前回の続きです。
蛭ヶ岳山荘の夜はまあまあ冷え込みました。
夜中に1度トイレに行きましたが、布団から出ると体温がスーッと奪われていきます。
慣れない山小屋泊でしたが、テントで寝るよりも多少眠れたような気がします。何度か目を覚ましつつ時間が過ぎていき、朝5時くらいから布団を片付けて出発の準備を始めました。
身支度を整えて1階に下りるとちょうど朝食の提供が始まったところで、美味しそうな匂いが広がっていました。
僕は素泊まりなので匂いだけ頂いて外に出ます。
- 蛭ヶ岳の山頂で迎える最高の朝
- 蛭ヶ岳山荘を出発
- 丹沢山の山頂に到着!
- 丹沢山から塔ノ岳へ
- 塔ノ岳山頂に到着!
- 大倉尾根を下る
- 大倉バス停
- 終わりに
- 今回の縦走登山で利用した公共交通機関や山小屋について
- 他の丹沢登山記事
蛭ヶ岳の山頂で迎える最高の朝
日の出前の薄明るい時間帯。
この標高のこの時間帯で夜景を見るのは初めてかもしれません。
キラキラした夜景と夜明け前の空の色が印象的です。
風はそれほど吹いていませんでしたが、とにかく寒いので防寒具をフル装備して蛭ヶ岳山頂に移動してご来光を待ちます。
finetrackのフラッドラッシュEXPグローブ単体では指先が冷えて仕方がないので、ニットの手袋を下にして、その上にフラッドラッシュEXPグローブを強引に被せましたがそれでもまだ指先が冷たい!
こういう時はウールの手袋の方が暖かいのかな?
・・・なんて思っていたら指ぬき手袋をしている人とか、僕よりも明らかに薄手の手袋をしている人が余裕の表情をしていてびっくり。
そしてご来光。
山で迎える朝は何度経験しても飽きません。
丹沢に朝がやってきました。
朝日に染まっていく富士山と南アルプス。
美しい朝の景色を堪能したあとは身支度を整えて出発です。
蛭ヶ岳山荘を出発
蛭ヶ岳山荘からまずは丹沢山を目指します。
この辺りの登山道は泥でぬかるんでいる箇所が多いのですが、朝の冷え込みで泥がカチカチに凍っていて足を汚さずに歩くことができました。
序盤からアップダウンが続きますが、1日目のハードさと比べれば大したことはありません。
疲れてきてもちょっと立ち止まって景色を見ればすぐに元気になります。
蛭ヶ岳から丹沢山の区間は歩いていてとても楽しかったです。
丹沢山の山頂に到着!
あっという間に丹沢山の「みやま山荘」に到着。
標高1,567mの丹沢山の展望はこんな感じ。
ここで休憩しながら軽食を食べるつもりでしたが、まだまだ元気だったので塔ノ岳の尊仏山荘まで行くことにしました。
丹沢山から塔ノ岳へ
丹沢山の山頂からふたたび下っていきます。
この辺りまで来ると下りだろうが登りだろうがあまり気にならなくなってきます。
塔ノ岳山頂の尊仏山荘まであと一息。
整備された階段を登り切れば到着です。
塔ノ岳山頂に到着!
標高1,491mの塔ノ岳に到着しました。
まずは尊仏山荘に入ってコーラを購入して、山頂の眺めの良さそうなところに座ってカロリーメイト(半分)を食べながらコーラを流し込んでいきます。
ちょっと寒いですがコーラの糖分が体に染みわたります。
南アルプスもよく見えます。
今回歩いてきた檜洞丸・蛭ヶ岳・丹沢山も見えました。
黄色い声援
コーラを飲みながら景色を眺めていたら尊仏山荘のほうから「キャー!一緒に写真撮ってもらっていいですか?え、いいんですかぁ!やったー!」と女性たちの叫び声が聞こえてきました。
芸能人でも来ているのか!?と振り返ってみると、丹沢のチャンプこと畠山良巳さんが荷揚げを終えて尊仏山荘から出てくるところでした。
小屋に荷物を届けて身軽になったチャンプは記念撮影に快く応じて、軽快に大倉尾根を下りていきました。
60代後半に差し掛かろうとしているのに相変わらずの短パン姿で、歩荷で鍛え上げられた見事な大腿四頭筋は健在でした。
写真は昨年の1月に撮影したチャンプの後ろ姿。
大倉尾根を下る
カロリーメイトを食べ切ったところで僕もそろそろ下山します。
丹沢の大倉尾根はもう何回も歩いてますが、毎回下山の後半に膝に違和感が出てしまいます。(初めて塔ノ岳・丹沢山に登った時は両膝が死にました)
今回は登山2日目で疲労も普段以上に溜まっているはずなので、ドカドカと足や膝に負担のかかるような歩き方はせずに、慎重に丁寧に歩きました。
駒止茶屋あたりで右膝に若干の違和感が出てしまいましたが、痛みに発展することなく最後まで歩き切ることができました。
大倉バス停
大倉のバス停に到着し、登山靴とパンツの足元の汚れを洗い流し、バス停で時刻表を確認します。
バスの到着・出発までまだ少し余裕がありそうなので、大倉バス停に到着した瞬間に目に飛び込んできた菜の花と河津桜を見に行くことにしました。
菜の花と河津桜
どちらも青空に映える色鮮やかな花を咲かせていました。
3月上旬オープン予定の「山守茶屋」
バス停に戻ってバスの列に並んでいると前方に開店準備中のお店が目に入りました。どうやら3月上旬オープン予定の新店舗のようです。
少し前にYAMA CAFEがオープンしたばかりの大倉ですが、さらに新しいスポットがオープンすることで下山後の楽しみが増えそうです。
その後、到着したバスに乗り、渋沢駅から電車に乗り換えて帰りました。
下山後のビールは我慢して家まで帰り、自宅で今回の登山を振り返りながらゆっくりビールを堪能しました。
終わりに
初めて自主的に山小屋に宿泊することを選んで登山をしてみましたが、これはこれでなかなか良いものですね。(以前は避難目的で宿泊)
これまで僕は登山はテント泊で山小屋泊なんて考えられない・・・と頑なに利用を避けていましたが、妙な拘りのせいで山歩きの選択肢を狭めていたようです。
今後はより多彩なルートを歩けるように、丹沢周辺の山小屋や避難小屋の情報を収集していきたいと思います。
今回の縦走登山で利用した公共交通機関や山小屋について
今回の縦走登山に興味のある方向けに簡単な情報をまとめてみたので参考になれば幸いです。
公共交通機関について
西丹沢をスタート地点にするよりも、大倉から出発したほうが蛭ヶ岳に早く到着できるのですが、何度も登っている大倉尾根にちょっと嫌気がさしていたのと、大倉のほうが下山後のバスの本数が多く、下山後の行動に融通が利くかなと思って今回のルートに決めました。
渋沢駅の始発バス:6時48分
→ 大倉バス停へ
新松田駅の始発バス:7時25分(冬季休日ダイヤ)
→ 西丹沢ビジターセンターへ
マイカー登山の方は新松田駅周辺に車を停めて西丹沢スタートにすれば、大倉に下山したあとバスで渋沢駅まで移動して、そこから小田急線で新松田駅まで戻れば割とスムーズに車を回収できるような気がします。
蛭ヶ岳山荘について
蛭ヶ岳山荘は比較的コンパクトな山小屋ですが設備はしっかりしていています。
トイレは男女共用で洋式2・和式1、自炊室は10名程度が同時に使えるスペース、水やビールを含めたドリンク系は500円・・・といったところでしょうか。
小屋を出てすぐの山頂からの展望は最高ですし、小屋の前から見える関東平野の夜景はとても綺麗です。昼間に立ち寄って通り過ぎるのはとても勿体ない場所なので、興味のある方はぜひ宿泊で利用することをお勧めします。
宿泊は要予約
- 蛭ヶ岳山荘直通電話:090-2252-3203
- 受付時間:20時まで(それ以降は翌日連絡)
- 山荘の到着は16時まで
利用料金
- 1泊2食付 8,000円
- 1泊1食付 7,000円
- 1泊素泊り 6,000円(自炊部屋あり)
- 休憩料金200円(トイレ使用可)
各種時間割
- 朝食:5時30分
- 夕食:17時30分
- 消灯:20時