長らく続いていた足底腱膜炎の痛みも治まってきたので、そろそろ登山を…と思っていたら5月の下旬になってしまいました。つい最近だと思っていたゴールデンウィークの立山から3週間が経とうとしています。
うかうかしていると6月になり、そして梅雨に入り、準備不足のまま夏山シーズンを迎えてしまいます。
これはいかん!と思い、平日に休みを入れて八ヶ岳の「にゅう」に登ってきました。
白駒池駐車場から「にゅう」へ
午前3時に起床し、用意しておいた荷物を持って、近所のタイムズカーシェアの軽自動車に乗って出発。
車を運転するのは元旦の塔ノ岳登山以来で、長距離運転は昨年8月の蝶ヶ岳登山以来になるので、道中の運転はなかなかの緊張感がありました。
ちなみに公共交通機関は土日のみバスが運行しているようです。(5月下旬から10月上旬)
白駒池へ
7時19分に駐車場を出発。
今回は白駒池を青苔荘側から歩いて「にゅう」に登り、そこから中山展望台を経由して高見石小屋の揚げパンを食べる時計回りのプランを立てました。
もし時間に余裕があれば、黒百合ヒュッテに寄り道してビーフシチューを食べたいところですが果たして…。
青苔荘
駐車場からしばらく歩くと青苔荘と白駒荘に向かう分岐にさしかかり、左に進んでいくと青苔荘に到着します。
小屋の前を少し下ったところにボート乗り場がありました。池の水面はおだやかに揺れていて、天気も問題なさそうです。
青苔荘からしばらく白駒池沿いの木道を歩きますが、池から離れるにつれて登山道らしさが出てきます。
荒れたオフロード
雪が融けてぬかるんでいる場所や、雪が凍ってアイスバーン化している場所、深い水たまりになっている場所など、この時期特融の悪路がそこらじゅうに発生していました。
白駒湿原の周辺は綺麗に舗装?されていました。
そして再びオフロード。
先人達の犠牲(踏み抜き)の跡を確認しつつ、問題なさそうな足の踏み場を選びながらゆっくり歩いて行きます。
チェーンスパイクを装着したほうが歩きやすいだろうな…と思いつつも「まだ大丈夫だな」と歩き続けているうちに山頂近くまで登ってきてしまいました。
登山では「ここを登り切れば…」とスパートをかけて失敗するケースが多々ありますが、にゅうに関しては直感を信じて大丈夫だと思います。
山頂直下まで来ました。
バックパックをデポして登っている先行者が数名いらっしゃいました。
にゅうの山頂に到着
8時52分。
にゅうの山頂に到着しました。
バックパックをデポしていた団体とは山頂に到着する直前にすれ違ったので、山頂には僕と先客の1名のみ。
山頂からの眺め
雲海の向こうにそびえる国内標高1位の富士山。
昨年は御殿場ルートから登って疲労困憊だったので、次は最短で山頂に行ける富士宮ルートから挑戦してみたいですね。
右奥には双耳峰の天狗岳が見えます。
富士山・天狗岳の反対側に目を向けると眼下には白駒池、そしてその先には北横岳・蓼科山が見えます。
そして遠方には北アルプスの山々が!
手前にはこれから向かう高見石小屋と高見石が見えます。
素晴らしい眺めです。
にゅうの表記について
それにしても「にゅう」の表記が気になりますね。
YAMAPや山と高原地図には「ニュウ」とカタカナ表記(今回は山頂の「にゅう」に合わせて表記を統一しました)になっていますし、山頂近くには「乳」と書かれた小さな表示が木に貼られていました。
ここに来るまでの道中でも「ニウ」だったり「ニュー」だったり表記に統一性がありません。
そういえば以前に「にゅう」の表記について書かれた記事を見た記憶があるぞ…と思い、帰宅後に調べてみたらOKPさんが稲子湯からニュウと稲子岳を周遊する記事を公開されていました。
OKPさんは稲子湯から「にゅう」と稲子岳を周回で歩いたようですが、こちらのルートでは「乳」推しのようです。
中山展望台へ
にゅうからは中山峠方面に向かい、分岐を中山方面に向かいます。
当初は黒百合ヒュッテでビーフシチューを食べる計画でしたが、中途半端に残った歩きづらい雪の道が黒百合ヒュッテ方面にも延々と続いているように見えたので諦めました。
ここまで黒百合ヒュッテのビーフシチューを心の拠り所にしていましたが、ビーフシチューを諦めたいま、次なる目的は「高見石小屋の揚げパンを食べる」です。
10時15分。
揚げパンのことを考えながら面倒な道を延々と歩き、うっかりスルーしてしまいそうな微妙な中山の山頂を経て展望谷到着しました。
中山展望台からの眺め
にゅうの山頂から見た景色とだいたい同じではありますが、こちらのほうが広々としています。
霧ヶ峰と北アルプス。
天狗岳。
僕は高見石小屋で揚げパンを5個食べようと思っていたので、ここでは何も食べませんでしたが、今回のルートで小屋を利用せず歩くならここが最高のお昼休憩ポイントだと思います。
山と道 UL Shirt
今回は買ったばかりの山と道の「UL Shirt」を着てきました。
カラーはBlue GrayでサイズはMサイズです。
身長169cm、体重78kgのメタボなオッサンが着るとこんな感じです。
余裕のあるややゆったり目のシルエットで僕的には丁度よいサイズ感です。
※自撮りのために腹を限界まで凹ませています
理想 VS 現実 pic.twitter.com/KdVRX0co5c
— はらですぎ (@hara_desugi) 2021年1月19日
残念ながらUVカットや防臭ではないので、長期縦走などに使うと汗臭くなってしまう可能性がありますが、速乾性に優れているので水洗いできる沢や水場がルート上にあるようであれば途中で洗ってテント場で乾かすのもアリだと思います。
他の装備品はこんな感じです。
- 帽子:RIDGE MOUNTAIN GEAR Basic Cap
- ベースレイヤー:Smartwool メリノ スポーツ 150 ティー
- パンツ:THE NORTH FACE アルパインライトパンツ
- 靴:LA SPORTIVA Trango TRK GTX
- バックパック:山と道 MINI2
高見石小屋へ
中山展望台から高見石小屋までの区間は腐った雪を延々と下っていくデスロード。
踏み抜きの犠牲にあった方々の跡を頼りに「正解」を探り当てながら慎重に歩いて行きます。チェーンスパイクがあった方が歩きやすいと思います。
高見石小屋で揚げパンを食べる
11時28分。
高見石小屋に到着しました。
営業中で良かった!
揚げパン全種セット(5個 900円)とホットコーヒー(450円)を注文します。
揚げパン5個セット
皿の左から時計回りに「ココア」「抹茶」「きなこ」「チーズ」「黒ゴマ」です。
どれも飾りのないシンプルな味付けでとても美味しかったです。
食べていて気付きましたが、ココアのパウダーがパンの熱で溶けて指にまとわりついてくるので一番最初に食べることをお勧めします。
高見石に登る
小屋の裏手には白駒池方面が一望できる高台があります。
ゴロゴロした岩場を登っていくと…
ご覧の通り見事な景色が広がります。
景色を楽しみながら座りやすそうな石の上で少し休憩しました。
高見石から戻ってきて更に休憩。
満腹の僕の横でヒガラ?が虫を捕まえていました。
今回の道中で小さな野鳥を何羽も見ましたが、カメラを向けると飛んで行ってしまって撮れない…というのが何回もありました。小柄で警戒心の強い野鳥は見つけてから撮るのではなく、カメラの前に現れるのを待つのが本来の撮り方なんでしょうね。
…というわけでそろそろ出発します。
白駒池へ
高見石小屋から白駒荘までは25分のコースタイム。
あっという間に着きそうだな…と思っていましたが、この区間にも雪が結構残っていてかなり歩きづらかったです。
12時51分。
白駒荘に到着。
25分のコースタイムのところを30分弱。雪が残っていて歩きづらかったことを考慮すれば妥当なタイムだと思います。
白駒荘から10分ほど歩いて駐車場に戻りました。
朝小銭がなくて支払えなかった駐車場代を係りの方に支払い、身支度を整えて家路につきました。(帰りの運転は謎のハイテンションのおかげでノンストップで運転できました)
終わりに
天気の良い平日の静かな山をのんびり歩くことができたので、良いストレス発散になりました。にゅうの山頂や中山展望台からの眺めは素晴らしく、高見石小屋の揚げパンは絶品でした。
今回はチェーンスパイクを利用する可能性があると思い、一般的な登山靴にスーパーフィートのグリーンを入れて歩きましたが、インソールが原因なのか久しぶりに土の登山道を歩いたからか分かりませんが、右足の足底腱膜炎の症状が再び出てしまいました。(症状は軽めですが左足にも!)
もしかしたら正月から痛めていた足の原因はスーパーフィートのグリーンかもしれません…。
この辺りについては別のインソールを試して結論を出したいと思います。
今回の登山の様子をYouTubeに公開しました。