今年の夏休みは後立山方面を歩く予定でしたが、休みの直前で日程の殆どが雨の予報になっていたため予約していたバスをキャンセルしました。
その後予報は改善し、山に行けそうな気がしてきたので、予期せぬ事態が起きても対応できるように、過去に歩いたことのある山域に行き先を変更して計画を立て直しました。
計画はざっくりしたもので、毎日あるぺん号で新穂高まで移動して、双六小屋(行ければ三俣山荘ま)にテント泊して2日目以降は天候と体調を見ながら黒部源流周辺をウロウロして、最後に槍ヶ岳でも登って上高地に下山する・・・みたいな内容です。
いつもの場所から新穂高温泉に向けて出発
毎日あるぺん号の出発地点である竹橋の毎日新聞社へ。
平日の木曜日夜出発ということで週末と比較すると人は少なめ。今回は快適に目的地へ向かうために3列シートにしてみました。
悪天候により初日から計画が破綻
初日の天気予報はバスの予約を再度キャンセルしようか迷うくらいの悪天候で、上高地に近づいているバスの窓から外を見たところ、結構な雨量がありそうでした。この天気だと新穂高温泉から双六小屋の区間にある沢が増水して通行止めになるかもしれない・・・と考えて上高地にバスが停車したところで下車しました。(実際になったそうです)
上高地が出発地点なら小梨平・徳澤園・横尾・ババ平と、途中にテントを張れる場所も多く、新穂高よりは選択肢があって天候の状況に対応しやすいかなと思い、当初の計画の逆周りで歩くことにしました。
上高地食堂で朝定食を食べる
急いで出発しても濡れることには変わりはないと考えて、普段は使わない上高地食堂で朝食を食べてから出発することにしました。
和食の朝定食を食べ、外でレインウェアを着て出発です。
傘をさして出発
しばらく平地なので持ってきたモンベルの折りたたみ傘を利用してみました。
いつもは綺麗に透き通っている梓川の川の水も、雨の影響で水量も多く濁っていました。小梨平キャンプ場あたりから先は、水たまりでない場所を探すことが難しいくらい路面が荒れて歩きづらくなっていました。
とりあえず初日はババ平のテント場まで頑張って歩いてテントを張り、翌日に槍ヶ岳を目指そう・・・そんなことを考えながら歩きました。
予想外の天気
傘をさしながら横尾まで移動して、コーラを飲みながら休憩していると、雨が上がり雲の切れ間から青空が見えてきました。
単なる一過性の晴れ間だろうと思い、レインウェア脱がずに横尾を出発しましたが、その後も雨が振らなかったので槍沢ロッジでレインウェアを脱ぎました。
上高地から槍ヶ岳へ向かうコースを歩くのは初めてなので、この沢の水量が普段とどの程度違うのか分かりませんが、なかなか激しい感じに流れていました。
あと登山道もご覧の通りで、靴がくるぶしくらいまで水に浸かる場面が何回かありました。ゴアテックスの靴だったので靴の中への浸水は免れましたが。
当初「ここまで行ければいいや」と思っていたババ平のテント場を管理している槍沢ロッジに到着しましたが、まだまだ時間に余裕があります。そこで目的地をババ平から殺生ヒュッテに変更して先へ進むことにしました。
激しく流れる槍沢の脇を延々と歩いて標高を上げていきます。
いつもであれば、このあたりで体力ゲージがゼロになってヘロヘロになってしまうのですが、今回は割と頑張ることができました。もしかしたら今年結構歩いているので脚が鍛えられてパワーアップしているのかもしれません。
槍ヶ岳が見えてきた!
グリーンバンドあたりまで来るとようやく槍ヶ岳が見えてきます。
さらに登っていくとババ平から昇格した本日の目的地「殺生ヒュッテ」が見えてきます。殺生ヒュッテへの分岐に到着した段階で時間に余裕があったので、殺生ヒュッテに立ち寄って何か食べることにしました。
殺生ヒュッテではうどんを食べました。
お腹が空いていたのでペロリでした。
槍ヶ岳山荘へ!
食後外に出てみると朝の雨が嘘のような青空が広がっていました。この青空を見て初日の最終目的地が決定しました。
殺生ヒュッテから槍ヶ岳山荘への最後のひと登り。
いつも槍ヶ岳山荘から「大変そうだなー」と思って見ていましたが、実際に登ってみると大したことはありませんでした。
そんなこんなで槍ヶ岳山荘に到着。
テント場の申し込みに行くと、今日は空いているので好きなところに張ってから報告で構いませんとのこと。(普段は受付の段階で「ではここに張ってください」と設営場所を指定されるルール)
せっかくなので以前から設営してみたい場所を選んでみました。
穂高方面の斜面にも眺めの良いテント場がありますが、こちらは前に張ったので今回は槍ヶ岳がよく見える場所にテントを張りました。
テントを設営したあとは外のテラスでビール。
綺麗な景色を見ながら飲むビールは美味しいですね。
この日はヘリコプターによる荷揚げが僕の見た限りでも5~6回くらいはありました。
翌日以降に色んな方から話を聞いた感じだと、この一帯どこも荷揚げが遅れていて大変だったようです。
殺生ヒュッテから米を歩荷しているスタッフさんも数名おられました。
槍ヶ岳は登る人がそれほどいなくなってきて、タイミング的には今かな・・・という状況でしたが、非常に寒く天候も微妙な感じになってきたのでピークハントは翌朝の天候次第かな・・・ということでテントで夕食を食べ眠ることにしました。
尾西の白飯にファミリーマートで買っておいた親子丼をぶち込んで食べましたが、尾西の白飯に親子丼をかけた味だなあという感想しかわいてきませんでした。
スルスル流し込むように食べられたのは良かったと思います・・・。
想定外の暴風雨と寒さ
夕方になると気温はさらに下がり雨が降ってきました。
そして風はどんどん強くなり、テントのフライシートに叩きつけられる雨音がしだいに強くなっていきました。
強風でテントは激しく揺さぶられ、テントのフライシートに雨が叩きつけられ、標高3千メートル越えのテント場での悪天候の恐ろしさを久しぶりに味わいます・・・。
そして今回は8月下旬ということで、シュラフや防寒具などはギリギリ夏山装備で行けるかな?と侮ってしまい、持ってきた衣類を色々と着込みましたが「ギリギリ寒い」という状況でした。
そんなあれこれが相まって、結局朝まで目を瞑るけれど眠れないという状態のままゆっくりと夜の時間が過ぎていきました・・・。
続き:「北アルプスを行く」2日目 槍ヶ岳から西鎌尾根を歩いて三俣山荘へ
上高地から槍ヶ岳山荘まで歩いた際の動画
雨がたくさん降ったあと上高地から槍ヶ岳山荘までの登山道がどうなるか、という参考にもなるかと思います。