2日目:「北アルプスを行く」2日目 槍ヶ岳から西鎌尾根を歩いて三俣山荘へ
三俣山荘から次はどこに行こうか・・・ということを昨晩に考えてシュラフに入ったわけですが、夜中に何度か目を覚ましてテントの外に顔を出してみると、ご来光を狙って早朝に出発する必要のなさそうな空でした。
3時半くらいに起床し、テント内の片付けがある程度終わり、そろそろテントの撤収に取り掛かるかな・・・と思った4時過ぎになんと雨が降ってきました。
せっかく乾いたテントのフライシートは雨でびっしょり。雨が上がったところでテントを撤収して出発の準備を整えました。
そんなわけでテントの撤収を終えて鷲羽岳に向けて出発します。
- 三俣山荘を出発
- 鷲羽岳山頂はガスの中
- 水晶小屋へ向かう途中で晴れてきた
- 水晶小屋に到着
- 水晶岳山頂へ
- 水晶岳山頂から見た絶景
- 水晶小屋でひと休み
- 黒部源流を歩いて三俣山荘へ
- 三俣山荘に出戻りテントを設営
- 山岳ライターの高橋庄太郎さんとすれ違う
- 明日の下山に備えて寝る
- YouTube動画
三俣山荘を出発
雨が上がったすぐあとは鷲羽岳がよく見えたので、山頂で良い景色が楽しめるのではないかと期待していましたが、三俣山荘を出発した段階で鷲羽岳はガスの中。
風がなかなか強く冷たい・・・。
今回グローブを忘れてきてしまったので、ストックを持つ手がかじかんできます。
鷲羽岳山頂はガスの中
程なくして山頂に到着しますが、ガスに包まれて何も見えませんでした。
山頂はガスに加えて冷たい風が吹き荒れており、登りでわずかに暖まった体温が急降下します。
このまま何も見えないのかと思っていたらガスの切れ間から景色が見えたりブロッケン現象が現れたりと収穫ゼロではなかったのが救いでした。
その後も黙々と歩いて水晶小屋へ向かいます。
水晶小屋へ向かう途中で晴れてきた
鷲羽岳を越えてからも強風は収まりませんでしたが、その代わりに周囲を覆っていたガスや雲が少しずつ取れてきました。
そして水晶小屋に到着するくらいになると周囲の山々が一望できるようになりました!
今回の山旅は大したハイライトもないまま終わるのかな・・・と諦めかけていましたが、ここに来て素晴らしい景色を見ることができました。
ちなみにガスで何も見えなかった鷲羽岳山頂に到着したのが7時10分頃で、上記写真を撮影したのは8時43分です。
水晶小屋に到着
水晶小屋に来るのは今回で3回目です。
最初は数年前の裏銀座縦走の時で、その時は水晶小屋手前の登りでバテてしまい、三俣山荘までの行程を考慮して水晶岳登頂はパス。
2回目も裏銀座縦走のルートでここまで来ましたが展望ゼロのためパス。
そして今回。
これだけ眺めが良いのに登らない理由はありません。小屋の前にバックパックをデポして山頂に向かいます。
水晶岳山頂へ
歩きだしは緩やかな登山道。
山頂に近づくにつれハシゴや岩登り的な要素が加わり道が険しくなってきます。
あと少しで山頂というあたりで、地面が光に反射してキラキラ輝いていることに気が付きます。どうやらこの辺りは何らかの鉱物(水晶?)が地面に散りばめられているようで、看板にはそれらを持ち帰らないようにという注意書きが書かれていました。
水晶岳山頂から見た絶景
水晶岳の山頂に到着しました。
山頂はゴツゴツした岩場で結構狭かったです。
水晶岳山頂からは美しい北アルプスの山々が一望できました。
まずは読売新道に続く縦走路と赤牛岳。
そして巨大な山容の薬師岳。
写真右には雲ノ平と奥には黒部五郎岳、左の遠方には笠ヶ岳も見えました。
そして来た道を振り返ると水晶小屋、鷲羽岳、槍ヶ岳と見事な景色が広がります。(穂高連峰は残念ながら雲の中^^;)
2日目まで微妙な天候が続いていて、今朝も一時はどうなることかと思いましたが、水晶岳山頂で素晴らしい景色を堪能することができて大満足です。
水晶小屋でひと休み
水晶小屋に戻ってからは、小屋でおしるこを注文して食べました。小屋の外で食べている人を見て思わす注文したのですが、その後200円高い力汁を食べている人を見て後悔しました。
次に水晶小屋に行くときは力汁を注文したいと思いました。(おしるこはおしるこで美味しかったです)
天気はまずまずですが風がとにかく強く、外で休憩していたら寒くなってきたので水晶小屋の中に避難しました。
小屋で地図を見ながら今後の行程を考えます。
朝の段階ではここから雲ノ平に移動してテント泊するつもりでしたが、水晶岳山頂で見たいものをある程度見ることができたので、翌日以降のことも考えて三俣山荘に戻ることにしました。
黒部源流を歩いて三俣山荘へ
水晶小屋から岩苔乗越の分岐で黒部源流方面に向かいます。
ここからしばらくは沢沿いをひたすら下っていきます。
当初は鷲羽岳に再度登ることも検討したのですが、水晶小屋を出発する段階で結構雲が出てきており、山頂からの景色に期待できないような気がしたので、コースタイムの短い黒部源流ルートを選びました。
三俣山荘に出戻りテントを設営
再度テント泊の申込みをして、前日の隣に張りました。(前日の場所はすでに取られていました)
こんなことならテントを張ったまま必要な荷物だけ持って歩いたほうが快適だったよな・・・なんて思いつつも、まあ今更そんなことを考えても仕方がないので、テントを設営した後は三俣山荘の展望食堂に移動します。
三俣山荘の展望食堂でラーメンとビールを頂きました。
ラーメンを食べた後は、残ったビールを飲みながら「黒部と槍」という写真集を楽しみました。
その後は談話室に移動して「伊藤正一写真集 源流の記憶 「黒部の山賊」と開拓時代」を手に取ってみました。こちらは三俣山荘の歴史が詰まった素晴らしい写真集でした。
山岳ライターの高橋庄太郎さんとすれ違う
夕方に槍ヶ岳が見えるか小屋の前まで行ってみると、山岳ライターの高橋庄太郎さんとすれ違いました。スタッフの方と思われる方々と一緒だったので声は掛けられませんでしたが、見た瞬間に高橋さんだなと思いました。
今回の取材は、北アルプスの黒部源流一帯を開拓した故・伊藤正一氏の跡を継ぎ、
— Go Ando / THE GUILD (@goando) August 29, 2019
三俣山荘・水晶小屋を経営される伊藤圭さん
雲ノ平山荘を経営される伊藤二郎さん
のご兄弟に山小屋の歴史と今直面している課題を伺いました。
多くの方に知ってほしい事があります。追ってYAMAPからレポートします。 pic.twitter.com/AdFHVlWKJG
高橋庄太郎さんの書籍は登山を始めたばかりの頃に大変お世話になりました。
以下の書籍は今でも時々手に取って読むことがあります。
明日の下山に備えて寝る
夕方。
三俣山荘の天気を記載する黒板の翌日の箇所には太陽のマークひとつだけ。雲のマークはなし!
これを見て、明日は早朝に出発して三俣蓮華岳に登り、そのまま双六岳を経由して新穂高温泉に下山することに決めました。
テントに戻り夕食を食べ、明日の下山に備えてシュラフに入りました。
続き:「北アルプスを行く」最終回 三俣蓮華岳と双六岳で迎えた最高の朝
YouTube動画
今回の3日目の行程を撮影した動画をYouTubeにアップしています。
興味のある方はご覧ください。