はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

「快晴の唐松岳と山頂からの絶景」唐松・五竜テント泊縦走登山 1日目

2022年10月15~16日の土日で北アルプスの唐松岳と五竜岳をテント泊縦走登山で歩いてきました。

2日間通して安定した天候が続き、夜もそれほど冷え込まず、そしてどちらのピークでも素晴らしい景色を堪能することができ、終始楽しい山歩きができました。

今回の記事は1日目の唐松岳までの行程になります。

毎日あるぺん号で白馬八方へ

仕事を終えた夜、事前にパッキングしておいたバックパックを背負い、夜行バスの毎日あるぺん号に乗るために東西線の竹橋駅に向かいます。

出発時間の少し前に竹橋の毎日新聞社に到着。

バスに乗り換えて現地に向かいます。

暗闇の白馬八方

毎日あるぺん号を前回利用した時は、七倉山荘に向かう途中でバスが故障して立ち往生するという珍しい体験をしましたが、今回はそういったトラブルもなく予定通りに目的地の八方インフォメーションセンター前の駐車場に到着しました。

ここからゴンドラ乗り場の八方駅までは徒歩で10分程度ですが、時刻はまだ午前4時38分で周囲は真っ暗です。

これといった目立った案内もないので、Googleマップのナビゲーションに従って現地に向かいました。

八方駅は6年前に車で来たことがあり、少し離れた駐車場から歩いて移動したので、途中から「ああ、こんな感じのところを歩いたな…」という記憶が蘇ってきました。

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そんなわけで午前5時前に八方駅に到着しました。

ゴンドラの営業開始時間が午前7時30分なので、2時間30分もの待ち時間があります。

ヘッドライトの灯りを頼りにチケット売り場の並び位置を確認し、とりあえずバックパックを置いて場所を確保しました。グループ登山なら誰かに並んでおいてもらって場所を確保しておくことができますが、ソロの場合は自分以外の分身代わりになるものを置いておかないと何かあっても(といってもトイレに行く程度ですが)その場を離れられないんですよね。

バスを降りてここまで歩いてきた段階ではそれほど感じませんでしたが、体を動かさずにしばらく立ち止まっていると、ベースレイヤーにシェル1枚では肌寒く、思わず自動販売機の暖かいコーヒーを買ってしまいました。

そんなわけでチケット売り場前でネットやTwitterを見て時間を潰しているうちに午前7時のチケット販売開始時間になりました。ガラガラだった駐車場もじわじわと埋まり、僕の後続には大勢の登山者たちが列をなしていました。

ここ八方駅から登山の開始地点までのゴンドラとリフト2本を「八方アルペンライン」と言うらしく、料金は片道で1,800円、往復で3,200円になります。

僕は1日目は唐松岳頂上山荘にテント泊して、2日目は五竜岳に登って遠見尾根から下山する予定なので、1,800円の片道料金を支払いました。

ゴンドラとリフトを乗り継いで出発地点に向かう

チケット販売が午前7時からで、ゴンドラの運行開始が午前7時30分からなので、チケットを購入した後はゴンドラ乗り場の建物の手前まで移動して再び並びます。

夜明け前に到着して1番最初にチケットを購入した僕ですが、ゴンドラ乗り場の列には前から7番目くらいになりました。どうやらチケットを早く買うよりも、ゴンドラ乗り場の入口に荷物を置くか誰かを並ばせておく必要があるようです。

…というわけでゴンドラに乗って、リフトに乗り換えて、

さらにリフトに乗って標高を上げていきます。

紅葉の色付きはもうだいぶ麓のあたりまで来ていますね。

登山スタート

ゴンドラとリフトを乗り継いでやってきた八方池山荘が唐松岳登山のスタート地点になります。

午前8時5分。

トイレと準備運動を済ませてようやく登山スタートです。

出発地点からいきなり「登山道コース」と「木道コース」の分岐が現れます。何となく木道のほうが景色が良さそうな気がしたので木道コースから登ることにしました。

木道を歩きながら左に目をやると五竜岳と鹿島槍ヶ岳が目に飛び込んできます。

リフトに乗っているあたりから見えてはいましたが、この辺りまで来るとそれぞれの存在感がより増してきます。

八方池山荘から八方池まではハイキングコースとして登山者ではない方々も登ってきますが、この景色を一般の方々も気軽に楽しめるってなかなか贅沢ですよね。

空はうろこ状の雲が広がっていて、ゆっくりと動いています。

天候が急変する雲だなんて言われたりもするようですが果たして…。

右手には白馬三山がよく見えます。

八方尾根は久しぶりに歩きますが、ゴンドラとリフトでサクッと来れて素晴らしい景色が楽しめる素晴らしいコースだと改めて思いました。

八方池のリフレクション

そんなわけで、あっという間に八方池に到着しました。

白馬三山のリフレクションが素晴らしい!

お連れのいる方は絶好の記念撮影ポイントなので撮影をお忘れなく。

ズームレンズがあれば池のリフレクション以外にもバックに白馬三山をドンとフレーミングした写真が撮れそうです。

ゴンドラ・リフトの移動を終えて歩き出してから1時間経たずにこの景色ですから最高としか言いようがないですね。

紅葉の登山道

八方池のベンチに腰を下ろして前夜に買っておいたおにぎりを食べて小休止。

空を覆っていた雲もだいぶ取れてきました。

八方池から先は見晴らしの良い稜線歩き。

少し歩いて行くと綺麗に紅葉した木々に囲まれた登山道に入ります。

北アルプスは9月下旬から10月頭くらいまでがピークだと思っていましたが、今年は紅葉が遅いのかまだまだ綺麗な状態でした。

その後、少し歩いた先の扇雪渓で小休止。

買ってきた最後のおにぎり(3個目)を食べて出発しました。

絶景の稜線歩き

扇雪渓から少し登っていくと丸山ケルンに到着します。

ここまで登って来れば唐松岳頂上山荘までもう一息、ではないとしても…

こんな景色が四方八方にあったら…

楽しくて仕方がないですよね。

疲れはまったくありませんが、周囲の絶景が僕を足止めしてきます。

天気も良く、風もなく暖かく、そして周囲は絶景。

北アルプスの秋は間もなく終わりますが、このような天気の日に山歩きが出来て本当に良かった。

巻き道が崩落していた

そろそろ唐松岳頂上山荘に着くかな?という辺りで山小屋方面にトラバースしていく巻き道が崩落して通行止めになっていました。

巻いて行けばあっという間の場所だったと記憶していますが、通れないものは仕方がありません。巻かずに登っていくルートは少々面倒ですが、天気が良く眺めが良いのでさほど苦になりません。

そもそも今日はそんなに歩いてないですからね。

唐松岳頂上山荘に到着

登り切ったところから階段を下り、唐松岳頂上山荘に到着しました。

時刻は午前10時56分。

テント場の受付が午前11時からで、先にテントを設営して構わないとのことだったので、受付の前に設営場所を確保することにしました。

唐松岳に空身でピストンして、そこから五竜山荘に向うことも時間的には可能ですが、五竜山荘のテント場は予約の激戦区で思いつきで気軽に泊まれる場所ではありません。

「休みが取れたから五竜山荘にでも泊まろうかな」という僕のような計画性のない人間には余程の運が無い限りは予約することができない場所なのです。

そんなわけで、昼前という日帰りできてしまう微妙な時間帯ではありますが、五竜山荘には泊まれないので、唐松岳頂上山荘のテント場に本日の宿を設営します。(唐松岳頂上山荘のテント場も予約制で五竜山荘ほどではないですが予約は取りづらいです)

唐松岳のテント場は切れ落ちた急斜面に点在しており、到着が遅れて場所取りに敗れるとかなり下ったところに設営する羽目になり地獄を見ます。

というのも唐松岳頂上山荘のテント場は小屋のトイレを利用する決まりになっているため、少しでも小屋に近いところにテントを張らないと、もよおした段階でジ・エンドとなります。

小なら最悪なんとかなりますが大だと…。

テントを設営して唐松岳の山頂へ

今回は出発してから3時間弱の午前11時前に到着しているので、テント場は選り取り見取りのはず…でしたが、小屋から少し下った僕が最も良いと思っている設営ポイント(前にテント泊した時に設営した場所)がすでにとられていました。

その場所は普通のテントなら2張りはできるスペースが2つ連なったような場所なんですが、そこのど真ん中にそれぞれ1張りずつ設営されていました。

混雑する可能性の高い週末にこの張り方はないだろうと思いましたが、あれこれ言って揉めるのも嫌なので、次のポイントを探すことにしました。

そこからもう少し下ったところに良い場所があったのでクロスオーバードームを設営し、必要な物を持って小屋まで登り返して受付の前に先に唐松岳の山頂に向かうことにしました。

…というわけであっという間に唐松岳の山頂に到着しました。

唐松岳頂上山荘から唐松岳の山頂まではコースタイム20分程度。

お散歩感覚で登ることができます。

大天井岳よりも長く、燕岳よりも短い…そんな感じのピークハントですね。

山頂は大勢の登山者で賑わっていました。

五竜岳の存在感!

唐松岳頂上山荘の先にも雲海が広がっていました。

先ほどテント場の話をしましたが、小屋から下にジグザグに伸びているのがテント場とその通路です。

剱岳・立山もよく見えます。

雲の海の上に伸びる天空の縦走路。

体が元気なうちに不帰嶮から白馬三山を縦走したいです。

その後も登山者は入れ代わり立ち代わりやってきて、山頂からの絶景を楽しんでいました。

山頂ではYouTube動画用…というか自分で見て楽しむ用でもありますが、何カットかタイムラプスを撮りました。

こういう雲の日は撮らないわけにはいかないですよね。

灼熱のテント場

山頂での景色を十分に楽しんだので、唐松岳頂上山荘に戻ってテント場の受付を済ませました。戻る途中で設営スペースを贅沢に使っていた場所をチェックしてみたら、テントが2張りほど増えていました。

まあそうなりますよね。

テントにって昼食を食べます。

常温保存可能なうどん。

前に試した別の商品は麺が粉っぽくてあまり美味しくなかったのですが、今回の商品はスーパーでたまたま見かけたもの。

簡単に作れてまずまずの食感でスープも次第点でした。

こんなに晴れて暑くなるとは思わず、じりじりと太陽に照らされて汗をかきながらうどんを食べました。

そしてビール。

疲労困憊になる登山だとビールは飲む気すらしませんが、今日は行動時間が異常に短いこともあって体が酒を受け入れられる状態でした。

食後はテントで寝ようとしますが暑すぎるので、外に出たり入ったりを繰り返して体温を調整していました。

絶景のテント場

狙っていた場所にはテントを張ることができませんでしたが、ここはここで最高なんじゃないかと思えてくる景色です。

テントから顔を出すだけで、五竜岳と唐松岳、そして剱・立山が一望できるってなかなかないですよね。

夕方になり日が傾いてきました。

時折ガスが上ってきてダメかな?と思う時間帯もありましたが大丈夫でした。

前回の槍ヶ岳登山に続いて最高の夕方+雲海頂きました。

風はほとんどなく、静かに美しく日が暮れていきます。

いつもこうなら最高ですが、思うようにいかないのが登山と天気。

素晴らしい天気に感謝しつつ、沈んでいく夕日を眺めました。

就寝

日没後はカップヌードルのカレーを食べ、明日の行程を地図を見ながら検討しました。

今日は唐松岳頂上山荘までの3時間弱の登り、そして空身で往復35分のピークハントという非常に緩い行程だったので体力は十分残っていますし、疲労感もそれほどありません。

絶景を十分に堪能できたので、明日はこのまま下山してもいいような気もしますが、せっかくここまで来たので翌朝の天気を見てどうするか決めることにしました。

この日の夜は10月10日の満月から5日目ということで、まだまだ月明かりが強く星はあまり見えませんでした。

谷底からの風もそれほど強くはなく、気温はテント内で3~5度くらいで極寒…というような寒さにはなりませんでした。

続く。

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