はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

裏銀座縦走 テント泊登山2日目「野口五郎岳・鷲羽岳のピークを経て三俣山荘へ」

裏銀座縦走2日目。

昨日は烏帽子小屋に到着した段階で周囲はガスの中。

昼過ぎからは断続的に雨が降る下り坂の天気になり、景色を楽しめるような状況ではありませんでした。

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ネットで天気予報を確認したところ「午前中は晴れるが午後には崩れる」といった感じの天気が連日続くようだったので、とにもかくにも早出早着で目的地に向かうしかないな…といった状況のようです。

というわけで午前2時過ぎくらいからテントの中の片付けを始め、3時半過ぎに烏帽子小屋のテント場を出発しました。

烏帽子小屋のテント場を出発

烏帽子小屋のテント場を抜けて三ッ岳に向けて登っていきます。

日の出までしばらく時間があり、辺りはまだ真っ暗。ヘッドライトの灯りを頼りに標高を上げていきます。

今朝は朝食は摂らず、無印良品のバナナバウムを歩きながら食べました。

三ッ岳に近づくにつれて空が少しずつ明るくなってきました。

昨日はガスで何も見えませんでしたが、今朝は雲は多めではありますが、まずまずの天気。

三ッ岳西峰の稜線コースで朝を迎える

この天気なら朝から良い景色が見れそうだ、ということで三ッ岳西峰手前の分岐から稜線コースに向かいました。(分岐の片方はお花畑コース)

稜線コースに登ったところで陽が登ってきました。

朝陽に照らされる三ッ岳の稜線。

少し前まで雲に隠れていた槍ヶ岳も姿を現しました。

右手には水晶岳。

そして赤牛岳。

右奥に見えるのは富山湾でしょうか?

赤く染まっていく水晶岳・赤牛岳の稜線。

そのうち歩きたいと思いつつなかなか実現しない読売新道縦走。そろそろ計画を立てて挑戦してみたいところですが…。

この辺りを通るのは3回目ですが、最初はよく分からずにお花畑コースを歩き、2回目はガスで展望が無かったのでお花畑コースを歩き…といった感じで稜線コースを初めて歩きました。

天気が良ければ稜線コース一択ですね。

気持ちの良い朝、眺めの良い景色、これらすべて独り占めでした。

裏銀座縦走は水晶小屋を超えると他のルートからの登山者などが合流してきて賑やかになりますが、烏帽子小屋から野口五郎岳あたりは登山者が少なくてとても静かです。

野口五郎小屋で休憩

06:12

野口五郎小屋に到着しました。

ここで購入したコーラを飲みつつ、道中食べきれなかったバナナバウムを食べきりました。小屋に到着する少し前くらいからガスが出てきて、早朝は遠くまで見渡せていた景色が見えなくなってしまいました。

30分ほど休憩して出発。

野口五郎小屋には少し立ち寄ったくらいの感覚でしたが、あとでログを見てみたらがっつり休憩していました。

野口五郎岳の山頂に到着

06:55

野口五郎岳の山頂に到着しました。

歌手の野口五郎の芸名の由来になった山です。

晴れていれば360度の絶景が楽しめるのですが、残念ながら周囲はガスの中…。

何も見えない山頂に長居は無用…ということで先へ進みます。

水晶小屋へ

野口五郎岳からは東沢乗越に向けて一旦下り、そこから水晶小屋に登り返します。

ガスは一進一退。

水晶・赤牛はなんとか見えていましたが、鷲羽から槍ヶ岳方面は分厚い雲に覆われてちょっとやそっとでは見えそうにありません。

とりあえず雨さえ降らなければOK!の精神で先へ進みます。

水晶小屋が見えてきましたがまだまだ遠い…。

東沢乗越手前で雲に隠れていた鷲羽岳(上の写真左)が姿を現しました。

水晶・赤牛方面もまだまだ良い感じ。

青空も見えてきて「これはもしかしたらもしかする?」と元気が出てきました。このまま天気が持ってくれればいいのですが。

東沢乗越に到着

08:30

野口五郎岳からはガスで景色もあまり見ることができず、単調に感じる時間が続きましたが、東沢乗越手前あたりから青空が見えてきて心機一転。

東沢乗越まで下ってきたところで荷物を降ろして休憩しました。

10分ほど休憩して出発しました。

水晶小屋に到着

09:19

水晶小屋に到着しました。

この日は荷揚げの日だったらしく小屋の方々は大忙し。

SNSで売店のペットボトルの在庫が少ないという投稿がありましたが、僕が登ってきた段階では在庫が復活していたようで十分な量がありました。

炭酸やスポーツドリンクよりもお茶が飲みたかったので、ほうじ茶のペットボトルを購入して、手持ちの開いているペットボトルに移しました。

そして北アルプス界隈では随一ではないかと思っている綺麗で使いやすい水洗トイレ(トイレットペーパーを流せる!)をお借りして用を足して出発しました。

三俣山荘へ

水晶岳に登るかどうか迷いましたが、水晶岳が見えていても山頂からの景色が微妙であれば登ってもな…と思い、ピークハントは諦めました。(何も見えない山頂はスルーしていくスタイル)

昼過ぎから天気が崩れる予報だったので、なるべく早めに三俣山荘に到着できるように先を急ぎました。

雲ノ平やその向こうの薬師岳などはよく見えましたが、ガスに包まれるのは時間の問題といった感じでした。

鷲羽岳やその向こうの槍ヶ岳方面は完全にガスや雲の中。

このような天気であれば黒部源流側から三俣山荘に向かったほうがコースタイム的には短いのですが、下りに下って三俣山荘手前で登り返すのが嫌だったのと、鷲羽岳くらいは登っておこうかな…という謎の使命感が発生したので山頂を経由していくことにしました。

背後の景色はまだ見えていたので、鷲羽岳山頂から少しでも景色が見れたらいいな…という思いも若干ありました。

しかし…

空は雲に覆われ周囲の展望は皆無。

鷲羽岳の山頂に到着

11:04

鷲羽岳の山頂に到着しました。

全方位真っ白…。

とりあえず休憩しようかな…と思ったら雨が降ってきました。

小雨ではなく結構粒のデカいタイプの雨が…。

すぐに止むかな?と三俣山荘に向かってそのまま歩き出しますが、一向に雨足が収まる気配がなかったので、ミラーレス一眼をバックパックに収納し、バックパックにレインカバーを被せ、レインウェアを羽織りました。

しばらく歩いているうちに雨足は収まりましたが、風は強いまま。

無心になって歩き続け…

三俣山荘に到着

12:00

三俣山荘に到着しました。

鷲羽岳を振り返ると雲の隙間から青空が。

なんなん?

テントを設営

小屋の受付が混雑していたので先にテントの設営場所を押さえました。

三俣山荘から近い場所がまだ空いていたのでオニドーム1を張りました。設営時は昨夜の雨と結露でびしょ濡れでしたが、あっという間に乾いてくれました。

重いですが頼りになるやつです。

大好きな三俣山荘のテント場。

小屋に近くて鷲羽岳がよく見えて最高です。

三俣山荘テント場の水場

三俣山荘の入口前にある水場は既に枯れてしまっていて、小屋泊の方もテント場の水場を案内される状況でした。

今年の北アルプスはどこも水に苦労しているようです。

いつもドバドバ出ていたテント場の水場はチョロチョロといった感じ。

この水量で秋の小屋閉めまで持つのでしょうか?

三俣山荘でのひと時

テント場で持ってきた食料を食べるつもりでしたが、お湯で戻したフリーズドライのモソモソした食べ物を食べる気になれなかったので、三俣山荘の展望食堂でうどんを食べました。

五臓六腑に染み渡りました。

食後は1階の談話コーナーで昔の登山雑誌をパラパラと…。

山小屋には結構古い雑誌が置かれているので、僕が登山を始める前の、そして今のようなUL(ウルトラライト)が無い世界線を垣間見ることができます。

山は何年経っても変わりませんが、登山者が身に着けている衣類や道具は大きく変わっていて、そういうのを流し見していくのが好きです。

テント場のおじさん

向かいのテントの男性の方と少しお話をしたところ、昨夜仕事を終えて下道で10時間車を走らせて新穂高の駐車場で仮眠した翌朝に出発。約20kgのバックパックを背負って新穂高から三俣山荘まで歩いてきたとのこと。

しかも年齢が66歳で、重さに慣れておくために近所の日帰り登山の時も同じ重量のバックパックを背負って登るのだとか…。

真っ黒に日焼けして無駄なぜい肉のないガッシリとした体形で年齢的な衰えを一切感じないパワフルなおじさんだった。

ここまで強くはなれないまでも、僕もまだまだ頑張らないとな…と元気をもらいました。

僕との話が終わったあとも、テント場をウロウロして色んな方とお話されていてすごいバイタリティーだなと感心してしまいました。

明日以降のルートを検討

ブログ記事のタイトルが「裏銀座縦走」になっているので、結果的に裏銀座を縦走したわけですが、当初は三俣山荘から薬師方面に向かい、五色ヶ原を抜けて立山まで歩くつもりでいました。

しかし、行動時間が長くなりそうな薬師峠~五色ヶ原の区間を天気が崩れる前に歩き切る自信がなかったので、各種天気予報と地図のコースタイムなどを熟考した結果、薬師方面には向かわないことにしました。

というわけで当初の計画を変更して裏銀座を縦走することに決めたわけですが、槍ヶ岳にはここ数年で何回も行っていていまいち気分が乗りません…。

今あれこれ考えても明日になったら気が変わる可能性があるので、槍ヶ岳に行くかどうかは明日の天気や状況をみて決めることにしました。

就寝

夜に目が覚めてテントの外を見てみると綺麗な星空が広がっていました。

午前中は天気が良い、明日も今日と似たような天気になりそうです。

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つづく。