はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

裏銀座縦走 テント泊登山1日目「烏帽子小屋テント場ですごす雨の午後」

2023年8月23日~26日で北アルプスの裏銀座を縦走してきました。

北アルプスの裏銀座は、ブナ立尾根登山口から、烏帽子岳・野口五郎岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・双六岳を経て西鎌尾根をから槍ヶ岳に向かう縦走路で、僕は過去に、登山を始めて3年目(2015年7月)の夏休みに、5年前の8月に槍ヶ岳まで行かずに双六小屋から新穂高温泉に途中下山…といった具合で2回ほど歩いています。

裏銀座縦走についての詳細は以前記事にまとめましたので、興味のある方はご覧ください。

www.haradesugi.com

当初はブナ立尾根から入って三俣山荘から薬師岳方面に進む予定でしたが、僕が取得した夏休みの期間中はいずれも午後から天気が崩れるという予報になっていました。

行動時間が長くなる可能性の高い薬師峠から五色ヶ原の区間で、雨や雷に見舞われるリスクにさらされるのは嫌だな…と思い、行動中に直近の天気予報を確認しながら行けそうなら行く、厳しそうなら別のルートで…という感じで現地に入りました。

…というわけで結果的に薬師岳方面を諦めて、裏銀座を縦走することになるわけですが、これはこれでなかなか楽しい旅になりました。

8月22日の夜に毎日あるぺん号に乗車すべく東京の竹橋駅に向かいました。

週末であればバスの乗車受付である毎日新聞社ビルの1階は登山者で混雑しますが、平日ということもあって閑散としていました。

予約していた白馬方面行のバスも申込みが少なかったようで、4列シートの2座席に1名がそれぞれ座るといった具合で非常に快適でした。

バスは順調に走り、4時前に七倉山荘に到着しました。

以前に同じ区間のバスに乗った時に、七倉山荘手前でバスが故障して立ち往生してしまうという、なかなかレアな体験をしたことがありますが、今回は無事に目的地に到着することができました。

七倉山荘からブナ立尾根登山口へ

裏銀座縦走のスタート地点はブナ立尾根登山口ですが、バスを降りた七倉山荘からは結構な距離があり、移動手段は歩きかタクシーの二択。

タクシーを利用した場合は登山口手前の高瀬ダムまで移動することができるのですが、通行できる時間が決まっていて、朝5時にならないと七倉山荘前のゲートが開きません。(今年から5時に時間が早まりました)

少しでも早く出発して先へ進みたい方は歩いて登山口に向かうようですが、僕の場合は初日は烏帽子小屋でテント泊予定で、そこまで急ぐ必要がないのでタクシーを利用しました。

同じバスに乗ってこられた方と相乗りする交渉をして、タクシーがやってくるのを待ちましたが、乗り場のベンチに「〇〇様 11名」と書かれた七倉山荘利用者の順番待ちの荷物が置かれているのに気が付きました。

どうやら先にこの方々がタクシーに乗るようです。

5時少し前にタクシーが2台、少し遅れてもう1台やってきました。

1台のタクシーに乗ることができるのは4名まで。したがって最初に来たタクシーには七倉山荘利用者の11名と、順番待ちにあぶれた1名が乗車。

僕たちは戻ってきたタクシーに乗って高瀬ダムまで移動しました。

5:30

先客?の11名のせいで出発が遅くなりましたが、これまでよりも早く高瀬ダムに到着することができました。

タクシーを降りて身支度を整えたところでトンネルに向かいます。

トンネルを出て左手に進むと大きなつり橋があります。

そこから濁沢キャンプ場(現在使用禁止)を通過して、丸太橋を渡っていくと…

6:00

ブナ立尾根の登山口(北アルプス裏銀座登山口)に到着します。

ここからが裏銀座縦走のスタートです。

日本三大急登「ブナ立尾根」を登って烏帽子小屋へ

ブナ立尾根は日本三大急登のひとつですが、そこまで大変ではない…というのがこれまで3回登った僕の個人的な評価です。

とは言ってもそれなりには登ります。

登山道は迷いようのない1本道で、危険個所も特にありません。

所々に番号が記載された札が設置されています。

これは進むにつれて数字が少なくなっていくカウントダウン方式の番号になっており、現在の大まかな位置を把握することができます。(登山口が12番で烏帽子小屋が0番)

今回は七倉山荘到着直後にサービスエリアで買っておいたおにぎりを2個食べ、行動中は1時間おきに行動食を食べてエネルギー切れを起こさないように気を付けました。

特に飲めるようかん「ANDO」は1本100kcalでスルッと飲めるので、エネルギージェルのようなしつこさがなく補給しやすかったです。

出発してしばらくは青空が見えていましたが、この日は昼過ぎから雨の予報。

晴れているうちに烏帽子小屋にテントを張って、烏帽子岳に登れれば…と思っていましたが、空は徐々に白くなっていき…

1番の札に到着した段階で周囲はガスに包まれてしまいました。

烏帽子小屋に到着

9:21

…というわけで烏帽子小屋に到着しました。

今の体力なら9時前くらいに到着できるだろう…と思っていたのですが、序盤から滝汗状態で2回ほど腰を下ろして休憩してしまい、以前に登った時よりも少し遅い到着になってしまいました。

小屋の入口には野口五郎小屋の水販売の制限の張り紙がありました。

X(旧Twitter)では既に話題になっていますが、今年の北アルプスの山小屋はどこも水不足で大変なようです。

烏帽子小屋は通常通り水を販売していました。

テントを設営

まだ午前9時を回ったばかりですが、ここから先にある野口五郎小屋はテント場がありませんし、その先の三俣山荘まで行こうと思うと結構な距離を歩く必要があります。

昼過ぎから天気が崩れる可能性が高いので、無理はせず予定通り烏帽子小屋のテント場で1泊することにしました。

今回は毎日雨に降られる可能性が高い…ということで、オニドーム1を持ってきました。

軽さ重視ならクロスオーバードームですが、浸水の恐怖に毎日怯えるのは精神衛生上よろしくないので少々重量はありますがちょっとやそっとの雨風ではびくともしないオニドーム1を選びました。

割と早く到着したのでテント設営は一番乗りでした。

烏帽子小屋のテント場はとても綺麗に整備されていて、フラットな場所も多く非常に快適です。

烏帽子岳登頂を断念

小屋の前にはイワギキョウが群生していてとても綺麗です。

2015年の7月下旬に来た時はイワギキョウが満開で、コマクサもちらほらと咲いていたので、もう少し早い時期に来ればより綺麗なお花畑を見ることができると思います。

小屋の前からは赤牛岳がよく見えますが、ガスに覆われて見えなくなるのは時間の問題でした。

天気が良ければ烏帽子岳に登ろうと思っていましたが残念ながら周囲はガス。

何も見えない山頂に登っても意味がないと思い、烏帽子岳に登るのは諦めました。確か前回も同じ理由で登らなかったような…。

烏帽子小屋で暇つぶし

…というわけでテントを張った後は何もすることがないので、小屋で買ったビールと持ってきたオサカーナのチーズミックスで一息つきました。

昼過ぎから天気が崩れる

天気予報通り昼を過ぎたあたりからパラパラと雨が降り出し、降っては止んでを繰り返す残念な空模様になってしまいました。

携帯の電波はテント場と小屋の間にある展望台に行くと入るので、雨が止んだタイミングで今日以降の天気予報の情報をチェックしましたが、当初から言われている「朝晴れて昼以降崩れる」という連日の予報にあまり変化はなさそうでした。

そんなわけで朝9時過ぎに到着してテント場や小屋でダラダラと時間を潰していましたが、夕方あたりから雨足が強くなってきたのでテント内で早めの夕食を済ませて眠ることにしました。

今回の旅は早出早着をかなり意識して行動する必要がありそうです。

明日の朝は今日見えなかった景色が少しでも見えればいいのですが…。

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つづく。