はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

秋の涸沢日帰り登山「11年ぶりの当たり年」と言われている紅葉を見てパノラマコースから下山しました

当初は12日の日曜日と13日のスポーツの日の祝日でテント泊で登る予定でしたが、台風22号・23号の影響で天気予報は二転三転…。ギリギリまで粘りましたが、快適なテント泊ができなさそうだなと判断して夜行バスと電車をキャンセルしました。

しかし今年の涸沢の紅葉はだいぶ仕上がっているという話をSNSでチラホラと見かけていたので、なんとしてでも見に行きたい!

…というわけで平日に1日だけ休みをとることに成功したので、昨年と同様に日帰りで涸沢に突撃することにしました。

キャンセルすることになっても100円で済むアルピコ交通のさわやか信州号は例によって満席ですが、毎日あるぺん号は割と空きがあったので直前の申し込みでも何とかなりました。

前夜に立ちはだかる壁

仕事を終えた木曜日の夜。

自宅から夜行バスが出る毎日新聞東京本社に向かおうとしたところ、JR横須賀線の東戸塚駅の人身事故の影響で運行に影響が出ていました。

14日午前6時55分ごろ、横浜市戸塚区前田町のJR横須賀線内で、人身事故があった。

 JR東日本によると、横須賀線と東海道線の上下線、湘南新宿ライン南北行きの一部区間で一時運転を見合わせた。計8本が運休したほか、計80本が最大約2時間10分遅れ、約5万4千人に影響した。

【速報】東京メトロ東西線で全線運転見合わせ 妙典駅での人身事故の影響で

Googleマップの経路案内で別ルートを探しますが、夜行バスが発車する22時30分に間に合いそうにありません。晴れの予報、紅葉のピークと勝ちが確定していた涸沢登山でしたが、現地に行けない可能性が出てきました。

何とかならないか…と思っていたら、東海道線の線路を走って東戸塚と保土ヶ谷をパスして走る横須賀線の成田空港行の電車がやってきたので、それに飛び乗りました。

そして22時に東京駅に到着。

東京駅から大手町駅まで小走りで移動して東西線のホームへ。

毎日新聞社のある竹橋駅は大手町駅から一駅。何とか間に合ったな…と大手町駅のホームを歩いていると、電車がホームに停車したまま発車しません。どうやら東西線も人身事故が発生しており、こちらはなんと運転見合わせ&再開未定とのこと。

東京メトロによりますと、午後9時44分ごろに妙典駅で起きた人身事故の影響で、東京メトロ東西線は全線での運転を見合わせています。

現在、中野駅から葛西駅の間で折り返し運転を行っていて、全線での運転再開は午後11時ごろを見込んでいるということです。

【速報】東京メトロ東西線で全線運転見合わせ 妙典駅での人身事故の影響で

一難去ってまた一難。

仕方なく地上に出てGoogleマップで経路を検索すると徒歩でギリギリアウト、走って何とか間に合いそう…といった所用時間でした。

意図せぬ初皇居ラン。

大手町駅から毎日あるぺん号のバスが出る毎日新聞東京本社まで走って移動して、なんとか間に合いました。テント泊装備だったらアウトでした。

コンビニで買い物をする時間もとれたので、翌日食べるおにぎりなどを購入し、受付を済ませて上高地行のバスに乗り込みました。

早朝の上高地を出発

東京を出発した夜行バスは順調に進路を進み、翌朝5時過ぎに上高地に到着しました。

上高地行きの夜行バスはだいたい5時20~30分くらいの到着が一般的ですが、今回はかなり早い到着でした。ちなみに昨年は沢渡駐車場に入れない車の渋滞が発生して上高地着が6時でした。

05:18

…というわけでまだ真っ暗ですが、準備運動をしてすぐに出発しました。

上高地BTから横尾までは走ったり歩いたり

上高地バスターミナルから横尾までは約10kmで、多少のアップダウンはありますが一般の観光客も歩く普通の道です。

重いテント泊装備を背負っていれば歩くしか選択肢はありませんが、日帰りの軽装であれば所々で走ることができます。というわけで昨年と同様に走れるところは走り、そうでないところは歩く移動方法でコースタイムを大幅に短縮する作戦で涸沢を目指します。

今年は撮影機材を色々と持ってきたことで荷物が少し重くなってしまったこと、昨晩の公共交通機関トラブルで精神的にも体力的にも結構疲れてしまっていたことなどが影響して、それほど時間を短縮することができませんでした。

06:52

上高地で記入した「北アルプストレイルプログラム 横尾ゲート登山準備・登山ルール確認票」を提出して横尾登山ゲートを通過。

横尾で小休止して橋を渡り、本谷橋に向かいます。

本谷橋からはミラーレス一眼を出して撮影しながら歩く

07:41

本谷橋に到着。

本谷橋から先は完全な登山道なので、バックパックからミラーレス一眼を出して写真や動画を撮りながら歩きます。

紅葉が終わりかけていた昨年よりも道中の見どころが多く、

ついつい立ち止まって写真を撮ってしまいます。

そして標高を上げていくにつれて紅葉の色付きが鮮やかになっていきます。

雲ひとつない青空。

最高です。

この辺りまで来ると周囲はどこもかしこもオレンジ色。

涸沢に近づくにつれ鮮やかさはさらに増していきます。

涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐。

テント泊する方は右から登ってテント場に向かいますが、僕は日帰りなので左の涸沢ヒュッテ方面に向かいます。

分岐から涸沢ヒュッテまでの紅葉も見事です。

そして涸沢ヒュッテ直下の最後の登りは紅葉のトンネル。

たまりませんね。

落葉したばかりなのか足元の葉も綺麗です。

涸沢ヒュッテはもうすぐなのに周囲の紅葉が綺麗すぎてしばらく足が止まりました。

涸沢ヒュッテに到着

09:03

あちらこちらで紅葉の足止めを食らいながら涸沢ヒュッテに到着しました。

スタートから3時間40分くらいでしょうか。昨年は同じ行程で3時間10分くらいだったので、約30分くらい遅い到着になりました。

前夜のドタバタの疲労と、道中の魅力的な景色や紅葉に何度も足を止めてしまったタイムロスが原因かもしれません。

早朝発でそれなりに頑張って登って来ましたが、涸沢ヒュッテにはすでに先客たちで賑わっていました。

到着後は涸沢ヒュッテでの休憩は後回しにしてテント場周辺を散策しました。

今年の紅葉はどんな感じ?

ネットでも評判だった今年の涸沢の紅葉ですが、これまで何度も訪れている僕的にも素晴らしい色付きだなと感じました。

涸沢小屋周辺もナナカマド?が派手に紅葉していて色鮮やかでした。

見事な紅葉に加えて登山日和の快晴。

道中色々ありましたが無事にここまで来れて良かった!

涸沢ヒュッテのベンチで小休止

涸沢ヒュッテで購入したCCレモンを飲みながら、持ってきた菓子パンを食べました。

名物のおでんは提供開始時間前だったのか販売されていませんでした。

時間があれば涸沢小屋にも行って何か食べようと思っていましたが、想定よりも遅めの到着だったので諦めました。

今回背負ってきたパーゴワークスのRUSH20。

昨年の日帰り涸沢登山もこのバックパックを使いました。日帰りに丁度良いサイズ感で動きやすいので気に入っています。

パノラマコースから下山

涸沢ヒュッテまでの所要時間が昨年よりもかかってしまったこと、到着時点の余力があまり残っていなかったことなどから、そのまま来た道を戻ることも検討しましたが、この天気で行かないのは勿体ないと思い、予定通りパノラマコースから下山することにしました。

上高地バスターミナル発のバスが15時15分なので、屏風の耳に登るかどうかは屏風のコルの到着時間を見てから決めることにしました。

パノラマコースは地図上は破線ルートにはなっていますが、テクニカルなコースというよりは「最低限の整備がされた滑落して死にやすい道」といった感じです。

そんな感じの道なので歩いてみたら拍子抜け…みたいに感じる方もいるかもしれませんが、事故の絶えない危ないコースなので歩く際は細心の注意を払ってください。

ヘルメット着用が推奨されています。

しばらくは何てことのない道が続きますが、

徐々に道幅が狭くなっていき、

滑ったらあの世行き…みたいな心もとないトラバース道が続きます。

しかし眺めは最高。

今回は平日ということもあってか危険個所でのすれ違い、追い抜き、追い越されは殆どありませんでした。

静かで平和なパノラマコースでした。

パノラマコースの紅葉

緊張感の漂う切れ落ちたトラバースのアップダウンを終えると、紅葉のボーナスタイムに突入します。この辺りまで来ると余裕をもって周囲の景色を楽しむことができます。

登山道周辺の紅葉という点で見れば涸沢に向かう途中よりも綺麗かも?

状態の良いナナカマドもたくさんありました。

稜線に出る

危険地帯を抜けて稜線に出ました。

遠くに富士山が見えますね。

写真を撮り忘れましたが、眼下には梓川も見えます。

ここから屏風のコルまでは登山道脇の紅葉に、木々の切れ間から見える槍・穂高と見どころ満載です。

ご覧の通り、

見事な景色が広がります。

来て正解でした。

ただ槍・穂高を木々の障害物がない状態で見渡すには屏風の耳に登っていく必要があります。

10:50

屏風のコルに到着。

この天気なら選択肢は「登る」の一択になるのですが、バスの発車時刻までに下山するという必達事項があるので屏風のコルの前で地図を見ながら検討しました。

悩んだ結果、少し登ってみて眺めのよさそうなところがあったらそこで撮影して引き返す…ということにしました。

そしてそういう場所が数分登ったところにありました。

紅葉に染まる槍・穂高を一望する

まずは穂高連峰と涸沢。

北穂高岳から槍ヶ岳に続く稜線もよく見えます。

秋ならではの彩りがたまりません。

今回シグマから9月に発売されたばかりの「Sigma 20–200mm F3.5–6.3 DG | Contemporary」というレンズをカメラに装着してきました。

広角から望遠まで幅広い範囲で撮影ができる超便利ズームです。本記事の殆ど(本谷橋以降と仮設橋通過手前まで)の写真はこのレンズ1本で撮影しています。

最大望遠でここまでの撮影が可能です。

涸沢小屋と、

涸沢ヒュッテもご覧の通り。

さらに28-85mmの間ではハーフマクロにも対応しており、被写体に近づいて撮影することもできます。

つまりこのレンズ1本で風景撮りから高山植物などの撮影まで全てがまかなえてしまう超便利ズームというわけです。

少し長めのレンズではありますが、このレンジでは小型軽量なほうだと思うので、登山用途以外にも普段使いとして重宝することになりそうです。

旅行なんかにも最適ですね。

…というわけでひとしきり撮影したので、名残惜しいですが屏風のコルに戻って上高地に下山します。

あそこまで行きたかった…。

屏風のコルから先は長い長い退屈下山

屏風のコルからは登山道を黙々と下っていきます。

危険個所は特にありませんが、ザレていたり大きな岩がゴロゴロしていたりと、足元の状況が刻々と変わっていくので油断は禁物です。

穂高方面は少し雲が出てきました。

昨年も似たような天気だったような…。

屏風のコルからしばらくはご覧の通り紅葉を楽しみながら歩くことができます。

ここまで来たところで日焼け止めを持ってこなかった・塗っていなかったことに気が付きますが、気付いたところでどうにもならないので先を急ぎます。

しばらく下ったところでトレイルランナーのカップルが颯爽と下ってきて、あっという間に追い抜いて見えなくなりました。

僕も似たような軽装ですが、おそらく彼らよりも体重が10kg以上重く、足への1歩1歩の着地衝撃が大きいので、ちょっと真似できそうにありません。

痩せたからといって同じような動きができるとは思えませんが…。

工事中の新村橋と仮設橋

その後も黙々と歩いてようやく林道に到達。

林道をしばらく歩いていくと新村橋の工事現場が見えてきますが、まだ橋はかかっていないので、更に先に進んだところにある仮設の橋を渡ります。

橋を渡れば徳沢はすぐです。

予約しておいた新島々行きのバスの発車時刻が15時15分なので、それに間に合うように、そしてあわよくば上高地食堂で食事をする時間を…と思いながら足早に歩いて行きます。

ちょっとでも走ることができれば時間短縮ができるのですが、往路で足が完全に終わり下山でさらにダメージが蓄積され歩くのが精いっぱいでした。

13:08

徳沢に到着。

帰りのバスを1本遅らせて、ソフトクリームを食べながら休憩できないかを検討しましたが、満車で予約変更ができなかったので諦めて先に進みました。

13:49

明神に到着。

時間に余裕が出てきたのでソフトクリームを食べようと明神館に入りますがすでに提供を終了していました。

ならば上高地食堂で山賊焼き定食だ!…と意気込んで歩き続けたのですが…

上高地BTに到着するも上高地食堂の食事はほぼ提供終了

14:24

登山者や観光客で賑わう上高地バスターミナル。

上高地食堂で何か食べる余裕時間を確保できたので、中に入ってオーダーしようとしますが、揚げ物系はすべてオーダーストップになっていました。

とりあえずアイスを食べて一息。

その後は売店で山賊焼きを単品で注文し、一緒に購入したお茶をチビチビと飲みながら頂きました。

あずさ遅延で乗り換え失敗

15時15分発の新島々行きのバスは3台。

号車が後ろになればなるほど、そして座席が後ろになればなるほど、新島々で下車したあとの電車乗り換えの列に並ぶのが遅くなるので、予約時に残り座席が少なかったとしても号車を後ろにずらしてはいけません。

今回は日帰り装備で荷物を車内に持ち込めたので、新島々駅に到着してそのまま乗り換えの列の先頭付近に並び、新島々駅から松本駅まで座って移動することができました。

松本駅からは特急あずさに乗り換えて横浜に向かいますが、発車していすぐ踏切の通報?で緊急停車。数分の停車で運行は再開したのですが、その後も少しずつ時間が押して、八王子駅からの乗り換え時間に間に合わず、帰宅時間が30分ほどずれ込みました。

…というわけで公共交通機関に翻弄された日帰り登山でしたが、ピークを迎えた涸沢の紅葉を楽しむことができたので良かったです。

涸沢の紅葉が11年ぶりの当たり年?

涸沢ヒュッテの方が仰るには今年は11年ぶりの当たり年とのこと。

涸沢ヒュッテ 専務取締役 山口浩一さん

「当たり年という感じの紅葉の色づき。日本の秋の極み。11年ぶりのきれいさが今年は見られてるんだなっていう感じがしますね」

“日本一の紅葉”涸沢カール 11年ぶりの美しさ「当たり年」 背景には気候のバランス

11年前…登ってますね僕。

登山を始めて2年目の秋のことです。

秋に通いまくるきっかけになった初めての涸沢登山でした。

その時と比べて今年はどうだったのか、またそれ以外の年の紅葉はどんな感じだったのかは以下の過去記事をご覧になって各自でご判断いただければと思います。

過去の涸沢登山に関連した記事

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