8月中旬の登山で足の指の傷が悪化してしまい、山に登れない日々が続いていましたが、だいぶ回復してきたので赤岳周辺を日帰りで歩いてきました。
普段は公共交通機関を利用して現地まで移動していますが、茅野駅から登山口までのバスが土日祝日しか運行していないため、自宅の近くにあるタイムズの車を借りて赤岳山荘の駐車場まで移動しました。
前日の夜に車を駐車場に停めて仮眠をとり、朝の5時くらいに駐車場代を回収しに来た方に代金を支払い、準備を整えて出発しました。
今回は北沢コースから行者小屋経由で赤岳に登り、山頂に到着した時点で体力と時間に余裕があれば横岳・硫黄岳を経由して下山、難しければ地蔵尾根から行者小屋に戻って来た道を戻る…という計画にしました。
今回予定しているルートは2年前の5月末にツクモグサを見に行く際に歩きました。
当時は出発する朝5時の段階で周囲は結構明るくなっていましたが、9月中旬になると同じ時間でも真っ暗です。
南沢から赤岳へ
ヘッドライトの灯りを頼りに駐車場から登山口のある美濃戸山荘まで歩きます。
お馴染みの八ヶ岳の看板ですが、こんなに暗い状態で撮影するのは初めてです。
赤岳へは北沢・南沢のどちらからでも行けますが、最短で登れるのは行者小屋を経由する南沢コースです。(硫黄岳に行くなら北沢)
今回は赤岳の山頂に到着した段階で次の行程を考えるつもりだったので、最短で山頂に登ることができる南沢コースを選びました。
薄暗い南沢コースを行く
出発してしばらくの間はヘッドライトの灯りがなければ歩けない暗さでしたが、徐々に明るくなってきました。
この日は徐々に晴れていくという予報だったので、天気の好転を願いながら苔の森の中を歩いていきます。
晴れていればそろそろ陽の光が差し込んできてもいい頃合いですが…。
空を見て納得。
残念ながら曇っています。
行者小屋で小休止
行者小屋はテント泊は可能ですが小屋は閉鎖中です。
テント泊をする場合は時々訪れる赤岳鉱泉のスタッフさんが対応されているようです。
天気予報によれば赤岳山頂に到着するくらいには晴れるという予報でしたが、行者小屋に到着した段階ではその気配はありません。
いつものパターンか…と諦めムードが漂います。
とはいえここまで来て引き返すのも勿体ないので天気予報を信じて赤岳山頂に向かうことにしました。
文三郎尾根から赤岳山頂へ
行者小屋で行動食をポリポリ食べて一息入れたところで、文三郎尾根を登って赤岳山頂に向かいます。
小屋を出発して少し歩いていくと、整備された階段が延々と続く階段地獄ゾーンに突入します。
空は相変わらずの曇りでガスが山頂に向かって湧き上がっていました。
晴れてきた
「この調子だと今回もガスって終わりかな」と諦め半分で歩いていましたが、阿弥陀岳分岐の手前くらいからガスが取れてきて、晴れ間がじわじわと広がっていきました。
どうやら予報通りの天気になりそうです!
今年の夏は天気予報に裏切られ続けていたので、晴れマークが付いていても半信半疑でしたが今回は無事に晴れてくれました。
分岐からザレた道を進みます。
権現岳の向こうに南アルプスが見えました。
今年はコロナの影響で山小屋が軒並み営業を停止していますが、来年以降に営業が再開した時は白峰三山縦走に再挑戦したいです。
横岳・硫黄岳方面の雲もだいぶ取れてきました。
この時間帯の山は陰影が出ていてカッコいいですね。
赤岳に続く岩場
ザレた道を進んでいくと赤岳山頂に続く岩場が現れます。
鎖が設置されていて登るのには困りませんが、ここを下りで使う場合は初心者の方はちょっと怖いかもしれません。
岩場を越えてハシゴを登って…。
赤岳の山頂に到着!
赤岳の山頂(標高2,899m)に到着しました。
時刻は9時少し前。
コースタイム通りに到着することができました。
山頂から八ヶ岳の山々がよく見えます。
雲の向こうには富士山も!(山頂に着く前から見えていましたが^^;)
雲のボリュームがなかなか凄かったので登山者の邪魔にならない場所に三脚を立ててタイムラプスを撮影しました。
その模様は全体の行程を撮影した動画をYouTubeに公開予定なのでお楽しみに。
追記:アップしました
横岳へ
タイムラプス撮影が終わった段階で時刻はまだ9時過ぎ。この時刻なら横岳と硫黄岳のピークを踏んでから下山しても遅い時間にはならなそうです。
赤岳頂上山荘は営業していないので、もう少し先に行ってから休憩することにしました。
まずは赤岳展望荘へ向かいます。
赤岳頂上山荘からの下りが結構怖かったです。
晴れていたのでシューズのフリクションが効いてくれましたが、雨で岩が濡れていたらと思うと…。
赤岳展望荘
赤岳展望荘に到着しました。
ここでジュースを買って休憩したかったのですが、小屋に入って「すいません!」と声を上げても誰も出てこなかったので先へ進むことにしました。
展望荘から少し歩いていくと地蔵尾根の分岐が見えてきます。
地蔵ノ頭
分岐はお地蔵さんが目印。
地蔵尾根から行者小屋に下山することができますが、今のところコースタイム通りに歩けていますし、まだまだ元気なので横岳方面に向かいます。
地蔵ノ頭から先は徐々に道が険しくなっていきます。
手足を使ってよじ登る場面が増えてきます。
そしてハシゴや鎖場が出てきますので、足元に注意して進んでいきます。
ふと来た道を振り返ってパシャリ。
赤岳と富士山。
横岳周辺は雨の日には歩きたくない場所ですが、こういう天気の日はアスレチック気分で楽しく登ることができます。
イワヒバリが人目をはばからずイチャイチャしていましたが、カメラを向けたら1羽がどこかに飛んで行ってしまいました。
お邪魔しました。
進めど進めど横岳の山頂に着きません。
こんなに遠かったっけ?なんて思いながら進んでいきます。
そして…。
ようやく最後のひと登り。
横岳の山頂に到着!
横岳の山頂(2,830m)に到着しました。
さっき登った赤岳とその奥の阿弥陀岳。
そしてこれから向かう硫黄岳。
そろそろ腰を下ろして休憩を…という気分になってきましたが、硫黄岳の手前にある硫黄岳山荘まで頑張ることにしました。
横岳山頂から少々急な斜面を少し下れば…。
あとは緩やかな下り斜面。
硫黄岳山荘で休憩
硫黄岳山荘に到着しました。
以前にここで食べたカレーライスが絶品だったので、カレーを注文するつもりでいたのですが、調理担当の方が別の作業中で出来上がりに少し時間がかかるということだったので断念しました。
そんなわけで売店でカップヌードルを注文。
帰りの運転を控えているので飲み物はノンアルコールビール。
食後は硫黄岳山荘自慢のウォシュレット付トイレを利用して出発します。
こちら側から見る硫黄岳は非常に緩やかなフォルム(山の反対側には荒々しい爆裂火口があります)が特徴的で、悪天候時に行き先を見失わないように大きなケルンが所々に立っています。
硫黄岳の山頂に到着!
硫黄岳の山頂(2,760m)に到着しました。
丘のように緩やかでとても広い山頂です。
今日歩いてきた山々がよく見えます。
爆裂火口
硫黄岳山荘から硫黄岳を見たときは緩やかな山に見えたと思いますが、反対側は過去の火山の噴火で山が吹き飛んでえぐれています。
山頂にはロープが張ってあって近づけなくなっていますが、天狗岳方面に少し下ると爆裂火口がよく見えます。
西天狗岳・東天狗岳とその向こうの蓼科山もよく見えました。
とても眺めが良いのでゆっくり休憩したいところですが、今回は日帰り登山なので帰宅時間を考慮して下山することにしました。
最後にズームレンズで最大限に寄ってパシャリ。
硫黄岳・赤岳・横岳。
赤岳鉱泉を経由して下山
赤岳・横岳・硫黄岳と無事に3つのピークを踏むことができたので、赤岳鉱泉を経由して車を停めた赤岳山荘の駐車場に戻ります。
1泊2日のテント泊であれば、それぞれの山でもう少しゆっくりすることができたのですが、今回は日帰りなので仕方がありません。
膝痛発生
今回はスタートから下山までのコースタイムが10時間という、なかなかの長丁場で膝痛が発生しないか心配していましたが、下山を開始してすぐに出てきた違和感が途中から痛みに…。
膝に違和感が出始めたところでサポーターを装着しましたが時すでに遅しでした。
その後は激痛に発展することはありませんでしたが、痛みの出ている右膝をかばいながら歩いていたので歩行スピードが少し落ちました。
サポーターを装着することで痛みが軽減されていたので、朝から付けていれば痛みは発生しなかったかも?次回の登山では登り始めから装着してみることにします。
赤岳鉱泉で小休止
赤岳鉱泉でCCレモンを飲みながら足を休めました。
休憩後は膝の痛みに耐えながら北沢コースを黙々と歩き、堰堤広場からは林道を延々と歩き…。
下山!
そして登山口に無事?に到着しました。
駐車場に戻り汗拭きシートで体を拭いて着替えを済ませて出発。車高の高い車が欲しくなるデコボコのオフロードを慎重に走って次の目的地に向かいます。
yatsugatake J&Nでステーキを食べる
八ヶ岳山荘、美濃戸口バス停の目の前にあるお洒落なレストラン「yatsugatake J&N」に到着しました。
普段はこういうお店には目もくれずにさっさと帰ってしまう僕ですが、いつも見ているOKPさんのブログ「I AM A DOG」でこのお店が何度か紹介されていて、料理がとても美味しそうだったので立ち寄ってみることにしました。
バス停の目の前にあるお店なので、公共交通機関を利用される方もバスが出発するまでの時間をお店ですごすことができます。(入浴も可能)
当初はOKPさんがブログで紹介していたステーキプレートを食べるつもりでいたのですが、頻繁に来れる場所ではないので奮発してリブロースビーフステーキ(ライス付)を注文しました。
別途注文したコーラと食事に付いてきたサービスのサラダは肉が来る前に胃の中に吸い込まれていきました。
熱々の鉄板の上でジュージューと音を立てているリブロースビーフステーキが運ばれてきました。ステーキソースをかけてライスと共に頂きました。
それなりのお値段がしますが、ボリューム満点で食後は腹がパンパンになりました。
贅沢なタンパク質補給に心身ともに大満足です。
なかなかの食べ応えなので、連れの方がいる場合は別の品を頼んでもらって、それぞれシェアしながら食べたほうが良いかもしれません。
非常に満足度の高いお店なので、八ヶ岳に来た際はまた立ち寄ろうと思います。
あと、お店の方が対応中で写真は撮れませんでしたが、看板犬のマロ君(シベリアンハスキー)が可愛かった。
そんなわけで約1か月振りの登山でしたが、9時間超の長丁場だったこともあって非常に疲れました。少々無理したこともあって右膝に痛みが出てしまいましたが、天気も良く楽しい山登りになりました。