10月10日に北アルプスの焼岳に日帰り登山してきました。
焼岳は長野県と岐阜県にまたがる標高2,455mの活火山で、日本百名山に選定されています。登山口は上高地側と中の湯温泉側と中尾高原口の3つと、西穂山荘からのルートがあり、メジャーなのは上高地側と中の湯温泉側の駐車場からの二通り。
今回は早朝の大正池を経由して上高地側から焼岳に登り、新中の湯ルートで中の湯に下山するという計画を立てました。
- バスタ新宿から「さわやか信州号」で上高地方面へ
- 大正池と焼岳リフレクション
- モバイルバッテリーが沈黙
- 焼岳上高地側登山口から山頂へ
- 焼岳山頂に到着
- 新中の湯ルートで下山
- 松本バスターミナル行のバスで松本駅へ
- 撮影した動画をYouTubeにアップしました
バスタ新宿から「さわやか信州号」で上高地方面へ
前日の午後に原宿まで行く用事があったので、夜行バスの出発地点をいつもの竹橋や東京駅八重洲口ではなく、バスタ新宿を選びました。
ちなみにバスタ新宿を利用するのは今回が初めて。
サービスエリアでのトイレ休憩を何度か挟み、翌朝5時過ぎに大正池ホテル前に到着。バスを下車したのは僕だけでした。
外は周囲がギリギリ目視できるレベル。
そして寒い!
大正池公衆トイレでトイレを済ませてヘッドライトを装備して出発します。
大正池と焼岳リフレクション
公衆トイレから下っていくと大正池に出ます。
大正池は大正4年に噴火した焼岳の泥流が梓川をせき止めたことで出来た池で、国の特別名勝・特別天然記念物に指定されています。
そんな大正池をスタート地点にしたのは、朝霧のたちこめる幻想的な風景を撮影したいと思ったからです。しかし僕のそんな思いとは裏腹に、空も水面も非常にサッパリとしたものでした。
風がなかったのでリフレクションは綺麗に撮ることができました。
穂高方面もご覧の通り。
そして少し歩いたところから再び焼岳。
立ち枯れの木。
写真では伝わりませんが冷え込んで手が凍えそうでした。
モバイルバッテリーが沈黙
夜行バスに乗っている間にスマートフォンのバッテリーを大幅に消費してしまったため、持ってきたモバイルバッテリーで充電しながら歩こうと思っていたのですが、モバイルバッテリーとケーブルの接触が悪く、スマートフォンに繋いでも充電が開始されないというトラブルに見舞われます。
そんな事情もあって出発してしばらくの間は省電力モードにしていたことで、登山用のログが正確に取得することができませんでした。
一時はどうなることかと思いましたが、バッテリー残量が30%台になったところで充電を開始することができました。(ケーブルの差し込み方を調節すれば通電することが分かり無事に充電することができました)
今回の登山でモバイルバッテリーは出かけるまえに通電確認をしっかり行うという学びを得ました。
焼岳上高地側登山口から山頂へ
少し歩いて焼岳上高地側登山口に到着。
焼岳は活火山なので注意書きをよく読んでから登ります。
新宿から上高地行きのバスは3台出ていましたが、焼岳の登山口に到着した段階で登山者は僕を含めて4名しかいませんでした。
ほかの皆さんはきっと涸沢に向かったのだと思います。もし僕が連休を取れていたら同じ道を選んでいたはず。
登山口でおばちゃん2名を抜き去り、先行していた1名も途中で抜き去って、誰とも会わない静かな時間帯がしばらく続きました。
平坦に近かった登山道も徐々に傾斜が出てきて、早朝の大正池で冷え込んでいた体が徐々に温まってきました。
上高地側からの焼岳登山といえばハシゴです。
ハシゴを連結させた最後のハシゴ。
ハシゴからのクサリ場。
岩が濡れている時は右の凹凸を使うか、左側の草木を使うと登りやすいかも。
涸沢の紅葉が見頃を迎えて少し経っていることを考慮して、あわよくば焼岳で紅葉を・・・と目論んでいましたが、上高地側からの紅葉はもう一息といった感じでした。
ハシゴとクサリ場を超えると一気に景色が開けますが秋っぽさはあまり感じられませんね。
ここまでくれば焼岳小屋まであと一息。
焼岳小屋
焼岳小屋に到着しました。
温まっていた体がここに来て一気に冷え込みます。この辺りは陽が当たりづらい場所らしく、かなり寒かったです。
写真は等倍で見ないと分かりづらいですが霜が降りています。
小屋のスタッフの方が言うには初霜とのことでした。
焼岳山頂へ
小屋のベンチで買っておいたおにぎりを食べて小休止。
体が冷え切ってしまったのでシェルを着て出発します。
登山者が大勢いれば人の流れで登っていくルートがだいたい分かるのですが、この日は平日で登山者も少なく、どこをどう歩いて山頂に向かうのか遠目ではよく分かりません。
岩の切れ目から湯気が湧き出ています。
時折風に乗った硫黄臭が鼻に届き、活火山の焼岳に登っているんだなということを実感します。
穂高の絶景
この辺りまでくると結構疲れてくるわけですが、後ろを振り返ると穂高の山々が一望することができてテンションが上がります。
赤い屋根は西穂山荘岳沢小屋でしょうか。(コメントでご指摘頂き修正しました)
左に視線を持って行くと新穂高ロープウェイが見えました。
右上には槍ヶ岳が見えます。
槍ヶ岳から左に伸びるのは西鎌尾根ですね。
GoogleのPixel 3aのパノラマ撮影でパシャリ。
北アルプスの主要の山々が一望でけいる大絶景です。
あと一息
絶景を見てテンションを上げたところでもうひと頑張り。
新中の湯ルートの分岐から最後の登り。
焼岳山頂に到着
焼岳山頂に到着しました!
山頂に到着する前に何度も見た北アルプスの大展望を改めて。
何度見ても飽きません。
焼岳の火口
左が旧火口の正賀池で右隣りの窪みが新火口のインキョ穴。
以前来た時はガスでよく見えませんでしたが、今回はどちらも良く見えます。
焼岳山頂に自衛隊がやってきた
山頂をウロウロしていると自衛隊の方々が続々とやってきました。どうやら名古屋方面から訓練?として焼岳に登ってきたようです。
隊員の方々は山頂で記念撮影をしたり昼食を摂ったりとリラックスされていましたが、山頂碑によりかかって記念撮影をしようとした初老の男性登山者が豪快に転倒すると、即座に反応し、男性の応急処置と倒れた山頂碑の復元を行っていました。
これが、
こうなりました。
ただ岩で簡易的に支えているだけなので、記念撮影される方は山頂碑に全体重を預けないように注意してください。
新中の湯ルートで下山
しばらく山頂で休憩したところで新中の湯ルートで下山します。
山頂で食べるためにカップラーメンを持ってきていましたが、焼岳小屋でおにぎりを食べたことで食欲があまりなく、バックパックに入っていたパンを軽くつまんで出発します。(この状態が下山後も続けば痩せられるのですが)
こちらからのほうが正賀池と火口がよく見えます。
もっと山頂でのんびり滞在していたかったのですが、それができないのが日帰り登山の辛いところ。
新中の湯ルートは上高地側からのルートとは違って色鮮やかでした。
ナナカマドもご覧の通り綺麗に色づいていました。
だいぶ下ってきたところでも綺麗に色づいた木々が目立ちます。
涸沢のような派手さはありませんが、これはこれでいい感じです。
昼の時刻が近づいていても焼岳山頂に向かう登山者は後を絶ちません。
この後も結構な数の登山者とすれ違いましたが、これから登って下山したら帰りが大変そう・・・。
樹林帯に入るまでの間は鮮やかな紅葉を楽しみながら歩きました。
樹林帯に入り高度が下がっていくにつれ木々の色付きは控えめに。
展望も紅葉もなくなってきて退屈になってきました。
その後も地味な道が中の湯温泉旅館まで延々と続きます。
駐車場に出てそこから登山者用の中の湯温泉旅館への道を更に下り、中の湯温泉旅館で汗を流し、道路をひたすら歩いてアルピコ交通の中の湯バス停へ。
松本バスターミナル行のバスで松本駅へ
バス停に到着したところで交通整理の男性が「高山経由のバスなら新島々で電車に乗り換えずに松本駅まで直行できるよ、そしてそのバスはもう間もなく来る」と教えてくれました。
8月下旬に新穂高温泉に下山した時はこんな臨時バス無かったと思うんだけど、この時期だけの臨時バスなのでしょうか?
アルピコ交通の新島々行のバスは14時18分出発で松本駅着が15時55分の予定なのに対して、このバスは14時出発で松本バスターミナル着は道路事情次第。
とりあえず座って一息つきたかったので14時発のバスに乗車し、その後は大した渋滞もないまま15時過ぎに松本バスターミナルに到着!
駅前でそばを食べて、出発寸前のあずさに飛び乗って帰路に着きました。
初めて焼岳に登ったのは登山を始めて2年目の2014年の9月でした。
当時はただ「綺麗だな」「いい景色だな」と思う程度の感想しか抱けませんでしたが、その後いろいろな山に登ってきたことで、焼岳から見える景色の素晴らしさを改めて実感することができました。
撮影した動画をYouTubeにアップしました
詳しいルートとコースタイムはYAMAPをご覧ください。