待ちに待った夏休みがやってきました。
休みを設定した段階で梅雨明け時期は未定でしたが、7月下旬になれば明けるだろうと高を括っていました。ところがいつまで経ってもその気配はなく、2転3転する天気予報に不安を煽られる日々が続きました。
そしていよいよ夏休み…というところで、課金している2つの山岳天気予報のサービス、無料天気予報サイトのてんきとくらすが、それぞれ休みの初日から晴れマークの入った予報を出してきました。
すでに夜行バスやテント場の予約を済ませており、設定した日程で山に入ることは決めていたのですが、これは嬉しい援護射撃でした。
楽しい夏山登山になることを期待しつつ、バスタ新宿から出発する夜行バスに乗り込みました。
平日の夜行バスだからなのか、梅雨が明けていないからなのか分かりませんが、栂池行きの夜行バスの乗客は僕を含めてたったの4名でした。
夜行バスを降りて営業開始待ち
夜行バスは翌朝6時頃に栂池に到着。
ゴンドラの営業開始時間が7時からなので、近くで時間を潰します。
営業開始時間が近づいてきたので、チケット売り場の前で並んで、他の並んでいる方と談笑して待ちました。
ゴンドラとロープウェイを乗り継いで栂池自然公園へ
チケットの窓口が開き、片道の利用料を支払うとチケットに加えてマスクを頂きました。(写真は帰宅後に撮影したもの)
勝手に送られてきたどこぞのマスクよりも作りがしっかりしていて、質感・サイズ感ともによくできていました。
7時に動き出したゴンドラに乗り込み、次にロープウェイに乗り換えて、登山口の栂池自然公園に向かいます。
ゴンドラに乗る前の段階で、雲の切れ間から青空が少し見えていたので、ゴンドラとロープウェイで標高を上げていく間に雲の上に出られるかも?と思っていましたが、栂池自然公園に着いた段階でパラパラと小雨が降っており、空は雲に覆われていました。
栂池登山口から白馬岳へ出発!


天気予報では曇り時々晴れとかそんな感じだったはずですが、霧雨が降っては止んでの繰り返し。
標高が上がり植物の背が低くなっていくにつれ、体に吹き付ける風が少しずつ強くなっていくのを感じました。
乗鞍岳
森林限界を超えてしばらく歩いていると乗鞍岳の頂上に到着します。
ここまで登ってきても天候はなかなか安定せず…。
白馬大池山荘で休憩
乗鞍岳を越えてさらに歩いていくと、白馬大池山荘が見えてきました。
白馬大池は、火山の噴出物によりせき止められてできた、標高2,379mにある火山性の湖です。
池の向こうに見える赤い建物が白馬大池山荘です。
パッと見は山荘までもう少し…みたいな感じに見えますが、実際は池沿いを右にぐるっと歩いて行く必要があり、まだまだ距離があります。




























































































池沿いにはチングルマが群生していました。
こういう可愛らしい高山植物が足元に見えてくると心が和みますね。
しばらく池沿いを歩いて白馬大池山荘に到着です。
小屋の周りにも様々な植物が綺麗に花を咲かせていました。
僕が登った日は白馬周辺のヘリコプターの荷揚げができていないようで、小屋の売店の品揃えが寂しい感じでした。
無料の水は白馬大池からくみ上げて浄化したものらしいです。
僕はこの手の水はそのまま飲むと腹を下してしまうので、テント場でじっくり煮沸できない場所では給水しません。
小蓮華山へ続く長い道
休憩中に小蓮華山から下りてきた方に話を伺ったところ、このあたりはガスが出ているが、しばらく登った先の富山側はよく見えていたとのこと。
これを聞いて俄然やる気が出てきた僕は、休憩もそこそこに小蓮華山に向けて出発するのでした。
白馬大池山荘からは緩やかな登山道が延々と続きます。
この辺りから青空が一瞬見えたりするのですが、あっという間にガスの中に消えてしまいます。
小蓮華山までのトレイルは「あそこを登れば山頂かな?」みたいな思わせぶりな感じになっていて結構疲れます。
そんな時に癒してくれるのが足元の高山植物たち。
まだまだ先は長いな…と思いながら歩いていたら地図にない分岐が現れて、そちらに目をやってみると高山植物のお花畑が広がっていました。
斜面にびっしりとお花畑が広がっています。
これまで登山道の脇に咲く高山植物をたくさん見てきましたが、この規模のお花畑を目にするのは初めてかもしれません。
この光景をうまく写真に収められなかったのが残念でなりませんが、とても素晴らしい場所でした。
その後も高山植物ラッシュが続きます。
微妙な天気でテンションがなかなか上がらない状況で、可憐に咲く高山植物たちが救いでした。
こんな天候の時はライチョウが元気に登場してもいいはずなのですが、今回の登山では1羽も遭遇できませんでした。
小蓮華山に到着
小蓮華山に到着しました。
周辺はガスで何も見えません・・・。
…というわけで長居は無用なので先を急ぎます。
「天気予報の晴れマークは何だったんだろう?」という思いが付いて回りますが、ここまで来たら行くしかありません。
三国境に到着
三国境に到着しました。
ここは長野県・新潟県・富山県の県境とのこと。
この標識をぐるりと回れば、ものの数秒で3県を行き来したことになるようです。念のため1周しておきました。
白馬大池山荘で出会った方の「富山側は云々」という情報は、きっとその時はそうだったのでしょう。今はそんな雰囲気すらありません。
ラストスパート
吹き付ける風は収まるどころか強くなってきて、長袖のシャツ一枚では肌寒くなってきたので、シェルを1枚着て手にはグローブを装着しました。
白馬岳に向けて最後のスパートですが、この天気だとなかなか気が入りません。
とはいえ進むしかないので黙々と歩いて行きます。
白馬岳に到着
展望のない登山道を延々と歩き、ようやく白馬岳の山頂に…。
長かった…。
森林限界を越えたところから景色が見えていれば疲れ方もまた違ったのかもしれませんが、今回のような虚無の世界では体力の消耗が激しいです。
途中の高山植物のお花畑には救われましたが。
そんなわけで何も見えない山頂に長居は無用。
白馬山荘のスカイプラザで何か食べることにしました。
スカイプラザ白馬で食事
ここが噂に聞くスカイプラザ…。
確かに山の上の建物とは思えない造りです。
残念ながらスカイプラザも荷揚げが滞っている関係なのか、喫茶メニューはほぼ売り切れ状態で、食べ物はカップラーメンしか残っていませんでした。
とはいえ今の僕にとってはご馳走です。
一緒に注文した生ビールと一緒に頂きました。
テント設営のために白馬頂上宿舎へ


エネルギーチャージ後はテント場に向かいます。
テント場は白馬山荘から10分ちょっと下ったところにある白馬頂上宿舎にあります。強風に吹かれながらしばらく下っていきます。
頂上宿舎に向かう途中の斜面にも高山植物がたくさん咲いていました。
頂上宿舎に入ってテント場の受付をします。
こちらもヘリコプターの荷揚げが滞っていて小屋の中の販売は殆どありませんでした。
受付後にテント場に向かい目ぼしい場所にテントを設営しました。
眠れぬ夜
もしかしたらそのうち晴れるかも、と思いながらテントの中で寝そべって休憩していましたが、外の天気は悪化する一方…。
テントを揺らす風はどんどん強くなり雨が降り出しました。
夕方に雨が降っても夜には雲が取れて…みたいなパターンもあるので、とりあえず夕食を食べて眠ることにしました。
しかし天候は回復するどころかさらに悪化し、夜には暴風雨になってしまいました。フライシートに叩きつけられる雨粒の音と、風に揺らされてインナーテントが内側に膨らんで顔や足に当たってきて眠れません…。
結局いつもの目をつむって30分~1時間くらい経って目を覚まして…みたいな展開が朝まで続きました。
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