はらですぎ

山とビールを愛するメタボリックおやじの登山ブログです。

夏の表銀座縦走!中房温泉から燕山荘を経て大天井岳へ!【夏休み4日目】

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2020年の夏休みは波乱の幕開けでした。

当初は栂池から白馬岳に登り、後立山連峰を縦走する計画でしたが、天気予報が大きく外れ荒天の1日目となりました。

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そして登山2日目にして撤退を決め、まったく予定していなかった白馬大雪渓を通って猿倉に下山…。

この段階で僕の夏休みの計画は白紙になりましたが、白馬岳から下山しながら帰宅後どこに行くかをずっと考えていました。

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今年は新型コロナウイルスの影響で、テント泊でも予約が必要な山小屋が増えています。そんな状況下で予約の必要ないテント場を利用しながら歩くことができるコースは限られていて、またそこに行くための夜行バスの空きも同様です。

色々と迷った結果…。

新宿から中房温泉へ

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夏休み3日目の夜。(白馬岳から下山した翌日)

新宿駅前のバス乗り場にやって来ました。

前日に色々調べた結果、予約できる唯一の夜行バスでした。

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一夜明けた夏休み4日目の早朝。

夜行バスを安曇野穂高で下車し、そこから歩いて穂高駅前の中房温泉行のバス停に並びました。

 

今回急きょ決めた山行は「北アルプスの表銀座縦走」です。

 

他の下車した乗客もバス停前にぞろぞろと並びだし、別の便で下車したと思われる登山者たちも少し時間を置いて続々と到着し、バス停前はマイクロバス1台では乗車しきれない人数になりました。

僕はほぼ先頭にいたので問題なく乗車できましたが、バス停前には結構な人数の登山者がバスに乗れずに取り残されていました。

次の便が何時か分かりませんが、1台目のバスに乗車できた僕たちよりも登山口からの出発が遅れることは間違いないようです。

中房温泉に到着し、バスを降りると登山届を提出するところに非接触型の体温計を持って登山者の体温を計測してくれる方が立っていました。

僕は事前にYAMAPで登山届を出していたので、体温測定だけしてもらって登山口まで移動して出発の準備を整えました。

中房温泉登山口から燕山荘へ

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準備を整えていざ出発!

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前回の記事でも書きましたが、前々日に白馬岳から下山してきた際の筋肉痛が酷く、階段を下るような動きをすると、太ももとふくらはぎが痛みます。

こんな状態で登山ができるのか不安でしたが、歩きだしてみると何とかなりそうでした。

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燕岳への登山道(合戦尾根)といえば北アルプス三大急登に数えられていますが、一定間隔で休憩できるベンチや、途中の合戦小屋などがあり、初心者での登りやすいルートになています。

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そんな歩きやすい登山道のおかげで、不安に感じていた足の筋肉痛は途中からあまり気にならなくなりました。

合戦小屋に到着

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合戦小屋に到着したところでベンチに腰を下ろして小休止。出発時は快晴でしたが、合戦小屋に到着した段階で空は雲に覆われてしまいました。

空になったポカリスエットのペットボトルに小屋で買ったポカリスエットを補充します。

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合戦小屋を出発。

雲がだいぶ増えてきました。

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そして燕山荘の直下まで来ました。

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ガスが出ていますが、青空がうっすら見えるので、稜線まで出たら景色が一変する可能性がありそうです。

そして…。

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予想通りでした!

中房温泉側だけ雲とガスが出るいつものパターンだったようです。

燕山荘に到着

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午前10時前に燕山荘に到着しました。

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晴れてはいますが雲が若干多めです。

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燕山荘のテント場は予約制。

前日サイトをチェックしましたが既に予約で一杯でした。

燕岳山頂はスルー

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燕山荘に荷物をデポして燕岳山頂に行くか迷いましたが、僕はこれまで燕岳に4回登頂して4回とも山頂で曇るという残念な記録を更新中です。

この天気の感じだと記録を更新するだけのような気がしたのでスルーすることにしました。

大天井岳へ

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そんなわけで燕岳山頂はスルーして本日の宿泊地である大天井岳直下の大天荘を目指します。

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燕山荘付近には高山植物のコマクサが群生していますが、綺麗に残っている個体は少なく、見頃は過ぎてしまっているようでした。

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ここからしばらくは楽しい稜線歩きが続きます。

槍ヶ岳は雲の中ですが、青空も見えますしまずまずの雰囲気。

蛙岩

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奥に見えるのが蛙岩(げえろいわ)です。

どのあたりが蛙っぽいのか分かりません…。誰かこの岩の名前の由来をご存じでしたら教えてください。

大下りの頭

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楽しい稜線歩きはここまで。

大下りの頭からザレた斜面をしばらく下り、そこからの登り返しと息の切れる登山道に突入します。

安曇野側に下ると先ほどとは一変してガスの中。

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そして再び稜線へ。

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ようやく大天荘への分岐が見えてきました。

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分岐の手前でちょっとしたハシゴのアップダウンがあり、途中に小林喜作のレリーフがあります。

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上記写真の中央右端あたりに大天荘・大天井岳への分岐があります。分岐まで辿り着けばゴールまであともう少しです。

大天荘へのラストスパート

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大天荘への分岐からは最後の力を振り絞ってラストスパートです。

100メートルごとに標識が立っていますが、これがなかなか進みません。

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無理なく到着できる時間だったので、何度も立ち止まりながら最後の登りを少しずつ進んでいきます。

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大天荘が見えました!

大天荘のテント場にテントを設営して喫茶メニューのカレーを食べる

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大天荘のテント場受付は、わざわざ小屋の外に机を用意して、小屋のスタッフの方が受付をしていました。

到着後すぐに受付をしてテントを設営。

テント設営後は大天荘の喫茶メニューのラストオーダーに滑り込みセーフ(13時45分)でカレーライスを注文。名物はカレーとナンのセットのようですが、今回はサクッと食べられるカレーライスを選びました。

先に購入した缶ビールと一緒に美味しく頂きました。

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大天荘のテント場は予約不要ということもあって、僕が到着したあとも続々とテント泊登山者が訪れ、あれよあれよという間にテント場が埋まっていきました。

大天井岳山頂へ

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テントを設営して腹ごしらえも済んだので、大天井岳の山頂に登ってみることにしました。大天荘から大天井岳の山頂までは徒歩10分程度の距離で、危険個所もないためサクッと登頂することができます。

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3年前の秋に表銀座を縦走した時は、大天荘に到着後に周囲が完全にガスってしまって山頂には登らなかったのですが、今回は青空が割と出ていたので山頂まで登ることにしました。

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大天井岳山頂に到着!

標高2,922メートルです。

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到着当初は槍ヶ岳方面が雲に覆われていて、時々チラリと穂先が見えたりするものの、思うような光景にはなりませんでした。

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ただ、今日歩いてきた稜線はよく見えました。

以前にここに来た時もそうですし、燕岳に登りに来た時もそうでしたが、安曇野側にもくもくと雲が出ていたのが印象的です。

どういう原理なんですかね…。

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テント場のある小屋側もこんな感じで雲が沢山。

常念岳や蝶ヶ岳は雲の中でした。

テント場に戻り一息入れて再び山頂へ

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山頂での景色をひとしきり堪能した後はテント場に戻ってビールを飲みながら一息。

テント設営スペースはすでに一杯になっており、遅れて到着した方々は小屋の前に設営していました。

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夕方になってきたところで槍ヶ岳が見えてきたので、夕景を撮影するために再び山頂に登ることにしました。

大天井岳山頂から見た北アルプスの夕景

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再び大天井岳の山頂へ。

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陽が傾いてきて山と雲の陰影がくっきりとしてきました。

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長年山登りをしていますが、こんなに気持ちの良い夕景は久しぶりです。

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カメラのファインダーを覗いてシャッターを切っては、カメラから目を離して目の前の光景を目に焼き付ける作業の繰り返し…。

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こういうご褒美があるから止められないんですよね。

山頂では撮影する機材は違えど、目の前の光景に心奪われた人たちが一心不乱にシャッターを切っていました。

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晴れた日の大天井岳のポテンシャルは素晴らしいものがありますね。

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後を振り向けばブロッケン。

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先日の白馬岳敗退の傷を癒してくれるには十分すぎるほどの展望でした。

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日の入りは残念ながら雲に隠れて見えず…。

最後まで見届けた山頂の登山者たちと一緒に大天荘に戻りました。

大天荘テント場の夜

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テントに戻って消灯するも案の定眠れず…。

夜行バスでは眠れるのにテントで殆ど眠れないのは何故!?

…ということでトイレに起きたついでにテントの中からパシャリ。この日のテント場は月明かりに照らされてヘッドライトがなくても歩ける明るさでした。

 

その後も寝ては起きてを繰り返しながら朝を待ちました。

 

つづく。