はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

南アルプスの北岳にテント泊で登ってきました

2025年7月19~20日で南アルプスの北岳に登ってきました。

予期せぬトラブルで当初の予定とは異なる行程になりましたが、快晴の山ならではの最高の景色を楽しむことが出来ました。

山梨交通の「新宿発南アルプス登山者用バス」で広河原へ

今回は初めて利用する山梨交通のバスで広河原まで移動しました。

21時30分に新宿駅西口の東京モード学園コクーンタワー前に集合し、22時に現地を出発。談合坂サービスエリアでの休憩を経て、湧暇李の里 樹園という施設に0時30分くらいに到着。大広間のような場所(男性・女性それぞれ別室)で4時過ぎくらいまで仮眠をとり、広河原行きの路線バスに乗り換えて現地へ…といった段取りです。

よくある寝ている間に登山口…といった夜行バスではなく、仮眠できる施設で少し寝てから出発というのが新鮮でした。

ykbus.jp

樹園からの広河原行きのバスは2台で、全員もれなく座席に座ることができました。

そしてバスに揺られて広河原へ。

この日は3連休の初日ということもあって、広河原には登山者を運ぶバスが次々にやってきて、インフォメーションセンター内のトイレ待ちの行列は建物の外にまで伸びていました。

出発

06:26

トイレは出発前に済ませてきたので、インフォメーションセンターの行列を横目に出発。

テント泊登山は昨年の9月下旬以来。

ランニングや軽い筋トレは定期的にやってはいますが、それなりの重量を背負って長時間行動するのは久しぶりです。

白根御池小屋で休憩

08:03

白根御池小屋に到着しました。

小屋の手前まで来たところでヘリコプターの荷揚げ作業で数分待つことになりましたが、久しぶりにしてはなかなか順調なペースでここまで来ることができました。

いざ北岳へ

小屋前の仮設トイレで用を足し、近くのベンチで少し休憩した後に出発。

北岳はここからが本番です。

草すべり

白根御池小屋から北岳の稜線に出るまでひたすら登りが続きます。

振り返れば背後に鳳凰三山。

白根御池小屋までの道中で体力を使い果たしてしまったのか、草すべりを登り始めてから体が重く動きが鈍くなってきました。

途中で休憩を入れましたが食欲はなく、再出発の動き出しもかんばしくありません。

稜線に出る(小太郎尾根分岐)

仙丈ケ岳に甲斐駒ヶ岳。

そして富士山。

北岳肩の小屋が見えました。

あそこまで行けばとりあえず休憩しながら飲んだり食べたりができる…もうひと踏ん張りだ…と奮起して先に進みます。

北岳肩の小屋でダウン

10:46

北岳肩の小屋に到着しました。

序盤に飛ばし過ぎたのか動けなくなってしまいました。

小屋でコーラとあんぱんを買いましたが、コーラは飲んでも美味しさを感じられず、あんぱんは一口食べてそれ以上食べることができません。

1時間ほど小屋の前のベンチで休憩しましたが、体調がよくなる気配がなかったので、当初予定していた北岳山荘までの移動は諦めて、北岳肩の小屋にテントを設営することに決めました。

白峰三山縦走を諦めて北岳肩の小屋のテント場に幕営

肩の小屋に到着した段階ではテント場のスペースもそれなりに余裕はありましたが、ベンチで休憩している間にも続々と登山者たちが訪れテント場はみるみる埋まっていき、平坦な場所はほとんどなくなっているようでした。

すぐにでも横になって休みたかったので、多少の傾斜は仕方がないと割り切ってヘリテイジのクロスオーバードームを設営しました。

そして上半身をテントの中に、下半身をテントの外に出した状態で寝そべって休むことにしました。

そして寝たような寝ていないような時間(途中でカップヌードルは食べました)が6時間ほど過ぎ…

北岳肩の小屋周辺で始まる夕景ショー

用を足すために肩の小屋の外トイレに向かうと、真っ白けになっていたはずの空に晴れ間が見えていました。

富士山の先っぽも少し見えています。

そんな景色を見てすっかり元気に…とはいきませんが、結構復活してきたのでテントに戻ってミラーレス一眼と三脚を持って肩の小屋まで行き、富士山のタイムラプスを撮りました。

そして周囲の雲は時間の経過とともに徐々に晴れていき…

晴れました!

テント泊の人も小屋泊の人もみんな外に出てきて見つめている先は、

太陽が沈んでいく仙丈ケ岳方面。

思わぬ体調不良で北岳肩の小屋のテント場に停滞することになりましたが、こんな素晴らしい景色が見れるなら結果オーライです。

反対側もだいぶスッキリして富士山がよく見えました。

素晴らしい夕景ショーは陽が沈むまで続きました。

北岳の朝

昨夜はまったくといっていいほど眠れませんでした。

山で熟睡できる日は来るのでしょうか…。

昨日は肩の小屋でダウンしてしまい、北岳のピークを踏めなかったので、山頂でご来光を見るために北岳山頂に向かいます。

…というわけで北岳山頂。

頑張って登って来たのにガスで真っ白、そんな写真に「北岳に来ただけ」という一言を添えて投稿する自虐をSNSで時々見かけますが、今回はそうはなりませんでした。

山頂でご来光を待つ登山者たち。

そしてご来光…ですが、分厚い雲が邪魔して時間がかかりそうだったので、テント場に戻ることにしました。

テント場に戻る途中で太陽が顔を出しました。

仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳。

静かな朝の景色を堪能しながらテント場までゆっくりと歩いて行きます。途中でこれから白根三山を縦走すると思われる登山者と何度もすれ違いました。

空身での北岳往復ではなく、間ノ岳・農鳥岳と白峰三山を縦走したかった…。

撤収&下山

テント場に戻りテントを撤収して下山開始。

白根御池小屋まで行けばアイスが食べられる…を心の中で唱えながら、黙々と標高を下げていきます。

白根御池小屋でアイスをおかわり

07:08

白根御池小屋に到着。

日陰のベンチにバックパックを下ろして小屋でアイスを購入。

あまりの美味さにアイスをおかわり。クレジットカードが短時間で同じ決済を2回繰り返そうとしたことで「その決済大丈夫ですか?」というアラートが出て小屋のスタッフが困惑していました。

広河原山荘でアイスとCCレモン

09:30

白根御池小屋で30分ほど休憩した後は、無心で下り続けてゴール。

広河原山荘でアイスを食べながらCCレモンを流し込み、トイレの洗面で顔を洗って出てきたところで甲府行のバスがやってきたので、甲府駅を経由して自宅の横浜に帰りました。

おわりに

思わぬ体調不良で当初予定していた白峰三山縦走から、単なる北岳登山にグレードダウンしてしまいましたが、停滞した肩の小屋での夕景ショーを楽しんで、快晴の北岳にも登ることができたので結果オーライです。

1日目の体調不良に関しては、道中の補給が足りていなかったことが原因のような気がするので、次回の登山では補給をもう少し意識的に摂っていくように心がけたいと思います。