はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

特急リバティけごんに乗って雲竜渓谷の氷瀑を見てきたよ

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毎年行こう行こうと思いつつタイミングを逃して行きそびれてしまう雲竜渓谷に4年ぶりに行くことができたのでブログにて報告させていただきます。

雲竜渓谷とは?

世界遺産の日光東照宮の脇道を進んだ先に雲竜渓谷という渓谷があります。この渓谷の奥地には巨大な滝があるのですが、1月下旬から2月上旬にかけて渓谷周辺とその奥にある滝が完全に凍ります。

少し前までは知る人ぞ知るスポットだったようですが、2011年に山と渓谷で取り上げられてからは毎年見ごろになると大勢の観光客で賑わうようになったそうです。

そんな雲竜渓谷に初めて訪れたのが今から4年前。

前回はマイカーでの移動でしたが、運転するのがかったるかったので今回は公共交通機関を利用して雲竜渓谷に行ってみることにしました。

電車で雲竜渓谷に行く

JR東海道線に乗って上野まで移動し、そこから日比谷線に乗り換えて北千住まで移動し、改札を出ずに東武鉄道の全席指定の特急車両「リバティけごん1号」に乗車して東武日光駅へ向かいます。

リバティけごんの乗車券と特急券を買う際にクレジットカード払いができず、チャージしてあったスイカを限界まで使った結果、残高が7円になりました。

「リバティけごん」で東武日光駅へ

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北千住を6時42分に出発(始発駅は浅草駅)したリバティけごんの車窓に登ってきたばかりの太陽の光が差し込みます。平日の一番列車ということもあって乗客はほとんどいませんでした。

目的地の東武日光駅には8時22分の到着予定。

この電車は6両編成になっていて、下今市駅で半分に切り離され、前の3両が「リバティ会津」として会津方面へ、後ろ3両が引き続き「リバティけごん」として東武日光駅に向かいます。

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東武日光駅に到着する頃には乗車した車両には僕一人だけになっていました。

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東武日光駅に到着。

せっかくなのでここまで乗ってきたリバティけごん(東武500系)を撮影。

なかなかカッコいい車両です。

東武日光駅からはタクシーで移動

駅前の最前列にいたタクシーの運転手に雲竜渓谷まで行きたい旨を伝えると、それならばと後方にいた車両を手招きしてくれました。

表れたのは三英自動車のタクシー。

事前に調べていた情報によると三英自動車のタクシーは雲竜渓谷登山口まで走らせてくれる数少ないタクシー会社なのだとか。(雲竜渓谷登山口までの道は細く凍結しているためチェーンが必須となり嫌がるタクシー運転手が多いそうです)

タクシーから降りて来た初老のドライバーが事情を聞くなり 「チェーンつけるから一旦会社に寄ってくけどいい?」と僕に聞いてきました。

この手練れた感じ・・・これは頼りになりそうだと思い「ではお願いします」とタクシーに乗り込みました。そして車は僕を乗せたまま会社に移動。車を降りたドライバーのおじさんはチェーンの装着を始めるのですが・・・。

 

ガチャガチャ・・・「あれ、入んねーなー・・・」ガチャガチャ・・・

 

チェーンの装着に苦戦するおじさん・・・延々とチェーンの装着作業が続き、会社から増援を呼んできて完了したのが約30分後。

三英自動車さん!!

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そんなわけで準備が長引き予定していたよりも到着が遅くなってしまいましたが無事に登山口のゲートまで送り届けてくれました。

いざ雲竜渓谷へ!

ここで登山靴の紐をしっかり結び、ゲイターを付けて出発です。

登山口から雲竜渓谷への道は2つあるのですが、安全面を考慮して林道をひたすら歩くコースを選びました。

林道コースは立入禁止の看板が立っていますが、日光警察署に確認したところ「市役所に聞いてくれ」と返答され、市役所に確認したところ「装備を整えて自己責任でお願いします」という返答を受けました。

別の方も日光市役所に確認を入れて「登山利用であれば問題ない」という返答を受けていること、殆どの方々がこちらのコースを選んでいること、モンベルが開催している雲竜渓谷のツアーも林道コースを使っていることから問題ないと判断し記事を公開しました。

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しばらく歩くと展望台に到着します。

まだまだ先は長い・・・。

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しばらく進むと所々見えていた路面が雪で見えなくなり完全なる雪道に変わります。

洞門岩でアイゼンを装着

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洞門岩に到着です。

アイゼンはもう少し先でも良いのですが、前回訪れた時もここで付けたのでもういいかなと思い持ってきた12本爪のアイゼンを装着します。

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洞門岩からは沢沿いのコースと林道コースの分岐があります。

林道歩きに飽きてしまった僕は沢沿いコースに向かったのですが、ぞろぞろと数名が引き返してきて「渡渉が難しそう」「その先の登りも結構厳しそう」みたいなことを言っていたので林道コースから向かうことにしました。

前に訪れた時はまったく問題なかったんだけどなぁ。

雲竜渓谷中心部へ

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洞門岩の分岐から林道を歩いて歩いてようやく雲竜渓谷の入り口に到着しました。

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この急斜面(雪が積もった階段)を降りれば雲竜渓谷はすぐそこです。

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いよいよ雲竜渓谷の核心部です。

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周囲は氷の世界です。

何がどうなったらこのような状態になるのでしょうか。

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殺傷能力の高そうなつららが多数。

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どこもいい感じに凍っています。

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両サイドの岩壁は完全に凍り付いていますが、足元は渓谷ということもあって水が流れており、先へ進むには所々で沢を渡る必要があります。

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助走をつけてジャンプしたりする場所はありませんが、トレッキングポールがあったほうがより安全に渡渉できると思います。

友不知

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友不知に到着。

人が写っていないのでサイズ感が伝わりづらいと思いますが物凄い迫力でした。

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巨大な氷柱の少し先に進んだ場所に先行者がいたので写真に入れてみました。こうやって撮ると氷の巨大さが分かると思います。

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今回の旅の主役の雲竜瀑(氷瀑)が見えてきました。

奥に見える滝っぽいのがそれです。

あそこに行くには写真に写っている先行者のように急斜面を右に登って行って、そこから滝の方に向かって左に下っていきます。

かなり急斜面なので10本爪か12本爪のアイゼンは必須です。

過去に軽アイゼンでも行けたという話も聞いたことがありますが、今回僕が訪れた段階では雪が少なく凍り付いている箇所もあったので10本爪か12本爪のアイゼンでないと厳しいように感じました。

大迫力の雲竜瀑!

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到着しました。

普段は水が流れ落ちる滝ですが見事に凍っています。

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バキバキです。

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せっかくなので滅多にしないのですが記念撮影を行います。

こ・・・この動きは・・・トキ!

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インターバル撮影で無事に自撮り撮影ができました。

広角レンズで撮影したおかげでメタボな僕がスリムに見えます!

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滝の隣ではアイスクライミングを行っているパーティーがいらっしゃいました。

しばらく凍った滝を眺めながら休憩して来た道を戻ります。

来た道を戻る

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「雲竜渓谷の奥まで行って凍った滝を見る」という今回の旅の目的を無事に果たすことができました。このまま来た道を帰ろうと友不知まで戻ってきましたが、滅多に来れない場所だから・・・と思い巨大な氷柱の近くまで行ってみることにしました。

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この辺りの氷柱やつららは完全に凍っているように見えますが、近づいてみるとポタポタと水滴を落としながら少しずつ溶けています。

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そして氷柱やつららの下には崩壊した巨大な氷がゴロゴロと転がっています。

こんなのを食らったら元も子もありません・・・。

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ただ、氷の状況をじっくり観察してみたところ、今のところ崩落しそうな気配はなさそうだったので氷柱と崖の隙間に入って少しだけ撮影してきました。

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足元はツルツルのアイスバーンでした。

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中には不思議な形の氷がありました。

どうやったらこんな風に凍るのでしょうか?

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見上げるとこんな感じです。

崩落したら死ぬので動画と写真を少し撮影して急いで外に出ました。

氷柱が崩落して下敷きになった方を目撃されたRED SUGARさんの記事・・・怖いですね・・・。

参考:【北関東】雲竜渓谷、連なる巨大氷柱と雲竜氷瀑の天然氷を食す日帰り登山

さらば雲竜渓谷!

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日没までまだまだ時間はありますが、地形の関係で昼を過ぎると太陽の光が遮られてどんどん冷え込んできます。

氷の世界を十分に堪能できたのでそろそろ帰ります。

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まだ時刻はそれほど遅い時間ではありませんが谷間は完全に日影になりました。

陽の光が差し込む時間帯をたっぷり楽しむにはもっと早い時間にスタートする必要があるので公共交通機関でのアクセスではちょっと難しいかなという印象を受けました。

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帰りは来た道をひたすら歩きます。

昼を過ぎても林道に積もった雪は引き締まっていて、歩くたびにギュッギュッと気持ちの良い音が足元から聞こえてきます。

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歩いて歩いて歩き続けてスタート地点の登山口からさらに歩いて瀧尾高徳水神社まで戻ってきました。

さすがに疲れたのでここでタクシーを呼びました。

電話で行きにお世話になった三英自動車さんに「ここから駅まで幾らくらいかかりますか?」と聞いたら「だいたい1,000円から1,500円くらいですね~」と言われたので配車をお願いしました。

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そして無事に東武日光駅に到着。

料金は1,900円でした。

三英自動車さん!!(実際はこのくらいが相場のようです)

 

帰りは日光駅から在来線で下今市駅まで移動し、そこから東武100系の「特急きぬ」という金色に塗装された少々古びた特急列車に乗り換えました。

特急きぬに乗り換えた後は北千住駅までのしばしの時間をビールとつまみを頂きながら楽しみました。

 

こういう旅は車で行くことが多く、帰りは運転で結構消耗するのですが、リラックスできる電車での移動もたまには良いものですね。

・・・というわけで見頃を迎えた雲竜渓谷をじっくり堪能することができて最高の1日になりました。

 

雲竜渓谷は素晴らしい場所ではありますが、安全に歩ける装備・自信のない方が気軽に行ける場所ではないので、興味のある方はツアーに申し込むか詳しい方に同行してもららいましょう。

アクセス情報

瀬尾高徳水神社

スタッドレスタイヤの一般車両が入れるのはここまで。

ここの駐車場に車を停めて登山口まで移動するのがベター。四駆やタイヤチェーンを持っている方はさらに先の登山口駐車場まで移動可能です。

雲竜渓谷登山口駐車場

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登山口ゲート前の駐車場は数台しか停めることができないため、すぐに満車になります。路上駐車するマナー違反な方々も多く、ここまで来たタクシーが折り返せないケースもよくあるそうです。

よほど早い時間か平日でない限りは、満車で引き返す時間を考えると手前の瀬尾高徳水神社に停めておいた方が無難だと思います。