2日目です。
七ツ石小屋のテント場での夜は、寝ては起きての繰り返しで熟睡できない僕のいつもの睡眠パターンでした。
冬のテント泊は初めての経験でしたが、それほど冷え込まなかったのか寒さに関しては特に問題はありませんでした。(テント内のプラティパスは凍っていました)
七ツ石小屋の朝
時刻は朝の7時前。
日の出の予想時刻は6時55分。
すでに朝食を済ませていた僕は、カメラを持ってテント場のなかをウロウロ歩きながらご来光を待ちます。
太陽が昇ってきました。
太陽が出てくるあたりに少し雲が出ていましたが綺麗な日の出を見ることができました。
七ツ石小屋に朝が訪れました。
富士山にも優しい光が降り注いでいます。
もうこのまま下山してもいいんじゃないか?という気持ちが高まってきましたが、ひとつもピークを踏まずに下山していいのは涸沢くらいにしておかないと・・・と気持ちを引き締めて出発の準備を整えます。
スマートフォンの地図アプリでコースタイムを計算してみると、頑張れば七ツ石山から石尾根縦走路を歩いて奥多摩駅まで行けそう。
とはいえ昨日のバテ具合を考えると最後まで歩き切るのは難しそうだから、途中で下山することも想定しておこう・・・なんてことを考えながら七ツ石小屋を出発します。
いきなり道を間違える
しばらく歩いていたらテント場で一緒だった方に追いついたので「七ツ石山の分岐まだですかね?」みたいな話をしたところ「え、ずいぶん前に分岐ありましたよ」との返答。
あれ・・・。
どうやら写真や動画撮影に夢中になっていて気付かずに通り過ぎてしまったようです。登山道を歩くときは人工物や案内などを見落とさないように注意して歩いているつもりだったのですが、うっかり見落としてしまったようです。
すでに引き返すよりも雲取山と七ツ石山の分岐まで歩いたほうが早そうなのでこのまま先へ進みます。
1日目は三脚を忘れたり途中でバテたりGoProのバッテリーが何故か全滅(バッテリー切れ)したりと散々でしたが、2日目も朝から嫌な感じ。(ぜんぶ自分のせいですが)
ブナ坂分岐から七ツ石山へ
ブナ坂分岐に到着しました。
ここから七ツ石山に向けて登っていきます。
遠回りしてしまったことで時間をだいぶロスしてしまいました。
山頂に向かって高度を上げていくと背後に南アルプスの山々が見えました。
そしてさらに登って七ツ石山の山頂に到着です。
七ツ石山登頂
七ツ石山に到着です。
2日目にしてようやくピークを踏みました。
ただ時間が押しているのでゆっくりしていられません。周囲の写真を撮影してすぐに出発します。
鷹ノ巣山へ
山頂から富士山はよく見えましたが南アルプスはブナ坂分岐に少し下らないと見えませんね。
山頂から鷹ノ巣山方面に少し下ったところに七ツ石神社がありました。
社殿は昨年くらいに再建されたらしくとても綺麗でした。
チェーンスパイク装着
七ツ石小屋をスタートしてから所々に雪が残っていたり、凍結している箇所が見受けられました。
ここまでは何もつけずに歩いてきましたが、まだまだ雪道が続きそうなので新しく購入したチェーンスパイクを装着します。
新しく購入したアイテムその③は「チェーンスパイク」です。
12本アイゼンや軽アイゼンは持っていましたが、チェーンスパイクは今回の購入が初めてです。脱着がしやすくグリップも結構効くのでちょっとした雪道であればこれで十分だなと思いました。
せっかくチェーンスパイクを履いたのに歩けば歩くほど雪が減っていきます。なくても普通に歩けるので早々に外しました。
それにしてもいい天気。
風も殆どなく気温も体を動かしているぶんには丁度よい感じです。
当てにしていた巻道が通行止め
上の写真の右下あたりに巻道に続く分岐があるのですが、通行止めになっていました。
巻道が使えないということは、石尾根縦走路上の幾つかの山を越えていかなければならないということ。そして幾つかの山を越えていくということは、それだけアップダウンがあるということ・・・。
でもまあここまで来たら行くしかないよね。
とりあえず高丸山のピークを目指して登っていきます。
高丸山
高丸山の山頂に到着しました。
やはりこれまでのパターンと同じで登った後に下ります。
ただ今回の下りはこれまでとは少し違いました。
泥の急坂に心が折れる
ここまで何回かアップダウンを繰り返してきましたが、高丸山からの下りが一番辛かった・・・というか酷かったです。
雪解け後だからなのか分かりませんが、登山道がぬかるんでいてとても滑ります。そして本当に登山道なの?と疑ってしまうくらい急斜面です。
斜面が急な登山道はだいたい九十九折りになっていたり、階段状になっていることが多いと思いますが、ここはそういったものが全くなく「とにかく滑る急斜面」という非常に歩きづらい・・・というかまともに歩けない状態・・・。
「滑るな、滑るなよ・・・」と願いながら 1歩1歩慎重に進みました。
なんとか転ばずに急斜面を下って一安心。
日陰名栗峰はよく分からないまま通過
日陰名栗峰に登り返す途中でふたたび南アルプスが見えました。
雲取山もよく見えました。
写真を拡大してみると雲取山の避難小屋が見えます。
日陰名栗峰の山頂がどこか分からないまま鷹ノ巣山避難小屋に向けてふたたび下っていきます。(どこかに表示があったはずですが気付きませんでした)
鷹ノ巣山避難小屋
鷹ノ巣山避難小屋に到着しました。
スマートフォンの地図アプリでここから先のコースタイムを見ながら今後の行程を検討します。
先ほどの泥の急坂を下ったあたりで僕を追い抜いて行ったおじさんが休憩をしていて、その方にどこまで行くのか聞いてみたところ、鷹ノ巣山のひとつ先の六ツ石山まで歩いて奥多摩湖のバス停に下山するとのことでした。
僕もそのくらいまで行けたらいいなと思っていましたが、すでに気力も体力も尽きていたので、登るのは鷹ノ巣山の山頂までにして、そこから倉戸口というバス停に下山することにしました。
避難小屋前のベンチで軽めの休憩をとってこの日最後のピークである鷹ノ巣山に向かいます。
鷹ノ巣山登頂
残った力を振り絞って・・・というと少し大げさですが、最後のひと頑張りで鷹ノ巣山の山頂に到着しました。
雲取山登頂には失敗しましたがピークを沢山踏んだので良しとしましょう。
鷹ノ巣山の山頂は最後のピークにふさわしい展望でした。
天気も良いし最高です。
スマートフォンの電波も入るようになったので、下山する倉戸口のバス停の時刻を確認します。
頑張ってコースタイムを30分以上短縮すれば14時のバスに間に合い、それを逃すと次は15時といった感じ。
ここでのんびり休憩したいところでしたが、もし14時のバスに間に合うのなら・・・と思ってすぐに出発することにしました。
鷹ノ巣山の山頂は広くて休憩するにはもってこいなので、機会があれば日帰りでまた訪れたいと思います。
倉戸口バス停に下山
鷹ノ巣山の山頂からの下りは緩やかな泥の斜面。
この土の感じ、さすがにもう慣れました。
少し下ったところの分岐で倉戸口側に下ります。
・・・と思ったらさらに分岐。
先ほど山頂にいた女性が颯爽と追い抜いていきました。
途中で何度かスマートフォンの地図アプリで現在地を確認しましたが、どうやら14時のバスには間に合いそうもありません。
そうと決まれば無駄な頑張りは無用です。
倉戸山
のんびり歩いて倉戸山に分岐に到着しました。
ここから倉戸口方面にさらに下っていきます。
この辺りはピンクテープで向かうべき方向は見失うことはないのですが、落ち葉の量が凄くて、普通の地面だと思って踏み込んだら滑りやすい泥の斜面で足を滑らせる・・・みたいな場面が何度かありました。
割と急な斜面もあったりするので最後まで気を抜くことを許してもらえません。
あと自転車の轍と思われる跡が所々にありました。もしかしたらマウンテンバイクのコースになっているのかな?
高度を下げるにつれて道路を走る車の音などが耳に入るようになってきました。
ここまで来ればもう安心です。
温泉神社。
倉戸口バス停に到着
倉戸口バス停に到着しました。
実は倉戸山の分岐の時点で飲み物が尽きてしまい、下山したらジュースを買おうと思っていたのですが、残念ながら倉戸口は何もないバス停でした。
今回使ったバックパックは「EXPEDのLightning 60」
バスが来る15時まで30分くらいあったのでカメラやサコッシュをバックパックの中に入れて綺麗にパッキングし直しました。
新しく購入したアイテムその④は「EXPEDのLightning 60」です。
背面調整ができるフレーム付のバックパックでありながら重量が1,110gとなかなか軽量で、張り巡らされたストラップでバックパック全体をコンプレッションすることができます。また工夫次第でこのストラップ部分に様々なアイテムを外付けすることができるので、これからの季節にピッタリのバックパックなのではないかと思います。
見た目もGood!
まとめ
テント泊装備を背負って山を歩くのが昨年の8月下旬以来だったのと、忘れ物をしたり途中でバテたりと色々ありましたが、終わってみれば楽しい山登りでした。
夏や秋はどうしても北アルプス方面に足が向いてしまいますが、できれば雪のない季節に石尾根縦走路をリベンジしたいと思います。