梅雨が明けて夏山のシーズンが到来しました。
そして海の日を含めた3連休は「登山に行かずにしてどこに行く!?」というほどの好天が期待できる予報でした。これは家でゴロゴロしながら登山クラスタの方々のTwitterのタイムラインを見たら絶対に後悔するやつだと思い、北アルプス登山の計画を立てました。
色々と検討した結果、今回は北アルプスの常念岳と蝶ヶ岳の周回コースを歩いてみることにしました。
三股駐車場への道(林道烏川線)は崩落により通行止め
三股登山口の少し手前に無料の駐車場があるのですが、その手前の林道が崩落してしまい、車での移動は手前にある森の駐車場までとなります。
三股登山口駐車場手前700m地点より先、車両全面通行止め
復旧は、本年12月末を見込んでいます。
金曜日の夜に自宅を出発して、森の広場駐車場に到着したのが深夜過ぎ。
すでに駐車場は満車状態でしたが、なんとかスペースを確保し車を停めることができました。車内で仮眠をとり翌朝に備えます。
翌朝準備を整えて4時30分過ぎくらいに出発します。
三股の登山口は三股駐車場から20分ほどかかりますが、車をさらに手前に停めたことで登山口からさらに距離が離れてしまいました。
ご覧の通り道が崩落しています。
この通行止の看板の手前に登山届を提出するテントが設営されていました。
林道の崩落によって三股駐車場はご覧の通り。
ここから登山口までさらに20分程度歩きます。
三股登山口を出発
三股登山口。
少し進むと常念岳方面と蝶ヶ岳方面への分岐にさしかかります。
今回は常念岳方面へ。
どこに登ってもだいたい同じですが、樹林帯をしばらく歩きます。
なかなかの急登です。
ギョウリンソウを見つけました。
森林限界を超え前常念岳へ
長い樹林帯歩きが終わると視界が一気に開けます。
遠方に富士山が見えました。
森林限界を超えると太陽を遮るものがなくなり、肌が露出している箇所を強い日差しがジリジリと照り付けます。
そして吹き出す汗と岩場の急登で体力がどんどん奪われていきます。
蝶ヶ岳方面です。
常念岳に登頂したのちに蝶ヶ岳まで行ければと考えていましたが、この段階でこのプランは現実的ではないことが判明します。
このコースを日帰りで歩く投稿がヤマレコにありましたが信じられません・・・。
前常念岳を振り返る
実はSDカードからPCに写真を取り込む段階で、前常念あたりから常念小屋に到着してしばらくまでの写真を誤って消してしまいました・・・。
常念岳の分岐に向かう途中ですれ違った登山者に「常念の斜面に熊がいるので注意してください」と教えてもらい撮影した熊の写真もその中に・・・。
無念。
山頂は明日
ヘロヘロになりながら常念小屋と常念岳の分岐に到着しました。ここに来る前にすでに決めていたことですが、山頂は翌日通るので常念小屋へ直行します。
常念小屋へ到着
分岐から下って下って常念小屋に到着です。
昼過ぎに到着したこともあって、テント場にはまだ十分な空きがありました。
良さげな場所にテントを張り、持ってきたチェアゼロに座ってくつろぎました。
到着直後は大好きなビールを飲めないくらい疲れていましたが、少し回復してきたので常念小屋で牛丼を注文して食べました。
槍ヶ岳山荘の牛丼の方が具のボリュームがあったような気がしますが、これはこれでなかなかでした。特に塩分濃いめの味噌汁が疲れた体にガツンと効きました。
常念小屋のテント場
常念小屋のテント場は外のトイレ使用料込みで1泊1,000円です。
上の写真は小屋のそばのテント場で、この奥にもう少し広いテント場がもう1か所あります。小屋のそばのテント場はトイレも近く便利ですが、少し傾斜になっていて頭や体の向きを考えてテントを張る必要があります。
右の方に見えるのがもう1か所のテント場です。
小屋から離れているといってもこの程度です。
時間が経つにつれ続々と登山者が訪れ、柵で囲われたテント場はテントで一杯になってしまい、これ以上張ることができなくなってしまいました。
最期のほうは「柵の外側に沿うようになら」という条件で小屋側の許可を得て何張りかテントが張られていました。
小屋の周辺は広々としていて開放的
常念小屋の周辺は開放的で広々しているため、訪れた人たちは小屋やテント場に留まらずに思い思いの場所でくつろいでいました。
テント場がだんだん窮屈になってきたのでチェアゼロを持って少し離れた場所で槍ヶ岳方面をぼーっと眺めていました。
この日の常念小屋はガスと雲の通り道だったようです。
徐々に雲が広がって青空の面積が少なくなってきました。
その後も雲は増え続け、陽の沈んでいく方向は雲に覆われてしまいました。
常念小屋の夜と朝
例によってテント泊での睡眠は非常に浅く、寝ては起きてを繰り返しました。
夕暮れ時はガスったり曇ったりで空はほとんど見えなくなってしまいましたが、夜になると雲はなくなり星空が広がっていました。
テント場から小屋とは反対方向に少し歩くと安曇野の街灯が見えます。
色々と試し撮りしたかったのですが、X-T2のバッテリーを2個しか持ってきていなかった(家で充電したままの2個を忘れる)ので数枚撮ってテントに戻りました。
朝。
雲一つない快晴です。
日の出前から常念岳山頂を目指して登っていく登山者がたくさんいました。
僕は常念小屋周辺でのんびり朝を迎えることにしました。
常念小屋から見たご来光です。
赤く染まっていく槍ヶ岳と穂高連峰。
そして再び日の出の方を向いてシルエット撮影。
朝から楽しい時間をすごすことができました。
常念岳山頂へ向けて出発
テントを撤収し常念岳へ向けて出発します。
黙々とそして少しずつ足を進め常念岳の山頂を目指します。
そして登頂。
山頂は思っていた以上に狭くて記念撮影の行列が出来ていました。
というわけで後ろに人、そして撮影する僕の影など、写したくないものが多数紛れ込んだ山頂の写真に仕上がりました。
山頂からは穂高連峰から槍ヶ岳までの稜線が一望できます。
登山を始めたばかりの頃はただの絶景にしか見えなかったけど、色々な山に登っていくうちに山と山が登山道で繋がっていることが分かってくるんですよね。
歩けば歩くほど次の登山へ繋がる感じ。
特に北アルプスはそういう楽しみ方ができる山域だと思います。
涸沢ヒュッテは見えませんが、涸沢小屋は見えました。
穂高岳山荘や北穂高小屋も見えますね。
蝶ヶ岳へ
常念岳から蝶ヶ岳への道はアップダウンが激しく結構疲れました。
せっかく登ってきたのに蝶ヶ岳方面へ一気に下ります。
少し下りてきたところで振り返って撮影した常念岳。
アップダウンを繰り返して蝶槍へ
ここから2592ピークへ向かって登り返します。
コバイケイソウが群生していました。
登って登って2592ピークに到着しました。
・・・と思ったらまた下り!
奥の突起している場所が蝶槍です。
昔はあそこが蝶ヶ岳の山頂と言われていたそうです。
上の写真は前日に常念岳の岩稜帯を登っている時に撮影したものですが、左1/3あたりに蝶ヶ岳ヒュッテがあって、右端あたりに蝶槍が見えます。
こうやって見ると蝶槍のほうが標高が高く見えるんですけどね。
ちなみに蝶ヶ岳が2,677mで蝶槍が約2,660mとのこと。
2592ピークの周辺にはニッコウキスゲが群生していました。
アップダウンを繰り返して蝶槍に到着しました。
2592ピークから蝶槍までは思考がほぼ停止していて、歩行に特化した状態になっていました。(写真も動画も撮らずにひたすら歩いていました)
今回のコースは常に穂高連峰と槍ヶ岳が目に入ります。
穂高岳山荘直下にはまだ雪が残っています。
いつか歩きたい大キレット。
今回の登山で音を上げているようではまず無理ですね。
蝶槍から少し歩いたところで振り返ってパシャリ。
近くから見ると小高い丘にしか見えません。
この辺りは多少のアップダウンはあるものの歩きやすいトレイルでとても気持ちが良かったです。
蝶ヶ岳ヒュッテに到着
蝶ヶ岳ヒュッテに到着しました。
即座に自動販売機でコカ・コーラ(400円)を購入しほぼ一気飲み。そして同じ容量の三ツ矢サイダー(400円)を購入しじっくり飲み干し、さらにオレンジジュース(400円)を購入し一気飲み。
その後に水を1リットル(200円)購入し補充。
到着してものの数分で1,400円が財布から消えました。
もう1泊するか悩んだ末に下山を選択
蝶ヶ岳ヒュッテに到着したのが10時過ぎくらいだったので、少し休憩して下山することにしました。
すでにヘトヘトで穂高連峰の絶景も若干食傷気味だったので、蝶ヶ岳ヒュッテのテント場の奥に見える山頂には登らずに下山することに・・・。
その後は黙々と下山し「ゴジラみたいな木」を経て吊り橋を渡って三股登山口まで戻りました。登山口まで戻ってきて安心してしまいましたが、ここから森の広場駐車場まではまだまだ歩く必要がります。
すでに足はボロボロでしたが最後の力を振り絞って駐車場まで戻りました。
車内で着替えて森の広場駐車場を出発しますが、だいぶ先まで登山者の車が路上駐車してありました。やはり夏山のシーズンの週末は前夜に駐車場に到着していないと厳しいなと改めて思いました。
帰りに梓川サービスエリアでお土産を買い、車に乗り込もうとしたところ、進行方向に巨大な積乱雲が鎮座していて「大丈夫かな?」と少し心配になりました。その心配は的中し、長野自動車道から中央自動車道に入るあたりでゲリラ豪雨的な猛烈な雨に打たれ、車のワイパーを最大にしても目の前がよく見えない状況に陥りました。
車のスピードを落とし、難を逃れましたが、運転中にここまで凄い雨に打たれたのは初めてかもしれません。一瞬ですがヒョウかあられのような固形物も雨に交じっていました・・・。
その後はいつもの中央自動車道の大渋滞にハマりながら家路につきました。
追記
行動中やテント場周辺で撮影した動画を編集してYoutubeに投稿しました。