はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

今年の涸沢の紅葉に足りなかったもの

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9月27日、28日で涸沢の紅葉を見てきました。

そろそろ紅葉が見頃であるにも関わらず、なかなか晴れの日が連続しないこともあり、計画が立てづらかったのですが、27日の晴れにターゲットを絞って何とか晴天下の涸沢を楽しむことができました。

実は僕は9月下旬に少し遅めの夏休みを取っていて、上高地から重太郎新道を通って、前穂高岳・奥穂高岳に登り、次の日に涸沢岳・北穂高岳を経由して涸沢に宿泊する計画を立てていました。

ところが天気がなかなか安定しないばかりか、体調を崩してしまい休みの前半を家で寝て過ごすことになってしまい、当初の計画は流れてしまいました。

穂高の峰々のピークハントは叶わなくても、せめて涸沢の紅葉だけはと思い、27日の晴れを狙って上高地まで出動することにしました。

前日の26日の夜に自宅を出発し、沢渡バスターミナルすぐそばの市営第三駐車場に車を停めて車中泊します。駐車料金は1日600円であるため、日付が変わってから入庫。

沢渡バスターミナルから乗合タクシーで上高地バスターミナルへ

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翌朝バスターミナルに行くと始発のバスが5時40分と遅めなので、乗合タクシーで上高地バスターミナルまで移動することにしました。

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5時50分くらいに上高地バスターミナルに到着し、登山届を提出し出発。

上高地バスターミナルから明神まで

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上高地バスターミナルから涸沢までのコースタイムは一般的に6時間くらい。序盤の3時間はほとんど標高が変わらない単なる水平移動となります・・・。

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30分ほどで明神に到着。

休憩せずにそのまま徳沢へ向かいます。

明神から徳沢へ

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徳沢の近くでは工事が行われていて臨時の通路が用意されていました。

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明神から40分ほどで徳沢に到着。ここで10分ほどトイレ休憩。

ここのテント場はいつ見ても気持ちが良さそうで、いつかここでテント泊してみたいと思いつつなかなか実行できていません。

徳沢から横尾へ

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徳沢から40分ほどで横尾に到着です。

ここで持ってきたゼリー飲料とチョコレートなどを補給し、ザックに取り付けていたトレッキングポールを取り出し後半戦の準備を整えます。

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20分ほど休憩し、涸沢登山は後半戦に突入します。

横尾から涸沢へ

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横尾を出て少し歩くと本谷橋という吊り橋のある沢に到着します。

この先につづら折りの急登が待ち受けているため、本格的な登山に備えて休憩される方が多いようです。僕は横尾でがっつり休憩してきたため、ここでは顔に日焼け止めを塗ってすぐに出発しました。

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本谷橋を出てすぐの急登を超えると、右に切れ落ちた大きな岩だらけのガレた斜面が現れます。浮石に気をつけて足場を選びながら歩きます。

落石多発!休まずに進め!!

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この辺りまで来ると、木々の紅葉がいい感じになってきます。ただ、既に枯れている木々が結構あって、葉のボリュームが少しさみしい気がします。

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紅葉のトンネルを抜けると、ゴールまであとひと息。

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涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐に到着です。

涸沢ヒュッテに宿泊する方は左に向かいますが、テント泊の方や涸沢小屋に宿泊する方は右に向かいます。

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分岐から右に少し登ると涸沢のテント場に到着します。

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平日の午前中ということもありテント場はガラガラ。

朝の5時50分くらいに上高地バスターミナルを出発して涸沢のテント場に到着したのが10時30分くらいなので移動時間は5時間弱くらいでしょうか。

結構頑張って登りましたが思ったよりコースタイム短縮とはいきませんでした。

涸沢のテント場について

涸沢のテント場は、テントを固定するペグが刺さる土の地面が殆どなく、ゴツゴツした岩場になっています。写真で見るといったいどこにテントを張るんだ?となりますが、実際にテント場に来てみると平らに慣らされている所が幾つもあり「あ、ここに張れるな」というのが分かるようになっています。

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持ってきた道具はこんな感じ。ペラペラのザック(左下)に山と道U.L.Pad15s+のマットを丸めて入れて、その中にマット右側のテントやシュラフやその他諸々を入れて背負ってきました。

テントは今回もライペンのオニドーム1を持ってきました。このテントはとても気に入って今後もこれが僕のメインになりそうです。

今回は涸沢ヒュッテに比較的近い場所に設営しました。

テント場の受付は12時からなので、先にめぼしい場所にテントを張っておいて、受付は後からになります。

今回僕はコンパネというべニア板を分厚くしたような板をレンタルしました。これをゴツゴツした岩場の上に置くことで、テントの下をフラットに保つことができるばかりか、岩によってテントの底が破けたり、エアーマットのパンクを防ぐことができます。

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写真のお兄さんが持っている板がコンパネです。

テント場利用料:1泊1,000円

コンパネ利用料:1泊500円

涸沢ヒュッテでいつものやつ

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テントを設置したところで、涸沢ヒュッテに向かい、いつもの「おでんセット」を注文し、エネルギーを補充します。

涸沢の紅葉を見ながらおでんを食べてビールを飲む。

これ以上の贅沢があるだろうか。

テント場でまったり

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その後は売店でビールとお菓子を購入し、自分のテントまで戻って景色を眺めながらのんびりとすごします。

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9月27日は1日晴れで、翌日から天気が崩れるという予報でしたが、穂高の峰々の向こう側からは雲がもくもくとめまぐるしく動いていました。

昼前に到着して時間がたっぷりあったので、見晴らしの良い場所でタイムラプス撮影を何カットか行いました。

夕方に近づくにつれ空が雲に覆われて、いよいよすることがなくなってきたため、テントに入って夕食を食べ、寝そべってぼーっとしていました。

就寝

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19時少し前、そろそろ寝ようかと思って涸沢ヒュッテまで就寝前のトイレに向かうと、雲の切れ間から星空が見えました。トイレを済ませてテントに戻り、数枚星空を撮影したのちにシュラフに入りました。

その後はなかなか熟睡できず2時間おきくらいに目が覚めていましたが、いつからか天気はすでに雨になっていて、テントのフライシートにパラパラと雨音が響いていました。

早朝からの雨でモルゲンロートは見れず

寝ては起きてを繰り返し、午前4時くらいから活動を開始しました。テントの中の荷物を少しずつ片付け始め、朝食を食べてひと息入れたところで、テントを撤収。

ザックにすべての荷物を詰め込み終わる直前に雨が本降りになり、慌てて荷造りしてレインウエアを着込んで涸沢ヒュッテに避難しました。この段階でモルゲンロートは無理だろうと判断し、まだ薄暗い5時30分にヘッドライトを点灯させて下山を開始しました。

雨の中せっせと下山し、上高地バスターミナルに9時30分くらいに到着しました。バスターミナルからバスで駐車場まで移動し、平日のガラガラの中央道を走ってサクッと自宅に到着して今回の旅は終了です。

今年の涸沢の紅葉に足りなかったもの

昨年の涸沢はシルバーウィークに訪れたため、紅葉はまだピークを迎えておらず、綺麗ながらも色付きはイマイチでした。今年はタイミング的には悪くないはずだったのですが、全体的に色がくすんでいるというか発色が良くないなという印象です。

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木々全体に元気がない感じで、特に鮮やかな赤色がアクセントになるナナカマドがどこも紅葉する前に枯れてしまっているように見受けられました。

今年は天候の関係で木々たちが紅葉する間と余裕を与えてもらえなかったのかもしれません。

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上の写真は2年前の10月1日に訪れた際のJPG撮って出しの写真です。

ひとつ上の写真と撮影場所はそれほど変わりませんが、紅葉の鮮やかさは一目瞭然だと思います。

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来年の涸沢に期待

初めて涸沢に訪れた方であれば、感動できる美しい光景であることには違いはありませんが、真っ赤なナナカマドが広がる涸沢の全力をいちど目にした僕には初見の感動を上回ることはありませんでした。

とはいえ、涸沢は何度来ても飽きない素敵な場所で、今回も日々のストレスは見事にすっ飛びました。

来年は今年実現できなかった重太郎新道からの前穂・奥穂・北穂をピークハントしつつ最高の紅葉も楽しむという贅沢プランを実現させたいと思います。

涸沢の紅葉 2016.09.27

今回撮影したタイムラプス動画をYoutubeにアップしたので良かったら見てみてください。序盤の数カットは尺の関係で昨年の動画を使いまわしていますがw

2017年の涸沢

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