上高地バスターミナルから涸沢まで歩き、涸沢小屋で休憩するところまでを前回の記事に書きました。
今回は涸沢小屋で休憩した後に、1日目の目的地である穂高岳山荘に向かう内容になっています。(1日目は今回の記事で終わりです)
ザイテングラート取付へ
涸沢小屋からザイテングラートの取付点までは1時間40分ほど。
涸沢小屋から大きな岩がゴロゴロした不安定な足場を登っていきます。しばらく登っていくと登山道は岩から石に変化しガレた歩きづらい道に変わってきます。
ザイテングラートまではそれほど急な斜面ではないので、息切れしないペースでゆっくりと登っていきます。
取付が見えてきました。
上の写真中央を右上に伸びていくハイマツの生えた岩場がザイテングラートです。
ザイテングラートを登る!
取付点まで来たところでバックパックを下ろして休憩します。
持ってきた行動食を食べながらこれから進む道を確認します。僕はこれまでザイテングラートを下山で3回ほど(いずれも重太郎新道から登って涸沢経由の下山)歩いたことがありますが、登りは初めてです。
コースタイムは50分ほどなので、あっという間に登り切ってしまいますが、テント泊装備を背負っての登りはそれなりに疲れますね。
振り返ると涸沢が見えます。
所々に鎖場がありますが、身の危険を感じるほどの場所はありませんでした。
穂高岳山荘に到着
12時50分。
無事に穂高岳山荘に到着しました。
嬉しいことに穂高岳山荘のテント場はガラガラで選び放題です。
穂高岳山荘のテント場はしばらく見ないうちに槍ヶ岳山荘のテント場のように場所指定制に変わっていました。
テント場はまず受付を…という表示があったので小屋に入って受付を済ませます。ネットで事前に予約をしていたので書類にサインするだけの簡単手続きでした。
穂高岳山荘のテント場は小屋のそばの斜面から階段を登った少し上のヘリポート周辺に点在しています。テント場と小屋を往復するのに何度も階段の上り下りをしたくなかったので、小屋の近くで人通りの少ない場所を選びました。
テント設営
今回は土日通して風はそれほど吹かない予報だったので、クロスオーバードームを持って来ました。
9月下旬の剱沢キャンプ場では強風で設営に苦労しましたが、穂高岳山荘のテント場は非常に穏やかで難なく設営することができました。
設営場所は小屋からもっとも近いスペースの一番奥を選びました。眺めもまずまずで小屋への移動もほぼ平行移動なので体への負担は皆無です。
地面が若干斜め…のような気がしますが、眺めもまずまずですし場所としては最高の部類に入ると思います。
午後のひと時
穂高岳山荘に到着した段階で晴れていたら奥穂高岳と涸沢岳に登ろうと思っていましたが、ここまでの道中で天気がかなり微妙な感じになってしまったのでテント場や山小屋周辺をウロウロして時間をつぶすことにしました。
お隣のテントの方と立ち話をしたり、小屋の前のデッキでビールを飲みながら涸沢のテント場を高みの見物したりと、午後の時間をダラダラとすごします。
小屋の前のデッキからは涸沢カール、屏風岩、常念岳、蝶ヶ岳が一望できます。
土曜日の涸沢はとてもカラフル。
この日のテント場は650張だったようです。
以前のようなモンベルイエローだらけのテント場ではなくなりましたが、写真を拡大してチェックしてみたら、青いフライシートのモンベルが増えているだけで、モンベル率はそれほど変わっていないようです。
前穂高岳のギザギザ。
陽の光に照らされて陰影が出てカッコいい…。
蝶ヶ岳ヒュッテも見えました。
今回の相棒はスポルティバのTX4。
ローカットで軽くて歩きやすく、岩場のグリップ力が高く、ソールの突き上げもすくないので非常に気に入っています。
YouTuberのたかくらさん
夕方になりあまりに暇だったので、階段を登った上のほうのテント場を見物に行ったところ、登山・アウトドアYouTuberのたかくらさんがいらっしゃったのでお声かけしてみました。
たかくらさんはジャンダルムを経由して穂高岳山荘に来られたとのことでした。
凄い!
ROFのステッカーを頂きました。
たかくらさんとお会いしてステッカーを頂きました🙂 pic.twitter.com/S4uBtKJzIS
— はらですぎ (@hara_desugi) 2021年10月9日
テントに戻ってツイートしたところ、どうやら僕のことをご存じだったようです。
まさかはらですぎさんだとは!
— たかくら | 山と♨ (@takakura3twi) 2021年10月9日
おどろきました、お声がけいただきありがとうございました!
ネットを中心に活動されている方にはネットのアカウントを絡めた自己紹介をしたいところですが「どうも、気持ちの悪いドラえもんみたいなアイコンでTwitterやらせてもらってます、はらですぎです(キリッ)」みたな感じで意気揚々と名乗っても「はあ…(誰?)」みたいなリアクションをされるがオチなのでなかなか…。
眠れぬ夜
日が暮れたところで涸沢のテント場をタイムラプスで撮影しようと思っていましたが、残念ながらガスで何も見えなくなってしまいました。
やることがなくなったので、晩御飯を食べて寝ることにしました。
北アルプスの秋の住環境
穂高岳山荘は、奥穂高岳と涸沢岳の鞍部に建つ標高2,996mの山小屋で、標高約2,300mの涸沢よりも600m以上高所にあります。
昨年の秋に涸沢にテント泊した時はモンベルの#2で結構寒かったので、標高が高くなる今回は更に寒くなることを想定しつつも、シュラフ単体の性能に頼らずに色々なアイテムを重ねていく方法を試してみることにしました。
テント・その他
テントは前回の剱岳登山と同じテント、ヘリテイジのクロスオーバードームを持ってきました。選んだ理由は予報ではそれほど風が吹かない予報だったのと、標高の高いテント場で気温が下がった場合にどのくらい結露するのかを試してみたかったからです。
結露でフロアが水浸しになってもいいようにエマージェンシーブランケットを中敷きに使います。
- テント:ヘリテイジ クロスオーバードーム2G(630g)
- テント中敷き:SOL エマージェンシーブランケット(82g)
シュラフ等
今回はR値7のエクスペドのDownMat HL Winter M(対応下限温度: -33 °C)を敷いて、夏用のシュラフ(3度まで)にエスケープヴィヴィを被せて寝る(テントの結露による濡れ防止とシュラフの限界使用温度のブースト)システムを組んでみました。
枕はパンクしてしまったようで空気を入れても入れてもふにゃふにゃで使い物になりませんでした…。
- シュラフ:WESTERN MOUNTAINEERING Nanolite58(310g)
- シュラフカバー:SOL エスケイプライトヴィヴィ(156g)
- マット:EXPED DownMat HL Winter M(480g)
- 枕:SEA TO SUMMIT エアロウルトラライトピロー ラージ(70g)
衣類
衣類はOMMのアクティブインサレーションの上にダウンを着て、下はモンベルの厚手のタイツの上にダウンパンツを履き、エクスペドのダウンシューズというスタイル。
シュラフが若干心もとないぶん、衣類の重ね着でカバーしています。
- 防寒具①:モンベル ライトアルパイン ダウンパーカ(382g)
- 防寒具②:OMM SuperSonic スモック(185g)
- 防寒具③:NANGA ポータブルダウンパンツ(217g)
- 防寒具④:モンベル ジオライン EXP. タイツ(172g)
- 防寒具⑤:EXPED Down Sock(130g)
これで氷点下まで耐えられるかを試したかったのですが、この日のテント場は結構暖かく風もそれほど吹かなかったので、深夜を過ぎて少し冷え込むまではシュラフに入らなくても問題ないレベルでした。
テント内の室温は明け方まで氷点下になることはありませんでした。
室温は快適だけど…
そんなわけでテント内の環境は悪くないはずなのですが、山で寝れないマンの僕はこの日もろくに眠ることができず、1時間おきくらいに目を覚ますといういつものパターンでした。
完全に横になれない夜行バスで爆睡できて、一人で横になれるテントで眠れないのは何でなんでしょうね…。
夕方からガスに包まれていったテント場周辺は夜明けが近づくにつれて徐々に晴れていき、天気予報の的中を予感させる空に変化していきました。
4回目の奥穂高岳では見事な景色が見れそうです!
つづく。
YouTubeに1日目に撮影した動画を公開しました!
今回のブログに書いた行程を動画でも撮影していますので、興味のある方はYouTubeでもご覧になってみてください。