はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

秋の剱岳テント泊登山 1日目 「室堂から剱沢キャンプ場へ」

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9月下旬に北アルプスの剱岳にテント泊で登ってきました。

緊急事態宣言下ではありましたが、新型コロナウイルスの感染者数が宣言発令前の水準に落ち着いてきていたので、感染対策に気を付けつつ現地まで移動しました。

また、9月上旬にぎっくり腰になり体調が本調子ではなかったので、天気と腰の様子を見ながら無理のない登山を行うように心がけました。

そんなわけで無事に生還したので写真と共に登頂の記録をお届けしたいと思います。今回は1日目、自宅から剱沢キャンプ場まで延々と移動する内容になっています。

公共交通機関で扇沢駅へ

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テント泊で剱岳に登るには、前日までに室堂から雷鳥沢を越えたところにある剱沢キャンプ場まで移動しなければなりません。

毎日あるぺん号を使えば朝7時くらいに室堂に到着することができますし、アルピコ交通の夜行バスを使えば始発前の扇沢駅まで移動することができるのですが、感染者数が減ってきたとはいえ不特定多数の登山者が乗ったバスに夜通し乗るのは嫌だなと思い、1日目は移動日と割り切って電車とバスを利用して移動することにしました。

東京駅で新幹線に乗り換え、JR長野駅からアルピコ交通のバスに乗り換えて扇沢駅に向かいます。早朝の新幹線内はガラガラで快適でしたが、長野駅から出ている扇沢行のバス乗り場は混雑していました。

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長野駅東口を左に下りて25番乗り場に移動すると、登山や観光目的の人たちが既に並んでいて、乗車しているところでした。

バスの中を見てみるとすでに結構な人が乗っていて、乗れるかどうか心配になってきたタイミングで「これ以上は乗れません」というアナウンスが…。

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しかしバスはもう1台手配されていたようで、後続のバスに難なく乗ることができました。2台目のバスは満車にはならず客同士の距離がある程度保たれていて結果オーライでした。

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車窓からは北アルプスの山々が見えました。

山の周辺に雲が目立ちますが、天気もまずまずな感じで気持ちが高まります。

立山黒部アルペンルートの各種乗り物を乗り継いで室堂へ

扇沢駅からは、関電トンネル電気バス、黒部ケーブルカー、立山ロープウェイ、立山トンネルトロリーバスを乗り継いで室堂に向かいます。

何度も利用していると乗り換えが面倒に感じますが、それぞれの乗り物で流れる音声案内や映像を観光目線になって見聞きしていると結構楽しめます。

関電トンネル電気バス

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長野駅から扇沢に向かうバスの到着予定時刻が午前10時なので、通常は10時30分発の扇沢発の関電トンネル電気バスに乗車しますが、この日は9時50分くらいに扇沢に到着したので、10時発のバスに滑り込みで乗車することができました。

30分早く出発できたことで室堂に到着する時刻がぐんと早まります。

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黒部ダムからはケーブルカー駅の黒部湖までダム堰堤の上を歩いて移動します。

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空は晴れてはいますが雲が多く、上空でキュルキュルと聞いたことのない風の音が鳴り響いていました。

黒部ケーブルカー

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扇沢駅からはバスが3台出ていたはずですが、黒部湖からのケーブルカーは結構空いていました。黒部ダムをじっくり見物してから室堂に向かう方が多かったのかもしれません。

ケーブルカーは立山ロープウェイの乗り場である黒部平へ向かいます。

立山ロープウェイ

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ロープウェイの時刻まで少し余裕があったので、景色を眺めに展望台に出てみました。立山の反対側は青空が出ていますが、これから向かう先は雲でどんよりしています。

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時間が来たのでロープウェイに乗って大観峰に向かいます。

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この辺りの紅葉はまだまだこれからですね。

立山トンネルトロリーバス

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大観峰からは最後の乗り物である立山トンネルトロリーバスに乗ります。

ここまで薄手の長袖で耐えてきましたがバックパックからシェルを出して羽織りました。

室堂から剱沢キャンプ場へ

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室堂に到着しました。

移動に結構な時間を要しましたが、登山者にとってはここがスタート地点。

天気は予想通り、というか途中からずっと見えていましたが、ご覧の通りどんよりした雲が空を覆っています。

写真では伝わりませんが、風もそこそこ吹いており肌寒いです。

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スマートフォンアプリの山と高原地図、YAMAPの記録を開始させて1日目の目的地である剱沢キャンプ場を目指します。

雷鳥沢キャンプ場

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雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。

周囲はすっかり秋の装いです。

雷鳥坂を行く

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雷鳥沢キャンプ場を通過して沢を渡り、雷鳥坂を上ります。大日岳方面から少し遠回りに登ることもできますが、天気が微妙なので最短で剱沢キャンプ場に向かうことにしました。

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ゾンビのように行軍する登山者に交じり、少しずつ標高を上げていきます。

剱御前小舎の直下くらいまで来たところで周囲はガスに包まれてしまいました。

剱御前小舎

剱御前小舎まで登ればあとは剱沢キャンプ場までは下るのみです。

余力は十分ですし眺望はありませんし、ここに留まる理由はありません。剱御前小舎をスルーして剱沢キャンプ場に向かいます。

剱御前小舎を越えた剱沢側も風が強く、時折体がよろけるほどの風が襲い掛かってきます。不安定な体勢で風に吹かれると転倒してしまう可能性もあるので、足元に注意しながら慎重に歩きました。

爆風の剱沢キャンプ場

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剱沢キャンプ場に到着しました。

まずはテントの設営のための場所の確保です。

テント場一帯に強風が吹き荒れていたので、風除けになりそうな場所を探しますが、良さそうなところは既に取られていました。

とりあえず平らで風向きが少し変われば風よけになりそうな岩がある場所に設営することにしたのですが…。

初投入のクロスオーバードームが設営中に破れる

今回持って来たのはヘリテイジのクロスオーバードームで、2本のポールをスリーブに通して設営するシンプルなテント型のシェルターです。

非常に簡単に設営できるテントではありますが、テント場に吹き荒れる強風にあおられて設営が難航しました。

本体のスリーブにポールを入れて立てようとすると強風にあおられて吹っ飛ばされそうになります。そして何度も風に煽られているうちにテントのポールがスリーブを破いて突き抜けてしまいました。

幸い設営には問題ない破損なので、その後も風に煽られながらチャレンジを続けた結果、なんとか設営して地面に固定することができました。

すぐさま荷物をテント内に放り込み、仮留めしてあった張り綱を入念に固定しました。

眠れぬ夜

意図せぬ惨劇はありましたが、とりあえずテントが設営できたので中に入って一息入れることにしました。

テントの中で横になって今日のこと、明日のことなどを地図を見ながら検討しますが、僕の思考を妨害するかのごとく凄まじい風がテントを揺らします。

風は収まるどころか夜が更けていくにつれ強くなっていきました。

何時頃かは失念しましたが、突風がテントに襲い掛かった瞬間にテントのポールが逆向きにしなって僕の顔面を強打し、そのタイミングでしなったポールの側に張ってあった張り綱が千切れてしまいました。

一番風の影響を受ける部分だったので、テントの外に出て切れた張り綱を応急処置で結び、より大きな岩で再度固定しました。

張り綱切断の恐怖を植え付けられた僕は、遠くから強風がやってくる気配を感じるたびにテントを内側から手や体を使って支える作業を延々と続けるのでした…。

つづく。

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