前回の記事の続きです。
今回は僕が山でどのように動画を撮っているのか・・・みたいなことをダラダラと書いてみました。
無駄に長いので興味のないところは飛ばして読んでください^^;
撮影前の心構え
登山は常に危険が伴うので、写真や動画を撮影する場合は常に安全に配慮した心構えが必要です。
通常のコースタイムよりも余裕を持たせた計画を立てておく必要がありますし、自分がいまどこにいて、目的地まであとどのくらい時間がかかるのかなどを常に把握しておかなければなりません。
また、撮影に夢中になるあまり、周囲の登山者に迷惑をかけるようなことがあってはならないので、周囲への気遣いも常に行わなければなりません。
目的地に向かうだけで精一杯という方は、まずは体力向上に努め、撮影は体力に自信がついたあとに登り慣れた山で挑戦することをお勧めします。
撮影機材
僕は山で見た美しい景色を少しでも高解像度で残したいと考えているので、4Kで動画を撮影できる機種を選んでいます。
カメラ
レンズ
三脚
OsmoPocketやGoProはミラーレスを構えて撮るのが難しい場面で使うための機動性重視の動画専用機です。
これらの手持ちの機材の中から行先に応じて持っていくものを取捨選択しています。
スマホやGoProだけでも登山動画は撮れます
iPhone11から搭載された広角レンズが非常に優れものらしく、動画撮影時の手振れ補正もかなり良いと聞いていますので、一眼レフやミラーレス一眼のようなカメラ機材がなくても登山動画は撮影できます。
例えばこの動画の大半はGoPro HERO8 Blackで撮影(サムネイルはα7RIIIで撮影)したものです。写真撮影に拘りがなければGoPro1台でも登山の記録を綺麗に残すことは可能です。
こちらは夕方のタイムラプス映像以外はDJI OsmoPocketで撮影しました。(サムネイルはα7RIIIで撮影)
何を撮るか
山で何を撮るかは最終的にどのような動画にしたいかによります。
Vlog的な動画にしたければ出発から目的地に到着するまでこまめに動画を撮らなければなりませんし、森林限界を超えたところからタイムラプスだけを撮って短い動画に仕上げるのであれば序盤の移動中の撮影は必要ありません。
僕は今年に入ってから山行全体をひとつの動画にまとめたいと思うようになったので、出発から到着まで、場合によっては前夜の夜行バスから撮影したりしています。
今回はテント泊登山で山に登る場合、どのような動画を撮るかを考えてみました。
移動しながら撮る
登山道を歩いて移動している最中の撮影は登山動画では一般的なカットです。
手持ち撮影・バックパックのショルダーハーネスへマウント、ヘルメットへのマウントなど撮影方法は様々です。
- 歩きながら撮る
- 三脚にカメラを乗せて固定した状態で歩いていく自分の後ろ姿を撮る
- 三脚にカメラを乗せて固定した状態で登山道を少し戻ってカメラに向かって歩いていく姿を撮る
- 足元を上から撮りながら歩く
- 自撮り棒にカメラを付けて自分を撮りながら歩く
・・・などなど。
少なくとも登山の地図上にあるチェックポイント的なところは使うかどうかは別として撮っておいたほうがいいと思います。
例えば涸沢だったら明神・徳澤・横尾・本谷橋みたいなところです。
テントの設営・テント場での映像を撮る
テント場に到着して設営場所を確保したところで、カメラを三脚にセットしてテントの設営シーンを撮影します。
僕はあまり手際がよくないのでテントの設営シーンは撮りませんが・・・。
タイムラプス映像を撮る
空に雲が出ていたらタイムラプス撮影のチャンスです。
開けた場所で休憩している間に、眺めの良いテント場で、撮影スペースのとれる山頂で、テントから出て夜の星空を・・・などなど。
最近のカメラにはタイムラプス機能が付いていますし、GoProやOsmoPocketなどでも撮影できるので「雲が出ていてその動きが目視できるとき」は撮影に挑戦してみることをお勧めします。
タイムラプス撮影は時間を凝縮する撮影方法なので、それなりの尺を撮るためには時間を要します。目的地に到着していない場所で撮影する場合は、コースタイムを確認したうえで時間に余裕をもって行動するようにしてください。
撮り方は後述します。
調理・食事風景を撮る
テントの設営と同様に僕はあまり撮らないのですが、テント場での食事シーンの撮影も定番のカットです。
三脚にカメラをセットしてバーナーやクッカーにピントを合わせて調理シーンを撮影したり、出来上がった食事を食べるシーンを撮影したりします。
具材を持ってきて本格的に調理する方は動画のアクセントになると思うので撮っておいたほうがいいと思います。
日の入りを撮る
テント場から日の入りが見える場合は、太陽が沈んでいく場面を撮影します。
太陽の動きはゆっくりなのでタイムラプス撮影のほうがドラマチックな映像になると思います。
日の出を撮る
ご来光の見えるスポットが近くにある場合は、事前に日の出の時間を調べておいて撮影します。
朝の時間帯は周囲に人が大勢いるので、ご来光を眺める人たちを逆光のシルエットで狙うと印象的なカットが撮れるかもしれません。
雲海が出ている場合は雲の動きと太陽の動きを印象的に撮影できるタイムラプス撮影がおすすめです。
撮影方法
何を撮るかの後は「どう撮るか」になるわけですが、撮影の前に頭に入れて欲しい項目を幾つか紹介した後に具体的な撮り方を書いていきます。
動画の解像度とフレームレート(fps)について
僕は動画撮影においては基本的に4K30P(30fps)で撮影しています。もしお持ちのカメラで4K撮影ができるのであれば、4Kで撮影することをお勧めします。
4Kで撮ったものを4K動画として編集して出力してもいいですし、フルHDの画面サイズに4Kの動画を用いることで、疑似ズーム・ズームアウト、疑似パン・ティルトなどを行うことができます。
フレームレートは高い方が汎用性は高いですが、スローモーションを多用する作品でない限りは30P(30fps)でいいと思います。
digitalcamera.support.fujifilm.jp
上の動画は新宿御苑の桜吹雪をDJI OsmoPocketで撮影したものです。(サムネイルと動画中の2カットのみα7RIIIで撮影)
60Pで撮っておくとこのような綺麗なスローモーション映像に仕上げることができますが、山での撮影は早い動きのものを遅くするよりも、遅い動きのものを早く動かす(タイムラプス)ケースの方が多いのでフレームレートの設定は30Pで十分だと思います。
シャッタースピードについて
動画を撮影する場合はフレームレートに合わせたシャッタースピードを設定する必要があります。
だいたいフレームレートの倍のシャッタースピードが一般的で、フレームレートが30P(30fps)ならシャッタースピードは倍の60になります。
ただ晴れた日中の登山道でシャッタースピード60でf値を開放寄りで撮ろうとすると、カメラに取り込む光が多すぎて被写体が白飛びしてしまいます。
・・・といった理由から一眼レフやミラーレス一眼で本格的に動画を撮っている方はカメラに入ってくる光を制限するためにNDフィルターをレンズに取り付けて撮影しています。
僕も適正なシャッタースピードで動画を撮りたいのですが、道中ブログ用に写真を撮影する必要もあって、そのたびにNDフィルターを付けたり外したりするのが面倒になってしまい、毎回適当な設定で動画を撮っています・・・。
そんな僕には可変式のNDフィルターがピッタリなのですが、気軽に手を出せるお値段ではないのでAmazonの「あとで買う」に入ったままになっています。
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歩行時の撮影
歩行中の撮影は必ず周囲の安全を確認してから行うようにしています。
ある程度撮れたかな?というところで録画停止ボタンを押してカメラをサコッシュにしまいます。
今年撮影した歩行中の映像はほぼDJI OsmoPocketです。
ポケットサイズで素早く取り出せて起動も早く、バッテリーも割と持つので、気軽に撮りたい方にはお勧めのカメラです。
これで防水だったら最高なんですけどね。
秋の丹沢登山から新しく発売されたGoPro HERO8を投入しています。
広い画角と強力な電子手振れ補正が気に入っています。暗所での撮影に難があるので、OsmoPocketを今後も携行しようか検討中です。
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危険個所での撮影はこれまで行っていませんが、手足を駆使して歩く岩稜帯などでも動画を撮りたいと思い、ヘルメットに装着できるバンドを購入しました。
頭にGoProをマウントした映像は来年以降お披露目できると思います。
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あとはバックパックのショルダーハーネスに固定して歩行時の映像を撮影する方法があります。
以前に南アルプスの白峰三山を縦走した時に試しましたが、カメラの向きをうまくコントロールできなかったのと、トレッキングポールを突く際に手が映り込んでしまい満足のいく動画が撮影できなかったのでこれ以降は使っていません。
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カメラを手に持たずに撮影することができるので、歩行に集中できるので安全性は高いと思います。
Amazonリンクのサムネイルが若干バグっていますね・・・。
気になる場所で足を止めてクローズアップ
歩いている途中で綺麗な高山植物を見つけたり、運よくライチョウに出会ったりした時は、立ち止まって他の登山者に迷惑にならないか、撮影中に転倒や滑落の恐れがないかを確認したうえで撮影します。
GoProなどで撮った歩行中の動画ばかりだと画角がずっと一緒で視聴者が飽きてしまうので、登山の途中で印象的な風景や被写体を見つけたときは、面倒でも一眼レフやミラーレス一眼で被写体に少し寄った映像を撮っておくと作品にメリハリが出せるのでお勧めです。
三脚に固定して撮ってもいいですし、カメラやレンズに手振れ補正があれば手持ち撮影で臨場感を持たせてもいいと思います。
タイムラプスの撮り方
最近のカメラであればタイムラプス撮影(インターバル撮影)の機能が内蔵されています。それらを使って撮影を行うと早送り映像のような動画を撮ることができ、雲の動きなどをダイナミックに表現することができます。
僕がタイムラプスを撮影する条件は以下の3点。
- 空に雲がそれなりにある
- 目視で雲が動いていることが確認できる
- 景色が良い
雲ひとつない空では何枚撮っても動画にはなりませんし、登山者がちょこまか動いているだけのタイムラプスもまったく面白味がないので撮るだけ無駄です。
以前ブログにタイムラプス撮影した際の記事を書いたので、どのような場所で撮影しているか興味がある方はご覧になってみてください。
続いて僕がタイムラプスを撮る際のざっくりした流れになります。
- 三脚に固定
- 撮影間隔1~2秒
- 撮影枚数400枚
- RAWで撮影
- 手振れ補正OFF
- 露出・ピントを合わせる
- マニュアルフォーカスに変更
- 撮影開始
撮影した400枚の写真を1秒30コマの設定で動画編集ソフトに入れると、400枚÷30コマで約13秒の動画になります。
撮影間隔1秒で400枚撮影した場合に必要な撮影時間は6分40秒になります。
約7分も撮影したのに出来上がるのはたったの13秒の動画です^^;
これが撮影間隔2秒だったら13秒の動画を13分20秒かけて撮影することになります・・・。
スローモーション撮影は撮った時間以上の尺になりますが、タイムラプスは撮った時間が凝縮されるため撮影に多大な時間を要します。
撮影したタイムラプスの素材をどのように使うかは次回の記事で説明します。
・・・というわけで長くなりましたが僕が登山でどのように動画を撮っているかをざっくり書きました。質問があればコメント欄かTwitterなどで聞いてもらえれば答えられる範囲でお答えします。
次回予告
登山で撮影した動画をどのように編集しているか、また音楽をどのように入手しているかなどを詳しく書いていきたいと思います。
登山動画の編集方法【僕の登山動画の撮影・編集方法 その③】
- 僕と動画編集
- 使用している編集ソフト
- 主な編集の流れ
- 動画に挿入する音楽・効果音の入手方法