山登りをしていると、自然が織りなす美しい風景に心奪われることもあれば、お呼びじゃないとばかりの激しい悪天候に停滞や撤退を迫られることもある。
そして、牙を剥いた自然の脅威に晒され、痛ましい事故に発展することも山ではよくある話。
こんな目に遭うために山に登っているひとなんて一人としていない。
明日は我が身
知識と経験の乏しい僕は、今年に入ってから登山の楽しい情報だけではなく、トラブルに関する情報も得ておくべきだろうと考え、遭難事故に関連した書籍を2冊ほど購入した。
登山者は知っておきたい低体温症の恐怖
- 作者: 羽根田治,飯田肇,金田正樹,山本正嘉
- 出版社/メーカー: 山と渓谷社
- 発売日: 2012/07/23
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
北海道のトムラウシ山で発生した遭難事故について書かれた本。このケースは少し特殊で、夏のトムラウシ山で激しい風雨に襲われたツアー登山のパーティーの多数が低体温症になり亡くなってしまったという痛ましい話。
登場人物が多いため、途中で誰が誰だかよく分からなくなってしまうかもしれないが、著者の丁寧な取材と生存者の証言などから、当時のトムラウシ山の凄まじい状況が伝わってくる。
なぜ同じ状況下で歩いていた人たちが生死を分けたのかについても検証していて、非常に勉強になった。レインウエア、着替え、行動食などなど・・・普段あまり考えずに装備している物の重要性が痛いほど伝わってきた。
自分にそこまでの装備が必要か?雨の降る日なんて登らねーし!と思いつつも念には念をということで、この本を読んだ後にモンベルのゴアテックスを上下購入した。
生還者から学ぶ遭難時の対処方法
これは山に登る人すべてに読んで欲しいと思える素晴らしい内容だった。遭難に関する書籍を素晴らしいと表現するのには少々語弊があるが、ちょっとしたボタンの掛け違いで、誰にでも遭難は起こりうるものだということがよくわかる。
本書の中には日帰り登山できる丹沢で遭難した人も登場する。
遭難はなにも日本アルプスのような高山だけとは限らない。もし自分が同じような状況になったとき、どのように行動すべきなのか?また間違った行動とはどのようなものなのか?
未読の方は是非。
山には色んなリスクが潜んでいるとは言っても、登っている山が噴火するなんて誰も思わないよね・・・。
僕もつい先日焼岳に登ったばかりだし。
御嶽山に登られた方々が全員無事であることを願っています。