はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

夏の北アルプス・パノラマ銀座テント泊:1日目「燕岳と大天井岳の山頂をスルーして常念小屋へ」

7月16~17日の2日間で北アルプスのパノラマ銀座をテント泊で縦走してきました。

ざっくりとした計画は以下の通りです。

  • 土曜日の夜にアルピコ交通の夜行バスで穂高駅まで移動
  • 穂高駅から中房線乗合バスに乗り換える
  • 中房温泉登山口から常念小屋へ(無理なら大天荘でテント泊して来た道を戻る)
  • 常念小屋まで行けたら翌日に常念岳・蝶ヶ岳に登り上高地に下山
  • 松本駅まで移動して特急あずさで家に帰る

マイカー登山の場合は疲れ切った3連休最終日に「中央自動車道の渋滞」という地獄が待っていますが、公共交通機関勢は電車の予約さえ取れてしまえばこっちのもの。

ビールを飲みながら優雅に帰ることができます。

…というわけで今回は1日目の様子をまとめました。

新宿発の夜行バスで安曇野穂高へ

スタート地点の中房温泉に行くには、毎日あるぺん号で中房温泉登山口まで直行するか、アルピコ交通の扇沢行のバスに乗り穂高駅で下車、そこから中房線乗合バスに乗り換えて登山口まで移動するかのいずれか。(だったはず)

僕は以前に毎日あるぺん号を使った時に、東京の竹橋から激狭マイクロバスに乗せられて地獄を見たので、中房温泉登山口に行く場合はアルピコ交通一択です。

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上の写真は2019年に燕岳に登った時のマイクロバス。

通常は一回り大きい小型バスが配車されるようですが、この時は通常のバスに乗せきれない端数の帳尻合わせに小型のバスが手配され、まんまとハズレくじを引いてしまいました。

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マイクロバスでの長距離移動は地獄です。

後輪タイヤハウスの真上の座席でまともに座ることができなかったので、許可を得て空席だった左隣の通路側に移動しました。

今回乗ったアルピコ交通のバスは、座席ごとにコンセントがついていて車輛後部にトイレも完備しているので非常に快適でした。

衝撃の穂高駅

中房線乗合バスの始発(臨時便)が4時40分で、夜行バスはそれよりも早い時間に到着しました。これなら余裕を持って乗り場に移動できるな…とバスの停車場所から穂高駅に歩いて行くと登山者が行列を作っていました。

何年か前の7月下旬に表銀座を縦走した時は、同じ時間帯に到着してバス乗り場の先頭に並ぶことができましたが、今回はご覧の通りかなり厳しそうです。(写真は1台目のマイクロバスに登山者が乗り切ったあとの状態です)

バスにはなんとか乗れましたが、車内で運転手が無線でやり取りしているのを耳にしたところ、途中の停留所で待っている登山者が結構いるものの、どのバスも満車で拾えない…みたいなやり取りをしていました。

中房温泉登山口には穂高駅を出発したマイクロバスご一行に加えて、毎日あるぺん号、マイカー登山の方々などが集結します。

「いったい何人の登山者が中房温泉をスタートするんだ!?」と登山口に着く前から今日のテント場の空きスペースが心配になってきました。

中房温泉を出発

そんなわけで中房温泉登山口に到着しました。

とんでもない混雑を予想していましたが、到着した方々が順次出発しているのか、そこまで混んでいるようには見えませんでした。

5:50

トイレと準備運動を済ませて急いで出発します。

第1ベンチ、第2ベンチとスルーして第3ベンチで小休止。

出発時に飲むのを忘れたアミノショットとスポーツようかんを食べました。

富士見ベンチをスルーして合戦小屋で再び休憩。

小屋でコーラを購入して、持ってきた柿の種を食べながらしばらく休みました。

テント泊装備での北アルプス登山は昨年の10月以来ですが、日々のランニングによる減量と心肺機能向上のおかげか、ここまで良い感じのペースで歩くことができています。

合戦小屋を越えてしまえば燕山荘までは楽勝です。

森林限界を超えたところで風が強くなってきたので、山と道のULシャツを羽織り、バックパックからミラーレス一眼を出しました。

合戦小屋あたりまで来たところで分かってはいましたが、今日は青空のもと景色を楽しむことは難しそうです。

燕山荘に到着

8:40

燕山荘に到着しました。

残念ながら槍ヶ岳は雲の中。

燕岳は雲の切れ間の青空とともに撮影することができましたが、山頂からの景色は今ここから見えているものとさほど変わらないはず…ということで何度も登っている燕岳はスルーして先を急ぐことにしました。

燕山荘に到着したらテント場に新しくできたトイレを見物するつもりでしたが忘れてしまいました。

大天荘へ

北アルプスの景色が楽しめないのであれば移動に徹するのみ!今日は単なる移動日だ…と気持ちを切り替えて黙々と歩きます。

花崗岩の斜面につけられた登山道の両脇には高山植物の女王ことコマクサが花を咲かせていました。綺麗に咲いたピンク色の花が風に吹かれて揺れていました。

疲れてうつむいた時にふと目に入る花たちには癒されます。

大下りの頭を降りて少し歩いたところで異常な数のトンボが飛びまくっていました。

大天井岳にだいぶ近づいてきました。

分岐から大天荘へ

アップダウンの稜線を越え、大天荘の分岐まで来れば山小屋はもうすぐです。

以前に表銀座を縦走した時は大天荘への最後の登りでヘロヘロになっていましたが、今回はまだまだ余力十分といった感じでした。

途中で咲いていたチングルマ。

大天荘で休憩

11:06

来た道を振り返りながらゆっくり登って大天荘に到着。

道中で槍ヶ岳方面の雲が取れれば大天井岳に登ろうと思っていましたが、大天荘に到着した段階でも槍の穂先は雲の中。

ここまで散々見てきた曇りがかった景色をわざわざ山頂に登って見る必要性を感じなかったので燕岳と同様に大天井岳の山頂もスルーすることにしました。

大天荘ではCCレモンとinゼリーを購入。

小屋の前のベンチに座り、賑わうテント場を眺めながら休憩しました。

常念小屋へ

15分ほど休憩して大天荘を出発しました。

もし大天荘まで来た段階で体力的に厳しかった場合はパノラマ銀座縦走は諦めて、ここでテント泊をして翌日来た道を帰るつもりでしたが、余力が十分にありまだまだ動けそうだったので常念小屋を目指すことにしました。

大天荘から常念小屋の区間は未体験ゾーン。

東大天井岳はパスして横通岳の山頂へ

大天荘から先は険しい登りもなく、緩やかな登山道が続きます。

槍ヶ岳方面は残念ながら雲の中ですが、常念岳周辺は雲は多めではあるものの青空がのぞいていて良い感じです。

パノラマ銀座、いいですね。

今日の目的地である常念小屋は常念岳の手前の鞍部に位置しており、ここから横通岳のピークを越えていくか文字通り「横を通っていく(トラバースする)」かを選ぶことができます。

天気も天気なのでこのまま常念小屋へ…と思いましたが、時間・体力ともにまだ余裕があったので登って見ることにしました。

途中で踏み跡を見失いましたが、迷うような場所ではなかったので、そのまま山頂と思われる方向に進んで登山道に復帰し、無事に到着しました。

横通岳の山頂からは今日歩いてきた稜線がよく見えました。

常念小屋が見えてきた

とりあえず本日最初で最後の山頂を踏めたので、あとは常念小屋に向かうのみ。

小屋の奥にそびえ立つ常念岳の存在感が凄かったです。

カメラのズームでテント場を確認してみたところ、既に張る場所がなさそうな予感…。

横通岳から下る途中ですれ違った登山者の方にテント場の様子を伺ったところ、かなり埋まっているとのことだったので急いで下りてきましたがこれはなかなか…。

常念小屋テント場での絶望

13:30

常念小屋に到着しました。

途中でテント場がよく見えていたので、設営する場所が殆ど残っていないのは覚悟していましたが、普通に張れるところは既に残っていませんでした。

テント場とそうでない場所を区切る柵の内側ギリギリの石だらけの少し斜めの場所に無理やりテントを設営して急いで常念小屋へ。

常念小屋で散財

小屋に入ってメニューを見てみると、予想していた通り食事のオーダーが14時までになっていました。

時刻は13時57分。

申し訳なさそうに「まだ間に合いますか?」と聞いてみると、まだいけるとのことだったので、生ビールとカレーライスを注文しました。

各1,000円。

そしてチョコジャンボモナカとハーゲンダッツが売っているのを知り、ハーゲンダッツのストロベリー味を購入…。

その後はコーラ500円、お茶500円、水2リットル400円など、財布の中の金が常念小屋に吸い込まれていきました。

就寝までのひと時

食後に小屋の外に出てみると槍ヶ岳が顔を出していましたが、あっという間に雲に覆われてしまい、見えたのは一瞬だけでした。

一息ついた後はテントで眠りたかったのですが、まだまだ日差しが強くサウナ状態だったので、小屋の前をウロウロ歩いたり、丁度良さげな石の上に腰をかけて景色を眺めたりして時間を潰しました。

その後も登山者は続々とやってきて、テント場の外にテントが広がっていきました。

無理やり柵の中に張るよりも少し待って平らな場所に設営したほうが良かったかもしれません。

今日は昼過ぎや夕方あたりに雨が降る予報だったので、軽くてコンパクトなクロスオーバードームではなく、安心して使えるダブルウォールのオニドーム1を持ってきました。

しかし雨は夕方に一瞬パラついた程度で本降りには至らずすぐにやみました。

日没少し前に尾西の白飯に無印良品の麻婆豆腐をぶっこんで食べ、翌日に飲む用のお茶を山小屋で買ってきました。

そんなこんなで日は暮れていき1日目が無事に終わりました。

中房温泉から常念小屋まで1日で移動できるか若干の不安はありましたが、序盤から体が動いて良い感じに歩き切ることができました。

明日は快晴の予報。

これぞ夏山!という景色が楽しめそうです。

つづく。

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