晩秋の雲取山テント泊登山の2日目の記事です。
1日目は以下のリンクからどうぞ。
東京の夜景と鹿
計画の段階では「天気が良ければカメラと三脚を持って山頂で夜景を撮るのもいいな」などと呑気なことを考えていましたが、いざ夜になってみると寒すぎて何もする気になれません。(マイナス1~4度くらいで推移)
夜中にトイレに行きたくなり、ヘッドライトを点けてテントを出ると、山荘に向かう通路と左側の斜面あたりにライトの光に反射した無数の目がわらわらと動いていました。
どうやら鹿の群れがその辺の草を食べに来ていたようです。
トイレに行ったついでに山荘前から見える東京の夜景を見てみると思っていた以上に綺麗でした。
テント場周辺からも夜景は見えますが、木々の切れ間からチラ見できる程度なので、上の写真のように見渡したい場合は山荘の前まで移動する必要があります。
雲取山荘を出発
午前4時くらいに眠ることを諦め、暖かい卵スープを飲みつつ冷え切ったカレーパンを無心で食べました。
雲取山の日の出予想時刻が午前6時30分くらいだったので、6時前には撤収して出発しなければなりません。
かなり早い時間から撤収の準備を始めたのに、UNK特需でトイレを往復することになったり、凍結した地面からペグが抜けなくなってしまったりと想定外の出来事が発生し、時間ギリギリの出発になってしまいました。
雲取山荘から前日に下ってきた道を登っていきます。
かなり寒い朝ではありましたが、登っているうちに体が温まってきました。
雲取山の山頂でご来光
そして雲取山の山頂に到着。
日の出の時間までに山頂に到着することができました。
そしてご来光。
山頂よりも避難小屋周辺のほうが眺めが良いので急いで移動します。
最高の朝、頂きました。
月曜日の朝ということで山頂・避難小屋付近は前日にテント泊もしくは小屋泊したと思われる数名のみ。
とても静かで美しい朝です。
富士山や周辺の山々も優しい色に染まっていました。
風もそれほど吹いていなかったので、ここでお湯を沸かしてコーヒーを飲みながら朝食を食べても良かったですね。
下山開始
山頂周辺で絶景を堪能できたので下山します。
南アルプス方面を振り返ってパシャリ。
2日目の朝は晴れてはいますが雲が若干多めでした。
雲一つない空も魅力的ですが、こういう適度に雲が出ている空も悪くないですよね。
木々の切れ間から差し込む太陽。
葉が落ちて紅葉が終わってしまった時期でもこんなに綺麗なので、10月末くらいはもっと綺麗だったのだと思います。
次はもう少し早い時期に訪れたいですね。
左手に太陽、右手に富士山と贅沢な石尾根歩きを楽しみながら歩いていたら、あっという間にブナ坂の分岐に到着しました。
当初は「あわよくば奥多摩駅まで」と考えていましたが、今年は足の調子があまりよくないので無理をせずに来た道を戻ることにしました。
ブナ坂の分岐から鴨沢バス停へ
往路では七ツ石小屋に立ち寄って休憩しましたが、下山は延々と下っていくだけなので立ち寄らずに進むことにしました。
七ツ石小屋への分岐を通り過ぎたところで水が滴り落ちている場所がありました。
日陰の岩場ということもあってか、小さなつららができており、
足元には滴り落ちた水滴が落ち葉の上で凍っていました。
尻に火が付く
鴨沢に下山するので鴨沢のバス停から奥多摩駅まで移動することになるのですが、スマートフォンの電波が入るまでの間はバスの時刻について楽観的でした。
奥多摩の山奥ではありますが、1時間に1本くらいはバスが走っているだろうと高を括っていましたが考えが甘かったようです。
下山も終盤を迎えたあたりでようやく電波が入り、奥多摩駅行のバスの時刻を確認したところ、直近で10時11分の便があり次が13時52分でした。
10時11分は相当頑張らないと間に合わない時間で、13時52分はバス停で相当待たなければならない時間です…。
とりあえず頑張ってみて間に合わなかったらその時考えよう…と歩くペースを上げることにしました。
平坦なところは駆け足で、それ以外のところは早歩きでバスの時刻に間に合うように急ぎました。
登山口を過ぎて舗装路に出てからも間に合うかどうかギリギリの状況でしたが、ここまで頑張って間に合わなかったら苦労が水の泡になってしまう!と必死の形相で駆け足で進みます…。
滑り込みセーフ
そして10時9分に鴨沢のバス停に到着しました。
ギリギリセーフ!
YAMAPのペースが急上昇しているのはバスの時刻に遅れないために爆速で下山したのが原因です。(上の画像の右端)
できればバス停に着いた段階で荷物をパッキングし直したかったのですが、近くの自動販売機でコーラを買うのが精一杯でした。
奥多摩駅から自宅へ
鴨沢のバス停で荷物の整理ができなかったので、奥多摩駅に着いたら…と思っていましたが、バスと電車の接続のタイミングが良すぎて駅に着いたら電車が発車寸前で…となかなか落ち着きません。
幸い車内がガラガラだったので、動き出した電車の中で軽めの荷物整理を行いました。
その後、立川駅と新宿駅で電車を乗り換え自宅の横浜に帰りました。
まとめ
今回は晩秋の雲取山テント泊登山ということで、新たに購入した登山道具の試運転と夏用シュラフと僕自身の限界を調べる目的も兼ねていました。
登山自体に関しては天気に恵まれて最高の山登りができましたが、テント場での夜の環境については大失敗でした。
夏山装備プラスαで試したスリーピングギアは大失敗
2013年の同じくらいの時期に奥多摩小屋にテント泊した時は、モンベルの#2のシュラフに色々着込んでギリギリセーフだったので、今回も似たような装備でいけるのではないか?と考えて、10月末の下ノ廊下の時とほぼ同じ装備で臨みました。
上記記事の装備に厚手のタイツとグローブを追加で持って行きましたが駄目でした。
テント内の気温はマイナス4度まで下がり、クッカーに残っていたお湯は朝方には凍っていました。
僕は普段からテント泊の時は連続して眠ることができず、数時間ごとに目を覚ましてしまうのですが、今回は寒さで何度も目を覚ましました。
…というわけで夏用ギアでどこまで耐えられるかという実験は「ギリギリアウト」という残念な結果に終わりました。
僕の場合は夏用シュラフ+エスケープヴィヴィ+厚着ではマイナス1~2度くらいが限界かな…といった印象です。大変な目には遭いましたが、今回持って行った装備で何度くらいまでいけるのか、という限界値を知れたのは収穫でした。
新しい装備は上々
今回導入した新しい道具は以下の通りです。
- バックパック:OGAWAND OWN
- スタッフサック:アクシーズクインの巾着ヌノバケツ(GRiPS別注品)
OGAWANDのOWNは容量が25L~50Lとサイズを可変させられるので、日帰りからテント泊まで便利に使えるバックパックです。
雪山のテント泊では容量が少々足りませんが、夏から秋にかけての北アルプスのテント泊縦走なら十分な容量ではないかと思います。
使い勝手も背負い心地もまずまずで気に入りました。
アクシーズクインの巾着ヌノバケツは1泊2日のクッカーと食料などがちょうど収まるサイズ感で、生地にハリがあり自立するのでバックパックから出してテントの中にポンと置いておけるところが気に入りました。
非常によくできている製品で、色違いをもう一つ購入しているので、今後も活用していきたいと思います。
YouTube動画
今回の1泊2日の雲取山登山を1本の動画としてYouTubeに公開しています。素晴らしい朝の様子は動画の方が伝わりやすいと思うのでぜひご覧ください。
…以上、晩秋の雲取山登山でした。
次の登山は年末年始あたりかな?