前回までのあらすじ。
裏銀座縦走3日目。
撤収・出発
4時前に起床しテントを撤収。
今朝もテントのフライシートは結露でびっしょり濡れていた。もうこの現象はこの時期避けることはできないようだ。
準備を整え5時に出発。
体はまあまあ動くが、これまで体に蓄積した疲れは殆ど取れていない。テントでじっくり体を休めても、ドラクエで言う所のホイミ程度の回復にしかならないようだ。
まずは三俣山荘のテント場から三俣蓮華岳のピークを目指す。
テント場の少し上にはまだ雪が残っているが、踏み跡がついているため、トレイルランのシューズでも特に問題はなかった。
三俣蓮華岳
写真中央の山のてっぺんが三俣蓮華岳山頂。
山頂直下まではなだらかな登山道で、左にぐるりと巻いて歩いた先に分岐があり、そこから山頂へ向かう。
山頂に到着。
今朝も雲ひとつない快晴!
黒部五郎岳。
笠ヶ岳。
双六岳、槍ヶ岳方面もばっちり。
迷う
この日は裏銀座縦走のルートから少し外れて黒部五郎岳に寄り道する予定。
現在地の三俣蓮華岳から黒部五郎岳方面にいったん下り、山小屋のある黒部五郎小舎で休憩し、小屋に荷物をデポし黒部五郎岳に登り、再びこの三俣蓮華岳に登り返し、双六小屋まで移動する計画だった。
しかし、ここにきて自分の立てた計画が本当に実行できるのか心配になってきた。
疲労はどんどん蓄積されているし、今後の行程を考えると、ここから黒部五郎岳をピストンしたうえに双六小屋まで移動するのは難しい気がする・・・。
ただ、時刻はまだ朝。
黒部五郎岳に行かずにこのまま双六小屋に向かうと時間が大幅に余ってしまう。三俣蓮華岳山頂の分岐で、この日の計画をそのまま実行するか否かでしばし迷った。
まあいいや。
予定通りに歩く自信はないけれど、とりあえず黒部五郎小舎まで行ってから考えよう。何の結論を出さないまま黒部五郎岳方面に向かい三俣蓮華岳を下ることにした。
とりあえず黒部五郎岳方面へ
とにかく下って下って・・・。
ガンガン下って黒部五郎小舎に到着。
時刻はまだ7時30分。
ここから黒部五郎岳は往復で4時間くらいかかる。
少し休憩して8時に出発したとすると、小屋に戻ってくるのが12時。そこから再び三俣蓮華岳を登り、分岐から双六岳方面に移動することを考えると、何とかなりそうだけど結構大変な気がする。
ただ、ここまで来て黒部五郎岳に行かずにそのまま三俣蓮華岳に登り返すのも一体何をしに来たんだという話だし・・・。
さてどうしよう。
計画変更
黒部五郎小舎の前のベンチでひとり頭を悩ませていると、今回の裏銀座縦走を計画する際に参考にさせてもらったJUN OSONさんのブログの記事を思い出した。確か黒部五郎小舎にテント泊した翌日に西鎌尾根を通って槍ヶ岳山荘まで1日で歩いていたような・・・。
携帯電話の電波は圏外でブログの記事は確認できなかったが、山と高原地図でコースタイムを計算してみると、何とかなりそうな雰囲気。
よし、今日はとりあえずここから黒部五郎岳をピストンし、黒部五郎小舎にテント泊することにして、翌日は早めに出発して槍ヶ岳山荘へ向かおう!
もし予定よりも早い時間で戻ってこれればまたその時考えよう。
黒部五郎岳へ
朝っぱらからテント泊の申し込みをするのもアレなんで、とりあえず小屋に荷物を置かせてもらい、必要最低限のものをサコッシュに詰め込んで、黒部五郎岳に向けて出発した。
三俣蓮華岳から黒部五郎小舎までの下りでの体力消耗が著しく足取りは重い。
そして暑い!
樹林帯を歩いたり、大きな石がゴロゴロした場所を歩いたり、小さい沢を渡渉したり、少しずつ先へ進んでいくとあるところで目の前の景色がパッと広がった。
五郎のカール
僕は今回の旅で、裏銀座縦走のルートからは少し外れてしまうが、黒部五郎岳の五郎のカールはだけはどうしても見たいと思っていた。
涸沢のカールも素晴らしいが、ゴツゴツした岩と緑の織り混ざった山肌は涸沢とは違った美しさがあった。
五郎のカールまでは比較的なだらかな登山道だが、ここから先の山頂に向かうための登りは結構急登。
まあ空荷に近い状態だし弱音なんて吐いてられないとサクサク登り山頂へ。
10:00 黒部五郎岳(2840m)登頂!
山頂からは来た道が一望することができた。眼下には黒部のカールが広がり、写真中央右少し奥に黒部五郎小舎が見える。
ゴール地点の槍ヶ岳からはだいぶ遠ざかってしまったが、頑張って登ってきた甲斐のある素晴らしい景色だった。
山頂で少し休憩したのちに来た道を戻る。
12:00 小屋に戻ると、黒部五郎小舎は結構賑やかになっていた。
これ以上歩きたくないなと思った僕は、当初の予定通り黒部五郎小舎のテント場で宿泊することに決めた。
とりあえず、腹ペコだった僕はテント場の申し込みをする前に、小屋でカレーライスを注文した。ご飯たっぷり、ルーたっぷりのボリュームのあるカレーライスで味、量ともに満足のいく内容だった。
腹が満たされた僕は受付を済ませてテント場へ移動した。
テント設営
テント場は選びたい放題の状態。
テント場の水場が枯れてしまっていたため、小屋に近い場所に設営した。
写真には写っていないが、どこのテント場でも僕のステラリッジ2型は虫に大人気。同じテントの方もこれまで何度か目にしていたけど、なぜ僕のテントばかり虫がたかるのか?
テント設営後は、小屋に行ってビールを買って飲んだり、テント場に戻ってぼけーっとしたり、長い午後の時間をのんびりとすごした。
ちょっと行動時間が短い気もするけど、明日の最終日に向けて英気を養うためということにしておこう。ただちょっと小屋価格の飲食にお金を使いすぎたかも・・・。
明日はいよいよ槍ヶ岳へ向かう。
夕方少し早めの晩御飯を食べ、少し早めに眠ることにした。
つづく。