はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

秋の北アルプス表銀座縦走:苦労の末に辿り着いた槍ヶ岳山頂からの景色は!?

f:id:haradesugi:20170928065900j:plain

9/22~24で中房温泉から槍ヶ岳へ続く北アルプスの表銀座を縦走して来ました。

ざっくりとした行程は以下の通り。

  • 1日目:中房温泉→燕山荘→大天荘(テント泊)
  • 2日目:大天荘→ヒュッテ大槍→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘(テント泊)
  • 3日目:新穂高温泉に下山

1日目は中房温泉から燕岳へ向かうルートを登り、燕山荘から大天井岳方面へ続く稜線を進み、山頂直下の大天荘でテント泊。

2日目は喜作新道から東鎌尾根に入り、槍ヶ岳の穂先を目指します。そして槍ヶ岳登頂後は槍ヶ岳山荘のテント場に宿泊し、最終日は帰りのバスが出る新穂高温泉に下山する計画です。

毎日あるぺん号で中房温泉の登山口まで移動

仕事を切り上げて一旦帰宅し、荷物を持って東西線の竹橋駅まで移動します。

f:id:haradesugi:20170927230329j:image

そして23時発のバスに乗り込み、スタート地点の中房温泉には翌朝6時前くらいに到着しました。

軽く準備運動をしてすぐに出発します。

 

1日目:中房温泉から大天荘まで

f:id:haradesugi:20170928061722j:plain

燕岳へ続くこの登山道を歩くのは今回で4回目。 

これまで他の登山道も色々と歩いてきましたが、やはりこの中房温泉から燕山荘まで続く道は整備されていてとても歩きやすいです。燕岳が北アルプス入門の山と言われるのも頷けます。

燕山荘に到着

f:id:haradesugi:20170928061834j:plain

合戦小屋の少し手前あたりから、木々の紅葉が目につくようになってきて、合戦小屋を超えるともう季節は秋。

f:id:haradesugi:20170928061950j:plain

北アルプスの紅葉は9月下旬くらいからと言われているので、完全に色づくまでにはあと少しといった感じ。

f:id:haradesugi:20170928061749j:plain

順調に高度をあげて燕山荘に到着しました。

f:id:haradesugi:20170928062038j:plain

f:id:haradesugi:20170928062025j:plain

通常であればここから燕岳の山頂を目指すところですが、この後の行程も考慮して、今回はピークハントは見送ることにしました。イルカ岩のところくらいまで近づいて写真や動画を少し撮影して小屋に戻りました。

大天荘へ

f:id:haradesugi:20170928062104j:plain

燕山荘から先の登山道は未体験ゾーン。

槍ヶ岳へ向けて本格的な縦走のスタートになります。燕山荘からは、初日の宿泊地である大天井岳の山頂直下にある大天荘までの稜線歩きとなります。

f:id:haradesugi:20170928062150j:plain

燕山荘を出てしばらくは、気持ちの良い稜線歩きが続きますが、疲労の蓄積とともに徐々に険しくなる登山道に、歩くスピードがどんどん遅くなっていきました。

f:id:haradesugi:20170928062352j:plain

そして大天荘への最後の登りは結構ハードでした。。

f:id:haradesugi:20170928062418j:plain

朝からずっと高層に雲が広がって見晴らしは良いものの、薄曇りの天気でしたが、昼を過ぎてから徐々に天候は悪化し、小屋に到着してテント場の受付を済ませ、テントを設営し終えたところで周囲はガスに包まれ展望ゼロの状態に・・・

大天荘の夜は暴風雨

大天荘に到着した段階で、すでに結構な風が吹いていましたが、夜になると暴風雨となり、強風がテントを揺らし、雨がテントのフライシートを叩き続けました。

もともと山ではあまり眠れない僕は、この暴風雨のおかげでまったく眠れませんでした。

2日目:槍ヶ岳の穂先へ!

f:id:haradesugi:20170928062447j:plain

翌朝になり、天候は多少よくはなりましたが、周囲はガスに包まれ展望はゼロ。

f:id:haradesugi:20170928062518j:plain

テントを撤収し、朝の5時に大天荘を出発します。大天荘から大天井岳は片道10分程度なので、朝天気が良ければ山頂まで登ってみようと思っていたのですが、あいにくの天気のため今回はスルーしました。

幻想的な世界が広がる喜作新道を行く

f:id:haradesugi:20170928062700j:plain

f:id:haradesugi:20170928062602j:plain

まずは大天井ヒュッテに下り、そこからビックリ平まで登り返し稜線に出ます。稜線はガスで展望がまったくなく、黄泉の国かのような幻想的な雰囲気でした。

f:id:haradesugi:20170928062925j:plain

しばらく稜線を歩くとヒュッテ西岳に到着します。ヒュッテ西岳から西岳はすぐそこでしたが、天候がイマイチなのでスルーしました。

ここまで歩いて来てまだ1度も山頂に立っていません・・・。

f:id:haradesugi:20170928063035j:plain

f:id:haradesugi:20170928063101j:plain

ヒュッテ西岳からは水俣乗越まで「いいのほんとに!?」というくらいに下っていきます。それはもう下山するかの勢いで。

f:id:haradesugi:20170928063115j:plain

そしてそこから今度はどんどん登り返します。ハシゴにクサリに縦に標高を上げるなかなかハードなコースです。

ヒュッテ大槍でラーメンを食べる

f:id:haradesugi:20170928063149j:plain

頑張って歩いて歩いて、ヒュッテ大槍に到着しました。ここまで来れば槍ヶ岳はもうすぐそこです。

ガスで何も見えませんが。

f:id:haradesugi:20170928063217j:plain

ヒュッテ大槍でラーメンを食べてエネルギーチャージ。最後の力を振り絞って槍ヶ岳山荘に向かいます。

槍ヶ岳へ向けてラストスパート

f:id:haradesugi:20170928063341j:plain

槍ヶ岳山荘に近づくにつれ、槍ヶ岳の姿がうっすら見えてきました。

f:id:haradesugi:20170928063447j:plain

そして槍ヶ岳山荘に到着すると、ガスに包まれていた周辺が徐々に晴れてきました。

f:id:haradesugi:20170928063627j:plain

これはもしかしたらもしかする!?と小屋でテント場の申し込みをして急いでテントを設営しました。

f:id:haradesugi:20170928063725j:plain

テント設営後に槍ヶ岳山荘に戻ると、槍ヶ岳にまとわりついていたガスが完全に取れていました。

時は来た!売店でヘルメットをレンタルし槍の穂先へ向かいます。

槍の穂先へ!

f:id:haradesugi:20170928064608j:plain

2年前の裏銀座縦走では道中はピーカンだったのに槍ヶ岳の山頂だけガスるというオチでしたが今回はイケそう!

f:id:haradesugi:20170928063845j:plain

天気は御覧の通り。

ただ、先行する爺さん婆さんのツアー客10名ほどが渋滞を起こしていて、周囲が若干ピリピリしていました・・・。

f:id:haradesugi:20170928064006j:plain

f:id:haradesugi:20170928064022j:plain

そんなこんなで無事登頂!

山頂の写真撮影の列に並び、スマホで記念撮影してもらい、周囲の景色を撮影しようと思ったのですが・・・。

f:id:haradesugi:20170928064336j:plain

先ほど渋滞を起こしていた集団が山頂の一部をずっと占拠してどこうとせず、狭い山頂がさらに狭くなり、かなり混雑していました。

f:id:haradesugi:20170928064528j:plain

とはいえ、山頂からの絶景は素晴らしいものでした。2年前に見ることができなかった景色を目に焼き付けることができました。

f:id:haradesugi:20170928064549j:plain

例のツアー客たちがいつまで経っても動く気配がないため、あきらめて下山することにしました。下山も先行されて渋滞するのもアレですし・・・。

夕暮れ時のひととき

f:id:haradesugi:20170924222422j:image

山荘に戻った後は、テラスにいた方と談笑したり、景色を楽しんだりしながら、朝の段階では想像できなかった幸せなひと時をすごしました。

少し肌寒くなってきたところでテントに戻り、夕暮れ時を待ちました。

テント場から山荘の方へ向かうと、西鎌尾根の方は沈みゆく太陽と、それをとりまく雲が激しく動いていました。

2年前に歩いた裏銀座。

ピークを踏んだ山々がはっきりと見て取れます。

槍ヶ岳の方へ目を向けると、常念岳の見事な山容が雲に隠れたり現れたりを繰り返していました。蝶ヶ岳に登った時はあまり印象に残らなかった山ですが、ここから見る常念岳は非常に美しいものがありました。まだ未踏の山なので来年あたりに挑戦してみようと思います。

f:id:haradesugi:20170928064705j:plain

f:id:haradesugi:20170928064745j:plain

太陽が沈むと周囲は一気に冷え込みます。テントに戻って夕食をとり、少し夜空を見てからシュラフに入って眠りにつきました。

その後は寝ては起きて送り返しながら、じわじわと時間が過ぎていきます。山での睡眠は僕の永遠のテーマになりそうです。

熟睡できる人が羨ましい。

最終日:新穂高温泉に下山

f:id:haradesugi:20170928064810j:plain

f:id:haradesugi:20170928064825j:plain

深夜にトイレに行った際に少し夜景を撮影してみました。そろそろ星撮りの方法をちゃんと調べて勉強しなければ!と思いました。せっかくの絶景がもったいないですからね。

寝ては起きてを繰り返し、午前3時くらいで眠ることを諦めた僕は、テントの中でコーヒーを飲んだり朝食をとったり、ぼーっとしながら時間をつぶし、4時くらいからテント内の片づけを始め、早朝のご来光までにテントを撤収できるように準備を始めました。

ご来光は見ることができず・・・

f:id:haradesugi:20170928064858j:plain

f:id:haradesugi:20170928064916j:plain

しかし、日の出の方角の雲は思いのほか厚く、残念ながらご来光を見ることはできませんでした。

その後は帰りのバスが出る、新穂高温泉方面へ下山します。

f:id:haradesugi:20170928064950j:plain

f:id:haradesugi:20170928065006j:plain

f:id:haradesugi:20170928065018j:plain

朝日に照らされる笠ヶ岳や裏銀座方面の山々。

f:id:haradesugi:20170928065032j:plain

名残惜しいですが、お休みは今日まで。無心になってひたすら下ります。

新穂高温泉で帰りのバスを待つ

f:id:haradesugi:20170924222325j:image

下って下って新穂高。

f:id:haradesugi:20170924222317j:image

f:id:haradesugi:20170924222254j:image

f:id:haradesugi:20170924222249j:image

中崎山荘で温泉に入り、生ビールを飲み、ラーメンを食べ、休憩室でバスの出発時間までゴロゴロと休憩していました。

f:id:haradesugi:20170924222244j:image

バスの出発時間が近づいてきたところで、新穂高ロープウェイのお土産屋まで移動し、飛田牛の串焼きを食べ、職場へのお土産を購入しました。

そしてバスに乗車。

地獄のデスロード

14時45分に新穂高を出発した毎日あるぺん号は、中央自動車道の渋滞に順調に巻き込まれ、新宿駅に到着したのは23時前くらいでした。

8時間!

もしかしたら終電に間に合わないのではないか?という最悪のケースが頭に浮かんでは消えた道中でしたが、無事に電車に乗車することができて一安心です。

そういえば裏銀座を縦走した2年前も新穂高温泉から帰りのバスに乗り、渋滞には巻き込まれなかったものの、湘南新宿ラインのグリーン車で優雅に帰るつもりが、どこかの送電線が切れて、電車が動かなくなってしまうというトラブルに巻き込まれました。

さすがに今回は電車のほうは問題なく動き、グリーン車でのんびりとビールを飲みながら自宅最寄り駅まで移動することができました。

色々ありましたが、山の辛さや楽しさが凝縮された思い出に残る山行となりました。

 

裏銀座縦走の記事はこちら

www.haradesugi.com

www.haradesugi.com

www.haradesugi.com

www.haradesugi.com

www.haradesugi.com