雲取山にテント泊で登ってきました。
雲取山は僕が初めてテント泊で登山をした思い出の山で、これまで2013年11月下旬と2015年10月下旬に登っており、今回は3回目の雲取山登山になります。
今回は新たに導入したギアの試運転と、夏用シュラフがどこまで使えるかの調査も兼ねており、非常に楽しみにしていた山行です。
そんなわけで今回は約6年ぶりにテントをかついで雲取山に登ります。(2020年1月にも登るつもりで訪れましたが途中でバテて七ツ石小屋泊に変更)
雲取山
雲取山は東京都・埼玉県・山梨県の境界にある標高2,017.13mの山で、東京都の最高峰としても有名です。(ちなみに東京23区最高峰は愛宕山です)
そして鴨沢バス停から雲取山に登るルートは初心者にもおすすめな超王道ルートで、最近では早朝に出発して日帰りで登る登山者も多いようです。
奥多摩駅からバスに乗って鴨沢へ
横浜から電車を乗り継ぎ、新宿駅で「ホリデー快速おくたま」に乗り換えて午前8時21分に奥多摩駅に到着。そこからバスに乗り換えて登山口のある鴨沢バス停に向かいます。
奥多摩駅は奥多摩周辺の山に登るためのバスの発着地であるため、朝の駅周辺は登山者で溢れかえっていました。
駅を出た正面にあるバス乗り場から鴨沢行きのバスに乗り込みますが、何やらかなり混みあっています。これは鴨沢まで座れないのでは…と思いつつ、バス会社の誘導に従って並んでいたら何故か座ることができました。
満車状態だったバスは鴨沢に向かうにつれ徐々に空いていき、鴨沢バス停につく頃には僕ともうひとりの登山者のみになっていました。
バス停前でトイレを済まし、近くの自動販売機で水のペットボトルを2本購入して出発です。
快晴の登山道を歩いて雲取山へ
鴨沢から雲取山までは、これといった難所もなく、整備された登山道を延々と登っていきます。
小袖乗越駐車場はほぼ満車状態といった感じ。
小袖乗越駐車場の前に鬼滅の刃の炭治郎と禰豆子の着物の柄をモチーフにしたノボリが立っていました。そういえば雲取山は、鬼滅の刃の竈門炭治郎と禰豆子の出身地として少し前に話題になりましたね。
道路を少し歩いて雲取山登山のスタートです。
11月28日ということもあり紅葉はほぼ終了していましたが、所々で葉が残っている木がありました。
雲ひとつない快晴ということもあり、紅葉した木々の葉に太陽の光が透過してキラキラと輝いていました。
序盤に通り過ぎる廃屋はいまだに健在で、周辺は落ち葉の絨毯になっていました。
上の写真が2013年に撮った廃屋。
そしてこちらが今回撮ったもの。
じわじわと朽ちているのが分かります。
2020年の1月に雪山装備で登ったときはかなり早い段階でバテてしまい、七ツ石小屋でテントを張りましたが、今回は荷物をかなり削ってきたので(これが後々問題になるのですが)足取りは軽やかです。
堂所
堂所を過ぎたあたりから足元の凸凹や段差、岩のゴロゴロ感が増えて、山に登っているな、という感覚が高まってきます。
今回は七ツ石山を経由して登ろうと思っていたので、七ツ石小屋の分岐を小屋方面に進みました。地図上では分岐から七ツ石小屋まではそれほど距離がないように見えますが、実際に歩くと結構あります。
七ツ石小屋で休憩
七ツ石小屋に着いたので小屋の前のベンチで小休止。
休憩後は七ツ石山に向けて出発します。
以前は途中にある分岐を見逃してしまい、かなり遠回りしてしまいましたが、今回は分岐を見逃さずに進むことができました。
七ツ石山の山頂へ
しばらく登っていくと石尾根の稜線に出て、そこからさらに少し登ったところに七ツ石山の山頂があります。
七ツ石山の山頂に到着しました。
山頂からは富士山や南アルプスの山々がよく見えます。天気もよく素晴らしい眺めです。
さあ、残すは雲取山です。
一旦下って、七ツ石小屋の分岐から登り返します。
石尾根を行く
久しぶりに石尾根を歩きましたが、やはりここは良いですね。
左手に富士山を臨みながら快晴の登山道を進みます。
しばらく歩いていくとヘリポートが見えて、そのすぐ先には奥多摩小屋とテント場の跡地があります。
奥多摩小屋跡地
奥多摩小屋は建物の老朽化により2019年3月31日に閉鎖され、それに伴いテント場も閉鎖されました。
2015年以来久しぶりに訪れましたが、すでに更地になっていました。
以前にこの奥の斜面の笹が枯れたことで、僕が生まれる前の時代の登山者たちが残していった大量のゴミが発見されたという記事を読みましたが、片づけは完了したのでしょうか?
鴨沢からテント泊で雲取山に登るのに丁度よい場所で、ロケーションも最高なので何とか小屋を再建して営業を再開して欲しいところです。
建築資金くらいであればクラウドファンディングなどで簡単に集められると思いますが、維持・管理していくのが大変なんでしょうね…。
小雲取山
奥多摩小屋跡地まで来れば山頂はすぐそこ…と思っていましたが、もう少し頑張る必要があります。
途中の分岐の先に小雲取山があることを思い出し、せっかくなので登頂しました。案内があるわけではないので地図を見ながら「この辺かな?」と分岐を進んでいくことになります。ただ特筆すべきものはないので、あえて登る必要はないと思います。
雲取山に登頂!
ようやく避難小屋が見えてきました。
最後のつづら折りを登って避難小屋前に到着。
ここまで来ればもう山頂に着いたも同然です。
避難小屋前は富士山もよく見えますし、
東京の街もよく見えて山頂よりも眺望が良いです。
そしてここからほんの少し歩いて、
雲取山の山頂に到着です。
約6年ぶりに登頂!
天気も最高で山頂には誰もいません。(先客はカラスだけでした)
ひとしきり撮影して山頂からの景色を楽しんだので、幕営地の雲取山荘に向かいます。
雲取山荘へ
雲取山荘は山頂から埼玉県側に20分程下ったところにあります。
午後になると完全に日陰になるようで、樹林帯に入っても時折吹く冷たい風に体温が奪われていきます。
雲取山荘に到着しました。
テント設営
山荘の中でテント場の受付を済ませ代金の500円を支払います。
ここ数年はテント泊といえば北アルプスで、値上がりした2,000円が馴染んでいただけに500円はなかなか衝撃的な価格に感じました。
テント場は山荘の奥にあります。
先客が一張あるだけで、選びたい放題ですが山荘に近くて平らな場所がなかなか見つけられず、少しだけ離れた場所に張りました。
今回も今年買って良かったギアのひとつ、ヘリテイジのクロスオーバードームを持ってきました。軽くてコンパクトで非常に気に入っています。
凍える寒さ
当初はテントを設営したあとに、再び山頂に登って日没の景色を撮るつもりでいましたが、山頂からここまでの下りを思い返すと、とても往復する気にはなれなかったので、テントでおとなしくしていることにしました。
そして到着したらビールを…と思っていましたが、あまりの寒さに冷たい飲み物を飲む気になれませんでした。
夕方5時前の段階でテント内の気温は氷点下まで下がり、体がどんどん冷えてきたので、カップヌードルを食べて寝ることにしました。
色々と具材を持ってきて鍋的なものを作るのも悪くありませんが、さっさと食べてシュラフに入りたい僕にはカップラーメン系が一番しっくりきます。
あとこの時期は冷えたビールを飲む気にはなれないので、常温でチビチビ飲めるウイスキーを家から持っていく必要がありそうです。
眠れぬ夜
夕方の段階で氷点下まで下がった気温は、その後大きく変動することはありませんでしたが、持ってきたシュラフがリミット3度の夏用だったので、なかなか厳しい夜になりました。
今回は夏用シュラフにエスケープヴィヴィを被せて何度まで耐えられるか、という検証をしようと思って、あえて貧弱な組み合わせにしてみましたが失敗しました。
持ってきた衣類を着込んだうえで上記シュラフに入りましたが、マイナス4度には勝てませんでした。
目を閉じては寒さで目が覚める…みたいなことを繰り返して夜を過ごしました。
ただ、何度も目を覚ますのはいつものことなので、眠りの質に関してはそれほど変わりは無かったような気がしています。
続く…