不足、疲労の蓄積、微妙な天気予報など問題が山積みなので旅を切り上げることにしました。

昨夜の強風はどこへ?静かな夜がやってくるが…

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前日の荒れ狂ったテント場は何だったんだろう…と思えてくるほど剱沢キャンプ場は平和です。

普段は山で殆ど眠れない僕ですが、昨夜の寝不足と蓄積した疲労をもってすれば爆睡できるだろうと期待していましたが、1時間ほど眠っては目が覚めるいつものパターンで深い眠りに入ることができませんでした。

「まあ風がないだけ昨日よりマシか・・・」そんなことを思いながら寝ては起きてを繰り返しながら朝を待ちました。

つづく。

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