2泊3日のシルバーウィークの北アルプス縦走登山の最終日。
テントの設営場所が斜面ということで、普段からテントで眠れない僕がまともに眠れるはずもなく、前日同様に午前3時くらいに起きてモゾモゾと諸々の準備を始めました。
三俣蓮華岳へ
夜中にトイレに起きた時は雲一つない星空が広がっていたのに、夜明け前にテントの外を見てみると雲が出てきていました。
最終日は三俣山荘から新穂高温泉に下山するのですが、ルートとしては三俣蓮華岳・双六岳の山頂を経由してから下山するルートと、三俣蓮華岳の手前の分岐から巻道で双六小屋方面に向かうルートがあります。
雲が出ていましたが晴れ間も少しあったので、とりあえず三俣蓮華岳の分岐まで行ったところで判断しようと考え、テントを撤収して出発することにしました。
ヘッドライトの灯りを頼りにじわじわと標高を上げていき、三俣蓮華岳の分岐まで来た段階でまだ晴れ間が見えていたので、巻道は使わずに山頂に向かうことにしました。
三俣蓮華岳の山頂に向かう途中で日の出の方角がうっすらと明るくなってきました。
そして三俣蓮華岳の山頂(標高2,841m)に到着。
先行していた登山者たちが数名いましたが、昨日のテント場の賑わいには及ばない少人数です。多くの方々はまだ出発前なのかもしれません。
双六岳へ
三俣蓮華岳の山頂に到着しましたが、日の出までもう少し時間がかかりそうなので、このまま双六岳に向かうことにしました。
ご来光は双六岳に向かう途中で
山頂分岐で双六岳方面に進み歩いていると、雲の向こうから太陽が昇ってきました。雲やガスが多い朝でしたが、運よく雲の切れ間から日の出を見ることができました。
しかし太陽はあっという間にガスの中に…。
晴れているのにガスってる?
その後もガスは風に吹かれてどんどん湧き上がってきますが、景色がまったく見えなくなるわけではなく、周辺にうっすらと膜を張ったような状態が続きました。
太陽の光がうっすらと登山道を照らします。
これはこれで幻想的で悪くはないのですが…。
「このまま双六岳山頂まで登っても何も見えないかもしれない…」と最後の巻道分岐で一瞬迷いますが、双六岳山頂はよく見えていたので、これからガスが晴れる可能性のほうに賭けてみることにしました。
双六岳方面は青空が見えてきて天候が回復しているように見えますが、双六岳の山頂から見えるはずの槍ヶ岳方面が分厚い雲に覆われて何も見えません。
まあここまで来たら山頂まで登るしかありません。
ダメならすぐに双六小屋に向かうのみです。
クライマックスは双六岳山頂で
双六岳の山頂に到着しました。
残念ながら槍ヶ岳は穂先のみが時々目視できる程度で、そこから下は雲に覆われていました。しかし周辺は強い風が吹いているようで、雲が右から左へどんどん流れていました。
三俣蓮華岳山頂でご来光を待たずにここまで来たことで、時間に少し余裕があったので、双六岳山頂で晴れるのを待つことにしました。
しばらく山頂で粘っていると「おおっ!」「もうちょっと!」という惜しい場面が出てきて、ついにみんなが待ち焦がれた瞬間が訪れました。
見えそうで見えなかった槍ヶ岳と穂高連峰がついに姿を現しました。
辺り一帯は相変わらずガスが湧き上がっていますが、湧き上がるガスと強風のパワーバランスが変わり、徐々に景色が見えてきました。
ガスに覆われて見えなかった薬師岳、水晶岳、鷲羽岳もよく見えます。
水晶岳の先には立山と剱岳も見えました。
2泊3日の縦走登山を締めくくる壮大なクライマックスを双六岳の山頂で迎えることができました。
双六小屋へ
双六小屋に向けて出発します。
槍ヶ岳方面は未だにガスの動きが活発でした。
だがそれがいい!
双六岳から槍ヶ岳を見るのは過去に2回ほどありましたが、こんなに映える場面に遭遇したのは初めてです。
この辺りの臨場感は動画の方が分かりやすいと思うので、YouTubeで近日公開予定の動画のほうも是非ご覧になってみてください。
双六小屋方面にザレた下り坂を歩いていくと…。
分岐に到着。
ここから階段状になった道を下っていけば双六小屋に到着です。
地獄の下山スタート
双六小屋で休憩しようと思っていたのですが、コーラもCCレモンも販売していなかったので、トイレを済ませてすぐに出発しました。
地獄の下山がスタート…。
前の週に赤岳・横岳・硫黄岳を日帰りで歩いた際に膝痛が発生したので、その時よりも長丁場になる新穂高温泉までの道中を歩いたら…と恐る恐る歩きました。
まずは鏡平小屋のかき氷を当座の目標にして下っていきます。
鏡平山荘は見えてからが遠い…。
太陽が照りつけるなかを延々と下っていき、ようやく鏡平小屋に到着しました。
小屋前は登山者で賑わっていましたが、休憩できるスペースを何とか確保して、目当てのかき氷(ブルーハワイ)をゲット!
火照った体をクールダウンさせることができました。
パット見あまりシロップがかかっていないように見えますが、氷を入れてシロップをかけてを何度か繰り返していて、見えないところにも沢山シロップがかかっているので最後まで味が途切れることなく食べることができます。
その後も下山は続き、ヘロヘロになりながらなんとか新穂高温泉に到着しました。
膝痛は幸い発生せず!
初日の登りからずっと膝サポーターを装着していたのが良かったのかもしれません。
新穂高温泉に着いた途端にバスに飛び乗る
当初は新穂高温泉でゆっくり温泉に入ってからバスに乗って松本駅に向かうつもりでした(時刻表も確認したつもりでした)が、バス停の時刻表を見てみるとどうやら悠長に風呂に入っている時間はなさそう…。
とりあえず到着してすぐにやってきたバスに飛び乗って平湯まで行くことにしました。非常に密なバスに揺られて平湯温泉へ…。
松本駅から特急あずさで新宿へ
今度はここから松本駅までのチケットを購入して、再び密なバスに揺られて松本駅へ。乗り継ぎ待ちの時間があまりなくここでも温泉に入れず…。
結局トイレで汗拭きシートで改めて全身を拭いて臭い対策を施したのでした。
松本駅からは予約しておいた特急あずさのチケットを発券し、売店で駅弁とビールを買って電車に乗り込みました。
新宿からはグリーン券を購入して湘南新宿ラインで横浜方面へ。
非常に疲れた今回の旅。
下山後は温泉に入って生ビールを…と思っていましたが、バスの時間の確認ミスで最後までバタバタと慌ただしい旅になってしまいました。
でもまあ3日間雨に降られることなく楽しい山歩きができたので、終わりは良くないけど全て良しということで!
YouTube動画
今回の登山の記録を動画でも残してあります。
僕のつたない文章で伝わらない山の雰囲気が味わえると思うので、ご覧になってみてください。4Kで撮影・編集しているので、テレビなどの大きい画面で見てもそれなりの画質で楽しめると思います。