はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

快晴の槍ヶ岳で雲海と夕景を堪能しました #1日目

僕の夏休みは7月下旬は職場のクラスターで延期、8月下旬は天候の折り合いがつきそうになく延期、そして今回の9月下旬もギリギリまで微妙な予報でした。

もうこれ以上の延期はできないことから、天気がダメなら登山以外の休みの使い方も…と思っていましたが、9月24日の夕方には天気が回復して数日は晴れる、という情報が入ってきました。

…というわけで夜行バスを予約し直し、慌てて荷物をパッキングして出発の地、東京駅八重洲口に向かいました。

東京駅八重洲口から「さわやか信州号」で上高地へ

さわやか信州号は東京から乗りたい派の僕は、ハイウェイバスの予約状況をチェックする際は東京発から空席を調べます。

今回は台風襲来を恐れた登山者のキャンセルが相次いだ為か、バスの中はガラガラで後方も空席だったのでリクライニングし放題!

22時40分に出発したバスは進路を順調に進み、談合坂SA・諏訪湖SAと途中休憩を経て長野県へ。

上高地はまさかの天気

諏訪湖SAに着いた段階で雨が上がっていたので、もしかしたら…と期待していましたが、上高地は期待通りの天気になっていました。

諏訪湖SAで買ったおにぎりを食べながら準備運動を行い、薄暗い上高地バスターミナルを出発します。

いざ槍ヶ岳へ!

梓川は雨の影響か、少しだけ水位が高いように見えました。

天気が良ければ河童橋から穂高の山々が見えますが、雨が上がったばかりということもあってご覧の通り。

当初の予報では夕方くらいまで雨が降り、徐々に天候が回復していくというものでしたが、現状を見る限りでは天気の回復は前倒しになりそうです。

徳沢キャンプ場

上高地スタートで槍ヶ岳に行く場合も、涸沢に行く場合も分岐となる横尾までの「平行移動ゾーン」は頭を無にして延々と歩きます。

徳沢キャンプ場はテントを撤収する方々がチラホラ。

昨夜はどんな夜だったのでしょうか。

徳沢を出て少し歩いたところで雲の切れ間が見えました。

徐々に天気が良くなってきていることが分かり、俄然やる気がみなぎってきます。

横尾

横尾でもう1つのおにぎりを食べ、ジュースを飲んで、トイレを済ませて出発。

次のチェックポイントは槍沢ロッジ。

整備された沢沿いの道を歩いて行きます。

槍沢ロッジ

槍沢ロッジの自動販売機でCCレモンを買い、行動食のワッフルを食べながら休憩。

ここから先は本格的な登山道になるので、しっかり補給してから出発します。

ババ平キャンプ場

槍沢ロッジから少し登ったところにババ平キャンプ場があります。

槍ヶ岳まであと5km。

平地のランニングなら30分もかからない距離ですが、目的地は標高3,000mを超える槍ヶ岳山荘なので簡単にはいきません。

本格的な登りが始まる

ババ平から先は傾斜がきつくなり、上高地あたりのような移動スピードが出せなくなってきます。

横尾と槍沢でしっかり補給・休憩してきたつもりですが、この辺りからガクッとペースが落ちて足が進まなくなってきます。

どんどん天気が良くなってきているのが救いです。

見えてからが遠い槍ヶ岳

槍の穂先が見えてきました。

空はご覧の通りすっかり晴れて、完全勝利を確信しました。あとはあそこまで登って周囲の景色を見渡すのみですが、なかなか足が進みません。

既にヘロヘロで何か食べたかったのですが、サコッシュに入れてきた行動食はすべて食べてしまい、バックパックに入れたつもりの残りの行動食をどうやら家に忘れてきてしまったようです…。

殺生ヒュッテの分岐まで来ました。

ここで殺生ヒュッテに立ち寄って何か食べていくか迷いましたが、この僅かな回り道さえ面倒に感じてしまい、槍ヶ岳方面に進みました。

出発当初の勢いはどこへやら。

8月くらいからランニングを初めて、それなりに走り込んできたので槍ヶ岳山荘くらいまでなら余裕で登れるのでは…と高を括っていましたが、2ヶ月も山から遠ざかっていると思うようには登れませんね。

…とはいえ少しずつでも歩いていれば先へ進みます。

じわじわと標高を上げて目の前に見えている槍ヶ岳山荘に近づいて行きます。

背後には常念岳から蝶ヶ岳の稜線が綺麗に見えています。

槍ヶ岳山荘に到着

13時16分。

無事に槍ヶ岳山荘に到着しました。

5時30分スタートなので約8時間くらいでしょうか。

とりあえず山荘の自動販売機でコーラを買って一息入れました。

天気は最高。

これならしばらく経ったあとに登ってもガスることはないでしょう。

テント場の受付を済ませ、クロスオーバードームを設営しようとしたところで、テントを固定させるための張り綱を家に忘れてきたことが発覚…。

槍ヶ岳山荘周辺はそれほど風が吹いていませんが、テント場は風が吹いていて四隅のペグダウンだけでは少々不安です。仕方がないのでペグダウンした四隅を石で補強し、テント内の四隅にも大きめの石を置いて風で飛ばされないように固定しました。

行動食の忘れ物に始まり、テントの張り綱まで忘れるとは…と、せっかくの快晴に水を差すような自身のやらかしに気が滅入ります。

いざ槍の穂先へ

とりあえず気を取り直して槍ヶ岳に登ることにしました。

到着時は瀕死の状態でしたが、テントで横になってしばらく休憩していたら復活してきたので、ヘルメットを被って槍の穂先に向かいます。

槍ヶ岳に登るのは今回で4回目。

今回のような晴れた山頂に登るのは初めてです。

時刻はすでに15時になろうとしていますが、穂高方面がガスらずにこんなに見えるのは珍しいのではないでしょうか。

笠ヶ岳方面には「これぞ雲海!」と言わんばかりの見事な雲海が広がっています。

西鎌尾根から裏銀座方面の山々もよく見えます。

こんなに晴れた山頂は初めてだったので珍しく記念撮影。

ヘロヘロになりながら登ってきた甲斐のある見事な天気と眺望です。

写真中央にうっすらとブロッケン現象。

最高の山頂を満喫したところでテント場に戻ります。

もう1回登っても良さそうな天気。

この日、北アルプスに登った人たちはどの山にいても最高の景色を楽しめたのではないでしょうか。こちらから見えるということは、あちらからもよく見えるということですからね。

槍ヶ岳山荘周辺で見た最高の夕景

テントに戻ってまったり。

眼下に広がる雲海は夕方になってもご覧の通り。

日が傾き山の陰影が綺麗になってきたので、西鎌尾根方面に少し下ったところまで移動して写真とタイムラプスを撮影しました。

西鎌尾根と雲海。

裏銀座方面、後立山方面もよく見えました。

午後になるとガスりがちな穂高方面もこの日は最後まで快晴でした。

間もなく日が沈みます。

山肌だけでなく雲の海もオレンジ色に染まっていきます。

赤く染まる槍ヶ岳。

山のご来光はそれなりに見てきましたが、ここまで見事な夕景は初めてかもしれません。

日没を見届けたところでテントに戻って軽めの食事を摂り、就寝の準備を始めました。

槍ヶ岳山荘付近はそれほどではありませんが、テント場は日中よりも風が強くなっていました。

風によって揺られたテントが顔にバサバサ当たり全く眠れそうにありません。

空は相変わらず雲ひとつなく星空が広がっていましたが、テントの揺れを抑えるのに必死で写真撮影はできませんでした。

結局朝まで風は収まらず、殆ど眠れない夜を過ごすことになりました。

長くなったので2~3日目に続きます。

www.haradesugi.com

YouTube動画

動画は1本にまとめているので先が気になる方はこちらをどうぞ。