はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

雪の塔ノ岳と鍋割山と寄のロウバイ

2024年2月5日の昼過ぎくらいから関東地方に雪が降り始め、ニュースにあった警報級とまではいかないまでも、夜までの間にそこそこの雪が積もりました。

東京の奥多摩や神奈川の丹沢の山々にもたっぷりと雪が積もり、雪が降った翌々日(水曜日)に休みをとっていた僕は「久しぶりに雪の丹沢が歩ける!」と当日を楽しみにしていました。

しかし月曜日に頑張りすぎた足の筋力トレーニングのダメージがまったく抜けず、普通に歩くのにも一苦労という状態だったので、雪の丹沢登山は諦めました。

週末の土曜日は半日仕事で、日曜日は東京で用事があり、登山に行けるのは建国記念日の振替休日の12日のみ。

降雪から1週間も経てばさすがに雪も融けてしまうだろう…と諦めかけていましたが、SNSで検索をしてみると、雪が結構残っており、なんなら11日の夜に雪が降るかも…みたいな話もあり、これは行かねば!となりました。

電車とタクシーを乗り継いで大倉の登山口へ

まずは自宅の最寄り駅から小田原駅まで移動し、小田急線に乗り換えて渋沢駅に向かいます。

渋沢駅に到着するのが6時22分で、登山口のある大倉に向かうバスの始発は6時48分なので、26分くらい待たなければなりません。

今回は少しでも雪の状態が良いうちに登りたいと思っていたので、始発のバスを待たずにタクシーで登山口まで移動することにしました。

雪の塔ノ岳へ

バスの場合は大倉バス停で下車して登山口まで少し歩く必要がありますが、タクシーの場合は登山口まで走ってくれるので、わずかな距離ではありますがショートカットすることができます。

ただしバスの運賃が250円なのに対して、今回乗ったタクシーは2,100円かかったので、僕のようなソロの方は特別な事情が無い限りはバスのほうがコスパが良いと思います。

6:37

タクシーを降りて準備運動とGPS地図アプリを起動して出発します。

昨夜雨が降ったのか地面が少し湿っていましたが、この辺りに雪が降ったような形跡は見当たりませんでした。

今回はファイントラックのドライレイヤーウォームの上にパタゴニアのキャプリーンを着て、その上にモンベルのフリースを羽織ってスタート。

歩いているうちに暑くなってきて見晴茶屋でフリースを脱ぎました。

足元が徐々に雪になっていく

駒止茶屋あたりから雪が目立ち始め、木道に雪がこびりついている場所も所々に見受けられましたが、持ってきたチェーンスパイクの出番はまだ少し先になりそうです。

「このまま花立山荘まで行けるかな?」と思って歩いていましたが、堀山の家から少し登ったあたりで雪の割合が増えてきたので、チェーンスパイクを装着しました。

花立山荘

花立山荘直下の階段地獄は何度登っても慣れません。

背後に広がる絶景に励まされながら登っていくと、前方から初老の男性と女性が下ってきました。

二人の足元を見ると、男性は見知らぬブランドのシューズ、女性はピンク色のアディダスのランニングシューズを履いており、どちらもチェーンスパイクのような滑り止めは装着していませんでした。

どこから下山してきたのか分かりませんが、ここから上はもっと雪があるはずなのによくその靴で…と感心してしまいました。僕とすれ違ったところから下はもうそれほど危険はないと思いますが。

8:23

その後少し歩いて花立山荘に到着。

前回はここで疲れてしばらく休憩してしまいましたが、今回はまだ体力的に余裕があったので休まずに塔ノ岳の山頂を目指すことにしました。

半袖短パンのトレイルランナー

花立山荘から先はより雪が深くなり、地面が見えている場所が無くなってきました。

まだ朝の早い時間帯ということもあり、足を踏み込むたびに「ギュッ、ギュッ」という気持ちの良い音が聞こえてきます。

もう少しで山頂だな…というところで半袖短パンのトレイルランナーに追い越されました。踵を浮かせた「つま先接地」で一定のリズムを刻みながら軽快に駆け上がっていく姿に驚かされました。

上級者になると雪のバカ尾根でもトレランシューズで走って登れるんだな…という知見を得られました。

塔ノ岳の山頂に到着

8:49

ほどなくして塔ノ岳山頂に到着しました。

バス組よりも早く出発したこともあって、山頂にはまだ数名の登山者しかいませんでした。

塔ノ岳の山頂にはしっかりと雪が残っていて、雪だるまが作られていました。

蛭ヶ岳方面。

大山もよく見えます。

さらに先に目を向けると江ノ島も!

しばらく景色を堪能したところで、小田原駅のコンビニで買っておいたおにぎりを食べて来た道を戻ります。

鍋割山へ

次の目的地は鍋割山です。

あわよくば鍋焼きうどん。

塔ノ岳のスーパースター

塔ノ岳から少し下ったところで登って来る登山者に道を譲り、なんとなく足元を見たところアディダスのスーパースターを履いていました。

あんなソールの溝があるんだか無いんだか分らん靴でよくここまで登って来たな…と感心してしまいましたが、よりバランスを崩しやすい下りは大丈夫なんだろうか?と心配になりました。

まぁここまで来てしまったら行くも帰るもそう変わらないと思うので黙って丹沢のスーパースターを見送りました。

金冷シの分岐から鍋割山方面に向かいます。

この辺りのルートもしっかりと雪が残っていました。

鍋割山荘をスルーして寄(やどりき)方面へ

10:04

鍋割山に到着しました。

塔ノ岳と同様に山頂や山荘周辺はまだそれほど混雑していません。

これは鍋焼きうどんのチャンス!と思い山荘の入口に来ましたが…

鍋割山荘の入口の引き戸に鍋焼きうどんの提供開始は10:30からと書かれた紙が貼られており、まだしばらく待たなければならないようです。

営業開始までまだ30分近くあり、山荘の前にはすでに何名かの登山者が順番待ちで並んでいたので先に進むことにしました。

スタンスミスに出会う

鍋割山を出発すると登って来る登山者と次々にすれ違います。

そんななかつま先がアディダスっぽい方とまたすれ違いました。スーパースターにしては形状が若干スリムに見えるな…と思い振り返ってみると、踵の部分が緑色になっておりスタンスミスであることが分かりました。

今日はアディダスとよくすれ違うな…。

その後も登山者らしくない格好にニューバランスやアシックスのスニーカーの方々とすれ違いました。

よくよく考えてみると、他人がどんな靴を履いているかなんて今まであまり気にしたことがなかったので、今回たまたま目についただけなのかもしれません。

大雪になることを分かっていて箱根で立ち往生してしまうドライバーと似たようなマインドを感じますが、まあこの程度のコンディションであれば滑って尻餅をつく程度だと思うのでお好きにどうぞといったところでしょうか…。

雪が無くなって来たところでチェーンスパイクを外しました。

後沢乗越から櫟山(くぬぎやま)へ

後沢乗越から先は未体験ゾーン。

普段は後沢乗越の分岐を大倉方面に進み、長い林道を心を無にして歩きますが、今回は寄のロウバイを見たかったので、大倉ではなく寄方面に向かいます。

櫟山(くぬぎやま)

11:23

元気な状態であれば気にならないアップダウンも、疲れ切った足にはなかなか辛いものがあります。

膝に違和感が出始める

櫟山から先はひたすら下り。

大腿四頭筋(前もも)は疲労し、右膝に出ていた違和感が徐々に痛みに変わってきました。

開かない扉

だいぶ下ってきたところに鹿柵が設置されているのですが、この扉がなかなかの初見殺しでした(写真はどれも扉を開けて柵を通過したあとに撮ったものです)。

この柵はボロボロで針金でそこらじゅうを補強しているのですが、扉を固定するフックも針金で手製されており、どこをどうすれば扉が開くのかぱっと見では分からない状況でした。

こちらが扉を固定するためのフックです。

分かりますでしょうか?

これです。

写真中央のフック状になっている針金を別の針金に引っ掛けることで扉を固定しています。

反対側からやってきた僕は最初何をどうすれば扉が開くのか分かりませんでした。あれこれやっているうちに「これかな?」と上の写真のフックを外したら扉が開きました。

無事に下山

そんなわけで登山道が終わり、なんとか寄まで下りてくることができました。

通りすがりの方に「寄のバス停はこのまま進めば着きますか?」と聞いたところ「着きますよ」と言われ「ありがとうございます!」と先に進もうとしたところ、背後から声をかけられました。

 

「あと、寄(より)じゃなくて寄(やどりき)ですw」

 

これは恥ずかしい…。

「第12回寄ロウバイまつり」に立ち寄る

寄の正しい読み方を覚え、更に歩いて行くとロウバイが見えてきました。

どうやらここが「第12回寄ロウバイまつり」の会場のようです。

ただ、ロウバイまつりの表記がなく、見物客と思われる人たちがふらりと中に入っていくので、僕もそれにならって続きました。

ロウバイ(蝋梅)は中国原産の落葉低木で、花弁がロウ細工のように見えることからロウバイ(蝋梅)と呼ばれているそうです。

園内に入るとロウバイの良い香りが辺り一面に広がっていました。

この日は天気も良く大勢の人たちが満開になったロウバイを見に来ていました。

綺麗に咲いたロウバイを見ながら園内を進んで行きます。

表示された順路に沿って歩いて行くと入口に着きました。

入口の近くには梅の花も咲いていました。

…というわけで入口まで来たところで入園料500円を支払いました。

その後、ロウバイまつりの会場から少しあるいたところにある寄のバス停に到着しますが、次のバスまで結構時間があったので、停留所のベンチに座ってぼーっとしていました。

新松田の「あのお店」には行けず…

しばらく待つとバスがやってきたので乗車して新松田駅へ。

新松田駅近くには「丸嶋」という中華料理屋があり、以前にブロガーのフミコフミオさんが寄稿した記事を読んでずっと気になっていたのですが、残念ながら昼の部と夜の部の境目の時間で入れず…。

r.gnavi.co.jp

いつかは食べたい餃子ラーメン。

次のチャレンジは「まつだ桜まつり」のあとかな。

まとめ

…というわけで、足全体の疲労に加えて右膝に痛みがでるなかなか大変な登山になりました。それほど大変なコースでもなければ、長時間歩いたわけでもないんですけどね。

このままだと夏のテント泊や数日間の縦走など夢のまた夢なので、夏に向けて足腰を鍛えなおしたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=DDulkWUlgVk